Google
WWW を検索 残日録内 を検索
←Back Haiku  Photo Mail Archives Twitter Next→

12/03/12 朝日俳壇、歌壇より
 昨日は、東日本大震災、東京電 力福島第一原子力発電所の事故から1周年でした。
 追悼する色々な行事や反原発の集会が行われていました。

 
先日の朝日新聞に、環境省の「みんなの力でがれき処理」 というキャンペーン(放射能拡散 プロパガンダ)の2ページカラーの広告が出されていました。

 さすがにマスメディアというものは「カネの力」に敏感に反応するものだと思わされました。今日(12日付け)の朝日新聞の「声」欄(投書欄)に50歳代 の盛岡市の主婦の「リスク共有しがれき処理を」と題する投書が掲載されていました。
 投書の内容は、島田市ががれきの焼却実験をしたことに反対する市民の運動を見て「なんとも言えず悲しい気持ち」になられたそうです。「分散処理はがれき の拡散ではなく、リスクの共有と考えていただけませんか」と書かれていました。
 投書者は「がれきの拡散」と言われていますが、「放射能の拡散」との認識はないのでしょうか。

 国の方針に沿った投書を選んで掲載する新聞社の態度に「
なんとも言えず悲しい気持ち」になりました。

 新党にっぽんの田中康夫さんが日刊ゲンダイの「にっぽん改国」というコラムで陸前高田市の戸羽太市長と岩泉町の伊達勝身町長の発言を紹介されていまし た。「笑止千万!『み んなの力で瓦礫処理』」(日刊ゲンダイ 12/03/08)

 現 行の処理場のキャパシティーを考えれば、全ての瓦礫が片付くまでに3年は掛かる。そこで陸前高田市内に瓦礫処理専門のプラントを作れば、自分達の判断で今 の何倍ものスピードで処理が出来る。国と県に相談したら、門前払いで断られました。
現 場からは納得出来ない事が多々有る。山にしておいて10年、20年掛けて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。元々、使ってない土地が一杯あり、 処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこに有るのか?

 処分用にプラントをつくると言っても門前払い、被災地で10年でも20年でも掛けて処分した方が被災地の雇用を生むと首長は言われています。
 がれきを遠方に運んで処分することで「カネ」が落ちる大きな利権が絡んでいることは素人にも容易に伺えることです。

 田中康夫さんの「檄」?を紹介しておきます。
 
  静岡や大阪等の遠隔地が受け入れるべきは「フクシマ」から移住を望む被災者。岩手や宮城から公金投入で運送費とCO2を拡散し、瓦礫を遠隔地へ運ぶのは利 権に他ならず。良い意味での地産地消で高台造成に用いるべき。高濃度汚染地帯の瓦礫&土壌は「フクシマ」原発周囲を永久処分場とすべき。

 3月 12日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇晩年を愉しめと春立ちにけり(東京都・松嶋光秋:大串章選)
 春とは不思議なものです。何か新しいことが始まる予感がします。
 「余生」でなく「晩年」がいいですね。

◇その奥へ奥へと誘ふ落椿(枚方市・石橋玲子:稲畑汀子選)
 落椿が点々と、どこかに誘うかのように。誰かの仕業だろうか、意味は深い。

◇飛鳥には飛鳥の暗号野火走る(さぬき市・野ア憲子:金子兜太選)
 「暗号」が難しくて分かりませんでした。選者の兜太先生は「『暗号』が決め手。遠き日の飛鳥をここに」と評されていますが、益々分かりません。

◇三月の十一日よ人類よ(向日市・松重幹雄:金子兜太選)
 「人類よ、心に刻め」と言うことでしょうか。

◇雨やどりそつと菫(すみれ)の花の下(さ ぬき市・野ア憲子:長谷川櫂選)
 先日、他所の家の生垣に下に咲いているスミレを見つけました。ここなら雨宿りもと思い ましたが、この句はその花の下で雨宿りという、メルヘンチックな句と読みました。

◆朝日歌壇
◇削られし後の行き処(ど)もあらざれば汚染の土は地球の迷い子(福島市・美原凍子:高野公彦選)
 剥がした土はブルーシートのしたでしょうか、現代人の落し子のようです。
 「除染」とは誰かにカネを落としための子ども騙しでしかなかったようです。

◇学校に行かずこの犬いいなあと子らが雪道登校して行く(富士吉田市・萱沼勝由:永田和宏選)
 学校のない犬になりたい。会社の無い猫になりたい。

◇紙おむつ三つ荷台にくくりつけ自転車がゆく泥の雪道(銚子市・名護敬子:永田和宏/佐佐木幸綱選)
 老老介護、他人事ではない。

◇雪の中二頭の鹿が飛び出してじっと動かず我も動けず(香川県・桑名真 寿美:馬場あき子選)
 野生の獣に遭遇すれば動けません。怖いのは人間も相手も同じでしょう。同様の句がありました。
 <銃声の遠く聞こゆる雪道に鹿と私はしばらく見合う(高島市・山口マリ子)>
 この歌の「銃声」は狩人のものでしょうか?自衛隊の人殺し演習のものでしょうか?

◇近海魚の煮凝り常に卓にある浜の暮らしの恋しフクシマ(下野市・若島安子:馬場あき子選)
 望郷の思いは深いでしょうが、フクシマはもう住めないのかも知れません。

◇風きって空の模様を地図にして自転車をこぐ春を探しに(岡山市・酒井那菜:佐佐木幸綱選)
 私も自転車を整備して春を探しに出かけましょう。

◇さっきまでそこにいましたあのひとは卒業式の桜みたいに(東京都・藤本玲未:佐佐木幸綱選)

 卒業式に桜?と読みました。
 南国なのか、遅い卒業式なのか、単なる比喩なのか。

←Back  Archives  Mail  Home  Next→ Top
inserted by FC2 system inserted by FC2 system inserted by FC2 system