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11/12/18 修那羅峠

 野田佳彦首相は、 東京電力福島第一原子力発電所の事故は「収束に至った」と宣言したそうな。
 まるで、先の戦争末期の大本営が発表し続けた戦況のようでもあるし、ブッシュが空母エイブラハム・リンカーンの艦上でした「勝利宣言」のように空虚なも のでした。
 核燃料がどこにあるのかも分からない原子炉の「冷温停止」より、野田佳彦の「思考停止」の方が確実なことのようです。

 国と東電一派は、この事故をできるだけ小さく小さく見せようとしています。厭きもせず「原発は安全だ」「原発が止まると電気が足りなくなる」と脅迫まで しています。許せない。

  今週、2泊3日の行程で信州へポタリングに行ってきました。3日間とも寒さはほどほど、天候は晴れの良い日でした。
 今回は修那羅(しょなら)峠越えの部分を書いてみます。

 始発電車に乗って、京都、米原、名古屋、中津川、松本と乗り換えて聖高原駅までおよそ9時間の青春18切符の旅です。
 平日の始発電車は眠そうな乗客で3割方の座席が埋まっています。
 名古屋駅の在来線ホームできしめんをいただきました。何ものせないかけきしめんでしたが、とても美味しい一杯でした。

  ラッシュ時間帯に入っている中央線にも座ることができました。旅の友は一杯の麺類と一杯のお酒です。
 中津川までの各駅では、停車するたびに乗客が減っていき ますが、元気な婆さんのグループが何組みか、中津川や南木曽などから中山道のハイキングでしょうか?
 山陰にはところどころに雪が残っています。旧型車両の窓 際の席には外気が入ってきます。

 思い返せば、中央線を自転車を担いで行き来するのも何回目でしょうか。井 上井月の墓参、映画「阿弥陀堂だより」のロケ場所を訪ねたり、車窓から見える道路(R19)も走った記憶が思い出されます・

 松本ではおよそ1時間の待ち時間があります。駅ビルは没個性の橋上スタイル、食事をしようとウロウロしますが、飲食店も全国チェーンの店ばかりです。駅 ビルを出て1階の「壱丁目壱番」という店に座りましたが、これば最悪、蕎麦もどきの硬い麺を流し込みました。

 時間つぶしに3階のコンコースで雪を被った北アルプスの山並みが眺めて過ごしました。案内板によると一番大きく見えているのは常念岳だそうです。30年 も40年も前に燕岳から大天井岳、常念岳のいわゆる日本アルプスの表銀座と呼ばれるコースを縦走したことを思い出しました。ああ、あの時も単独行でした。

  聖高原駅に下車、いよいよ山登りです。
 駅前には村営バスが下校の子どもたちを乗せて待機してい ます。いきなり上りと言うわけではなく、ゆるりゆるりと集落を結んで谷沿いの道を登っていきます。

 出発地点の標高が高いので実質の標高差は300m程度です。集落が途切れてまもなく峠らしいところで、長靴を履いて坂道を登って行く地元の人らしい女性 を追い越します。声をかけると「○○まで行く」と聞き取れませんでした。「お先に」と返して行きます。
 
  路肩に雪が残り、溶け出した水が氷かかっている道を上り15時過ぎに峠に到着、峠には[→修那羅石仏800m]と書かれています。??峠に石仏があるので はなかったのか?
 石仏群は峠から800m、標高差100mの安宮神社にあるそうです。自転 車を峠において急なハイキングコース状の道を登って行きます。犬の鳴き声がしてきました。狭い駐車場の奥に社殿が社殿を抜けるとたくさんの石仏がそこここ に鎮座しています。
 置かれ方が人の手が入っているようです。江戸期に作られたと書かれていましたが、何年も放って置かれたものを整備されたのでしょうか?

 寒さが堪えます。そこそこにして下ります。途中で先程の女性にばったりと 出会います。安宮神 社は無住ではなかったのでお宮の方だったのでしょうか?「早いね」「お気を付けて」と言葉を返し自転車のもとへ。

 峠からの下りが急坂、路面濡れ(凍結?)で滑りそうで怖い、対向車もそこそこあります。
 慎重に下って、青木村役場前を通過、別所温泉の案内表示 を無視して下ります。16時過ぎたところで戦没画学生の作品を展示している「無言館」を探します。
 薬局で訊ねるとどうやら方角を間違っているようです。「これから行っても閉館しているだろう」とのこと、明日にでもと上田市内の宿を目指します。

 西の空が綺麗です。明日も好天のようです。
 上田駅のビジネスホテルは綺麗とは言えませんが低価格で は文句も言えません。棺桶のような湯船に身体を沈めて疲れを取ります。

 夕食は駅前の居酒屋「明治屋」という店に入りました。偏屈そうなオヤジに気の良さそうな女将、先客は3人、隣町から来たという青年はチェーン店の居酒屋 をややくどくこき下ろしています。
 隣の不動産屋?らしいオヤジさんはコードレスホンで電話を受けて早めに退店、もう一人のオヤジはよく正体がわかりませんでした。人をするもの一人旅の楽 しみのひとつです。

 こうして、1日目の夜は更けて行きました。
 続きはまた。
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