12/02/04 映画「サ
ラの鍵」
ぼんやりとしている内にはや立
春です。
どなたかは「冷蔵庫の中にいるような」また、ある方は「突風で北極圏に飛ばされたような」と表現されるほど寒い日が続いています。
大阪と京都の府境・天王山の麓の当地では一日中気温が低く、晴れた空から雪が舞っていました。
このサイトを訪れてくださる皆さんのお住まいの地域はいかがでしょうか?雪による被害など出ていませんか?
何より、御身大切にお過ごしください。
さて、久しぶりに映画を紹介します。
フランス映画「サラの鍵」を観てきました。
ヴェルディヴ事件と呼ばれる史実と現代に生きる人の生活が交差していく見ごたえのある映画でした。
1942年7月のパリ、1万3千余のユダヤ人が逮捕され冬の自転車競技場、冬期競輪場(映画ではこの表現でした)などと訳されヴェルディヴに集められ、
アウシュビッツへ送られるまでの数日間を非人間的な状況で監禁された事件です。このユダヤ人狩りを行なったのはナチではなく、ナチに占領されたフランス政
府の警察
でした。
両親と弟の4人家族でユダヤ人の多く住む町のアパートに暮らしていた少女サラは、パリ警察のユダヤ人狩りの時、すぐに戻れるものと思い弟を納戸に隠して
鍵を掛けてしまうのでした。
ヴェルディヴに連行されたサラ一家、機転をきかせたつもりなのに両親からは、何故弟を連れて来なかったのだと責められ、
どうしても弟を連れて来なければと想い続けるサラ。
フランス人の夫、娘ともにパリに暮らすアメリカ人記者ジュリアはヴェルディヴ事件を取材している。近々、夫の両親が住んでいたアパートをリフォームして
住むことを計画している。
ヴェルディヴ事件の取材を進めるうちにそのアパートがユダヤ人の多く住む地区にありヴェルディヴ事件の時にも多くのユダヤ人が逮捕されていることが分
かってきます。
サラ一家のその後と、ジュリアたちの暮らしが交差してきます。
重いテーマの映画でしたが、収容所から脱走するサラを匿い育てる農夫、死を前にして自分の持つ真実を吐露して逝く人
たち、知らなければ良かった真実を知ることにより悩む人たちなど登場人物に悪意がないことやエンディングのワンシーンが観るものに安堵を与えてくれまし
た。
フランスでは、築百年にもなろうかというアパートが今も内装を変えて使われていることに驚きました。何十年も建っていると歴史も刻んでいくのですね。
45歳になったジュリアが妊娠、子を産みたいジュリア、子が欲しくない夫、それぞれが仕事を持ち擦れ違い気味の夫婦関係もハッピーエンドを思わせまし
た。
フランス政府がナチに加担してユダヤ人狩りを行い、多くのユダヤ人をアウシュビッツに送ったことを1995年に当時のシラク大統領が認めるまで知られる
ことがなかったフランスの恥部とも言える事件です。
原作はタチアナ・ド・ロネ著「サラの鍵」だそうです。原作も読んでみたいです。
さ
て、この映画を観たのは京都烏丸四条にあるミニシアター京都シネマです。京都シネマの会員が
選んだ2011年のベスト10 が発表されていました。10作品のうち私が観たのは3作のみでした。また、新藤兼人監督の「1枚のハガキ」がベスト
10に入っていなかったのは残念でした。
アンコール上映としてベスト3が上映されるそうです。
◇1位:「未
来を生きる君たちへ」
未見です。是非見てみたい映画です。
◇2位:「冷たい熱帯魚」
93年埼玉県で起こった愛犬家連続殺人事件を題材にした園子温監督作品、でんでんの演技が評判だった映画です。
◇3位:「キック・アス」
未見です。ニコラス・ケイジも出演しているとか。
◇4位:「海洋天堂」
◇5位:「クレ
アモント
ホテル」
◇6位:「人生、ここにあり!」
イタリアが精神病院を無くした、そのとき開放された人たちは・・・
いい映画でした。
◇7位:「奇跡」
◇8位:「白いリボン」
重い映画でした。
◇9位:「エリックを探して」
◇10位:「冬の小鳥」
韓国映画、主演の少女が可愛かった。
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