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11/11/22 朝日俳壇、歌壇より
 20日に投開票さ れた福島県県議会議員選挙では共産党が、岩手県議選(1→2議席)、宮城県議選(2→4議席)に続いて5議席(改選前3議席)を獲得しました。
 しんぶん赤旗などでは「被災地と全国の党員が被災者に寄り添い、献身的に復旧・復興にあたった」ことなどが勝因だと分析しています。

◆投票に行こう
 共産党の躍進はうれしいことですが、投票率が過去最低の47.51%だったことは悲しいことです。今週末は大阪府知事選と大阪市長選の投票日です。
 投票に行かねば何も変わりません。当選してほしい人を当選させるためにも、当選してほしくない人を落選させるためにも、是非投票に行ってください。私と 政治信条が違う方も是非投票所にお運びください。

◆相変わらず「ご飯」を「米」というバカ
 ラジオ番組をポッドキャストで聴いています。先日TBSのキラキラで「お米と私」を話題にしていましたが、小島慶子さんも水道橋博士さんも米と飯の違いが分からないようです。
 他の番組でも「コメを食べる」などと平気で使っています。嗚呼嘆かわしいことです。

◆言葉は凶器
 ブログを互いに読みあっている方のある日の歌<犬食いと言葉の出でし冬の日や君には患者吾には父なり>に感動しました。
 この歌は、身体が不自由で入院されているお父さんの食事風景を見た医療関係者が「犬食いのような食べ方」と表現したそうです。その人に悪気はなかったの でしょうが言葉は凶器ということを思い知らされました。
 言葉は愛を伝えることも、憎しみを伝えることも、怒りも悲しみも、自分の感情を伝えることができます。何も持たない私たちにとっては武器にもなります。
 そして凶器にもなります。自戒せねばなりません。

  21日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇出世せぬ長命相や天高し(大分市・藤原啓司:稲畑汀子選)
 最近、「出世」という言葉を聞くと京都大学の小出裕章さんのことを思いださずにはいられません。
 小出さんの肩書きは、1974年に京都大学の教員となってから37年間、62歳になられた現在も助教(以前の故障では『助手』)のままです。
 学歴も閥もコネもない私でも一時は出世などという言葉に惑わされた時期もありました。
 紹介の句は、出世もしないけど長生きの相ですよと、占い師にでも言われたのでしょうか?出世も要らぬ、長生きも要らない、今の心境です。

◇譬(たと)ふれば小春のやうなお人柄(埼玉県寄居町・新井あい子:金子兜太選)
 この句で詠まれたようなヒトになりたいものです。男性でしょうか?女性でしょうか?

◇仮の世や死に損なつて秋惜しむ(長岡市・内山秀隆:長谷川櫂選)
 戦争を体験された方でしょうか、新潟地震を体験された方でしょうか、死に損なうとは?
 物語を読むものにイメージさせます。

◇芭蕉忌や地図を拡げて旅にでる(宝塚市・松井由起子:大串章選)
 未だに芭蕉の偉さを十分理解できずにいる者です。ただ旅人になりたい人です。
 今は、冬の青春18切符を使っていく自転車の旅を
パソコンを拡げて計画しています。
 13日付けの朝日歌壇(残日録11/11/14)に長野県の
沓掛喜久夫さんの<石塊となりしもありて仏たち修那羅(しょなら)峠は冬ならんと す>という歌が入選していました。
 修那羅峠の石仏、戦没画学生の絵を展示した無言館、反骨の詩人・大島博光さんの記念館、松代の地下壕跡など信濃の山と千曲川の景色を楽しみたいと思って います。

◇見に入むやスポーツジムに救急車(千葉市・岡野さち子:大串章選)
 健康のためにジョギングを提唱したジェームス・フィックスという人は
、52歳の若さでジョギング中に心臓病で亡くなって いるジョークのような話がありますが、スポーツジムに救急車は似合わないものです。

◆朝日歌壇
◇不明者の三八〇〇の中にいる死者にもなれず釜石の友(本宮市・廣川秋男:永田和宏/馬場あき子選)
 瀬戸内寂聴さんが遺体が戻らないために踏ん切りがつかない人に「もう、諦めて供養をしてあげなさい」風なことを言っていました。3800人といえば小さ な 村や町の人口に匹敵します。
 そこに眠っていると分かっていても遺体が収容できない(されない)人も福島第一原子力発電所の周りには居られるそうです。誰を恨むのか、東京電力と原発 を推進してきた人びとに限りない憤りを憶えます。

◇鵜と人とかつて寄り添い暮せしか鵜住居町(うのすまいちょう)鵜も人も居ず(熊本市・大畑靖夫:永田和宏選)
 鵜住居町というのは今でも住所としてあるのでしょうか?ありました。岩手県釜石市にありました。
 この歌は、津波被害で鵜も人も居なくなったのでしょうか?

◇岩手弁一言聞けばすぐ分かる長岡輝子の「雨ニモマケズ」(奥州市・大松澤武哉:佐佐木幸綱選)
 もう長岡輝子さんも居ない。
 一度、生の舞台が見たかった。
 お国訛りというのは役者がいくら真似てもできないことではないでしょうか?岩手出身の賢治の歌は岩手出身の長岡さんを通して生きてくるのでしょう。朗読 も聴いて見たい、CDでも収録されているのでしょうか?

◇見慣れたる笑顔の遺影とそっくりなひとが静かに焼香に立つ(日立市・丸茂美保子:佐佐木幸綱選)
 いい歌です。
 葬儀の席で同じような経験があります。
 父と息子の組み合わせだけでなく、叔父と甥、祖母と孫娘など若いときの死者を重い起こさせる場合があります。

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