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11/12/27 朝日俳壇、歌壇より

 26日付け朝日新 聞の「天声人語」は対抗する野球チームの応援歌を作る作曲家のことから、橋下大阪市長に迎合する各党、鈴木宗男氏の出所祝いの会にはせ参じた政治家を 「変わり身」と批判しています。そして「国の危機にこそ、政治家の節操が厳に問われるべきだろ う。ぶれないのは誰か、自分たちの選挙より、顧客である有権者のことを考える本物のプロは誰かを覚えておきたい。党名と氏名の両方で」 と結んでいます。
 どの政党が、こんな動きに与しなかったのでしょう。
 

  阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」と巨人の「闘魂こめて」は、ともに古関裕而(ゆうじ)が作曲した。高校野球の「栄冠は君に輝く」で知られる古関は、 早稲田の「紺碧(こんぺき)の空」、慶応の「我ぞ覇者」の作者でもある▼作詞家阿久悠さんの本紙連載にあった話だ。阿久さん自身、複数の球団歌を手がけ た。節操がない、などと言うなかれ、プロの仕事とはそういうものである。芸術家なら己の「美学」の許す限りでだが、顧客の注文に合わせる器と技が要る▼一 方で、八方美人では務まらない職業もある。政治家だ。柔軟と変節、太っ腹と無定見の間には濃い一線を引かねばならない。橋下徹大阪市長にすり寄る民主党、 自民党の面々には淡い線もないらしい▼両党は市長選で橋下氏を攻撃した。衆院選での報いを恐れたにしても、「独裁ごめん節」と「橋下万歳音頭」を続けて歌 える神経は信じがたい。同じ握手でも、幾らか恥ずかしそうにできないものか。「政党の馬鹿が手玉に取られてる」(石原都知事)との評にうなずく▼鈴木宗男 氏の「出所祝い」でも、政治家の変わり身を見た。親交の深い議員にまじり、かつて国会や街頭で鈴木氏を罵倒した顔がある。氏は意に介さない風だったが、こ ちらが赤面した▼そんなものさと諦めるなかれ。国の危機にこそ、政治家の節操が厳に問われるべきだろう。ぶれないのは誰か、自分たちの選挙より、顧客であ る有権者のことを考える本物のプロは誰かを覚えておきたい。党名と氏名の両方で。(12 月26日朝日新聞

 因みに鈴木宗男氏の出所祝いには社民党の福島瑞穂党首や「疑惑の総合商社」と鈴木氏を追求した辻元清美衆議院議員も出席していたそうです。「鈴木宗男『出所祝い』集まった顔ぶれの異様―エッ、あの人まで!?」(J−cast)
 化けの皮は剥がれるものです。哀しい。


  12月26日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇起きていて欲しい山あり山眠る(静岡市・西川裕通:金子兜太選)
 みな眠らずに一山でも起きて世の中を見つめていて欲しい との気持ち、悪事の横行する今日よくわかります。
 ふるさとの鈴鹿山脈などは「山眠る」の形容にぴったりと来るようですが、 アルプスの山などはとても眠っているようには感じられません。山の化身が荒れ狂っているようです。

◇年忘れ昼の蕎麦屋の老いふたり(千葉市・小西伸武:大串章選)
 「老いふたり」は蕎麦屋の主人夫婦でしょうか?
 料理店で働く人はある程度年を取っている方が落ち着いて食事ができます。白衣を着たおじさん(おじいさん)ウェイターが運んでくれる料理は美味しそうで す。学生アルバイトのウェイタアーなど勘弁願いたいものです。

◇青空の運んで来る寒さとも(大牟田市・古賀昭子:稲畑汀子選)
 北国で過ごしたことがないので寒さは青空が運んで来ると思っていましたが、北国では鉛色の空が寒さを運んでくることを成人して知りました。

◆朝日歌壇
◇在職時の肩書などなくなりて再雇用でまた同僚となる(盛岡市・菊池陽:馬場あき子選)
 選者は「肩書と共に会った在職時の自負も捨てた再雇用の場で旧知のものと再び同僚となる。今日の現実であり、むしろ幸運な出会いだ」と評されているよう に、再雇用されることが今は幸せなことになっています。
 若者にも正規雇用の仕事がない、まして老人にはまともな仕事などありません。雇う方は安い賃金など悪条件で雇うことができます。これも政治の成せる業。

◇冬の底で鳴るオルガンはふるさとの唄となりゆく雪をつもらせ(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
 美原凍子さんの歌。

◇「除染」というショベルカーが削ってく景観、文化、こころのいのち(福島市・伊藤緑:佐佐木幸綱選)
 除染などという気休めの言葉がショベルカーという仮面を被って、被曝地の暮らしを破壊しています。
 除染が困難なことは京都大学原子炉実験所の小出裕章さんが早くから言っておられました。神戸大学の山内和也教授は現場で除染後の放射能の線量を計って除 染が効果がないと言っておられます。
 こちらに小出さんと山内さんの話が掲載されています。http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/12/23/tanemaki-dec22/

◇いわき市に逃げて来る人逃ぐる人危ふき距離の仮設住宅(いわき市・馬目空:佐佐木幸綱/永田和宏選)
 政府は「危ふき距離」も安全だと、福島第一原子力発電所から20km圏内を来年4月に警戒区域を解除するという。
 民主党政府は「人殺し」政府だ。

◇あごひげのやさしい目をしたおじいさん「窓」という字はそんな漢字だ(入間市・平賀由紀子:永田和宏選)
 朝日歌壇のプチブームとなっている漢字のうた。 YKKAPの窓のCMを思い出しました。
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