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12/01/31 朝日俳壇、歌壇より
 1月も今日限り、人の営みとは 関係なしに時は流れています。

 先夜、サイクリングの仲間の新年会に参加しました。みな、少しづつ老いてゆくことが不思議なことです。30年も40年も前だったら、一年が成長の一年で あったのに。 


  30 日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になる句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇反戦と反原発の海鼠かな(久慈市・和城弘志:金子兜太選)
 十分に句意を理解できません。
 反戦と反原発は同じものだと思います。自民党の石破茂議員は「原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば一定期間のうちに作れるという『核の 潜在的抑止力』になっている」と正直に発言しています。
 原発を推進してきた自公政権は「潜在的抑止力」に期待してきたのでしょう。
 反原発は反戦と同根だと思います。

◇感情はマスクの中にしまひけり(京都市・飯村弘:長谷川櫂選)
 下には大欠伸をマスクの中に隠したとありますが、この句は感情をしまったと。
 私はマスクをする習慣がありませんが、マスクとは便利なもののようですね。

◇人の来て犬きて雪の汚れけり(小松市・谷孝江:長谷川櫂選)
 豪雪の被害の出ている地方には悪いのですが、朝起きて真っ白な雪景色は子どもでなくてもなぜかウキウキするものです。
 新聞少年であった頃、真っ白な路地を自分の足で汚して行くのに気が引けたものです。誰かの真白さを奪ったようで。

◇身体から芽が出てきさう日向ぼこ(熊谷市・小林真理子:大串章選)
 お幸せなようす。
 なんと心地のよい日向ぼこでしょう。お尻に根も生えてきそうです。

◇人知れずマスクの中の大欠伸(横浜市・秋吉芙佐子:稲畑汀子選)
 男性の句だと思っていました。
 これから、マスクの女性をもっと観察することにしましょう。

 
◆朝日歌壇
◇九円の福島さんのもやしあり買う日買わぬ日買わぬ日買う日(袋井市・山内弓子:佐佐木幸綱選)
 フクシマを放射能で汚したのは東京電力です。
 しかし、私たち大人にも原発の建設を止められなかった責任を取らねばならないと思う。この歌にあるように心揺れながらも汚された食べ物を買って食べなけ ればなりません。
 そして、真の加害者を告発することも忘れてはなりません。

◇風評のいまだ絶えぬに甘藍は霜巻きながら甘味増すらしも(ひたちなか 市・篠原克彦:高野公彦選)
 前の歌と同じように、丹精込めて作った野菜は放射能で汚されてしまった農家は「風評」と戦わなければならないとは理不尽なことです。汚された食べ物の汚 れ具合を明らかにして流通させて欲しいと思います。

◇鬱癒えて普通の事の出来ること夢のようなり流しを磨く(熊本市・山本 紀久子:高野公彦選)
 元気になられたよかったと思います。

◇姪っ子をみんなで囲み笑う日の猫の気 持ちはきっとさびしい(伊那市・原千春:永田和宏選)
 賑やかな和の中にいる寂しさは、猫だけでなく人間なら尚更のことです。

◇意識なき床から目ざめ平然と夫はわれに命令をする(飯田市・草田礼 子:永田和宏選)
 老いて、病んでなおわがままな男と言うものはどうしようもないものです。
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