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11/11/14 朝日俳壇、歌壇より
 震災のために延期 されていた宮城県の県会議員選挙(定数59)が13日投開票されました。
 自民党が30議席(推薦2を含む)を獲得し、共に与党の公明党の4議席とともに村井知事の進める水産業特区構想などの復興策が進められると観測されてい ます。
 共産党は2議席から4議席へ倍増、社民党3、みんな2などの新しい勢力分布となりました。
 
選挙:宮城県議選 投票率最低41.69% 自民系過半数、民主は議席減」(毎日新聞 11/11/14)

 問題なのは投票率、41.69%だったそうです。
 今、世の中では半分以上の富を保有する1%の人たちと、残りを99%の人たちで分け合った生きている私たちとの闘いが始まっています。
 富を持つ人たちは、お金で政治屋を養い、マスメディアをコントロールするなど大きな権力を持っています。翻って私たちの「力」は選挙で私たちの代表を選 ぶしかありません。宮城県議選の当日有権者は約160万人、投票数は66万7千余、90万余の人は意思を明らかにしなかった。今回の宮城県議選ではわずか 31票差で共産党の候補者が落選したそうです。

 一方、福岡では「さよなら原発! 福岡1万人集会」が開かれ1万5千人の人が参加したそうです。
 
『原発いらない』市民結集 福岡市で『1万人集会』」(西日本新聞 11/11/14)

 集会やデモに参加するには少しの勇気が必要ですが、投票に行くには勇気も必要ではありません。
 ソフトウエア販売会社の社長ビル・トッテンさんが98年の参議院議員選挙の時に書かれたコラムの一部を紹介します。

  日本そして日本国民の運命は我々の手中にある。国民がその義務さえ果たせば、何者にも我々の運命を支配されたり、命令されたりすることはないのである。参院選について思うこと(6)OurWorld 98/07/01)

  13日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇秋風に吹かれて線になって行く(藤岡市・飯塚柚花:大串章選)
 線になって行くのは何でしょう?私は高い空の雲と思いましたが、選者は「さまざまな線が想像されるが、私は渡り鳥の列を思った」そうです。

◇すすき分けブルーカラーの釣師かな(嬉野市・秋山和江: 大串章選)
 なぜ、釣師はブルーカラーでなければならなかったのでしょうか?味わいが共感できにくい句でした。

◇機音といふ秋声を聞いてをり(大阪市・山田天:稲畑汀子 選)
 機音がする町というと丹後の伊根を思い出します。
 幼いころ、町に一軒の躄機を織る家がありました。我が家と同様に貧しい同級生の母が暗い家の中で帯?を織っていたようでした。機音を聞くと思い出しま す。

◇贅沢はすてき松茸土瓶蒸(東京都・長谷川弥生:稲畑汀子 選)
 「贅沢はすてき」にひかれ、浮かんだのは「贅沢は敵だ!」という戦中の標語でした。
 さて、この句はどのように鑑賞すればよいのでしょう。確かに土瓶蒸は贅沢なものですが、今では回転寿司屋でもあるような食べ物になりました。

◇旅に出る弱虫善人残る虫(秩父市・淺賀信太郎:金子兜太 選)
 私の頭ではついていけない句が多い。
 旅に出るのは誰、残るのは作者?
 選者は「言い過ぎていささか気障(きざ)の感もあるが、季語を含む韻律独特」と評されていますが。

◇卓上のりんご戦没学徒の絵(さいたま市・清水由紀子:金 子兜太選)
 戦没画学生の絵を展示している無言館には未だいけずにいます。なんとかこの冬には出かけて見たい。

◇まだ蔓にしつかりとつく零余子(むかご)とる(芦屋市・ 高杉靖子:長谷川櫂選)
 零余子は蔓からポロリポロリと落ちてしまうものと思っていました。しがみつくように未練を残しているのでしょうか。


◆朝日歌壇
◇石塊となりしもありて仏たち修那羅(しょなら)峠は冬ならんとす(長野県・沓掛喜久夫:高野公彦選)
 また、行きたいところが増えました。長野県の修那羅峠には石仏が8百体余りもあるそうです。これから石仏も雪に埋もれるのでしょうか。

◇象徴も偶像もまた生身なり血にまみれたるカダフィの面 (おも)(広島市・小田優子:高野公彦/佐佐木幸綱選)
 独裁者カダフィの最期の映像は悲惨でした。独裁者とはいえ彼はなぜ裁判も受けずにリンチのように殺されたのでしょうか?

◇リハビリにドラムをたたく難病の教え子常に前を向きいる (亀岡市・俣野右内:馬場あき子選)
 先日行った映画館で、ダウン症のドラマー・新倉
壮朗(にいくら・たけお)さんを描いたドキュメンタリー映画タケオ」の予 告を見ました。まるでこの歌の少年?のようです。

◇汚染のち除染のち仮処分とう拭えざるままフクシマに冬 (福島市・美原凍子:馬場あき子選)
 美原凍子さんの歌です。何も解決されぬ、目処も立たないまま福島に冬が来る。
 汚染されたものを除染するという、放射能に汚された瓦礫を「仮」処分するという。除染なんてことを本気でやろうとしているのでしょうか?

◇フクシマの生活(くらし)の歌を読めばなお閑(しず)か におれよこちらの原発(宇和島市・河野利夫:佐佐木幸綱選)
 福島の人たちの詠む歌は哀しい。やり切れない。作者の住まわれる地では伊方原発、関西に住む私たちには福井の原発群、どちらも閑かにしていてくれよと思 うしかない。何か起こる前に原発を止めなければ。。。

◇変へよとふ声高らかに温きもの小さきものらの逐はれゆく 国(名古屋市・堀信太朗:佐佐木幸綱選)
 こんな国に誰がした、前記のビル・トッテンさんによればみんな私たち国民 が選挙に行かなくなってこの国は堕落していったのです。「そうだ、選挙に行こう」
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