12/04/30 朝日俳壇、歌壇より
考えれば考えるだけ無残な死が繰り返される。人の命より大事なものがあると信じ
ている人たちが大勢いるのは何故か?カネは万能ですか?イノチもカネで買えると思っているのでしょうか?
関越道のバス事故、運転手も、バス会社も、ツアー企画会社も、国交省も、竹中も、小泉も応分の責任を取らさなければなりません。運転手は犠牲者の一面も
ある。
長く働いた会社で一緒に仕事をした人と何年ぶりかで昼ご飯をご一緒しました。
二人目のお子さんの育児休暇の最後の日に天神橋7丁目の蕎麦屋「たかま」で美味しい蕎麦をいただきました。評判のそば屋も時が経つと商売の規模を広げた
りして味が落ちることがよくありますが、「たかま」の味は変わりません。
さて、職場の知人の消息やお子さんと孫が同世代なので子育て(私が言うのも?)、読書のこと、手料理のこと、話が尽きませんでした。
女性は子を成すと最低十年は子ども中心の生活になり、大変なことだと改めて思いました。お母さん頑張れ!
4月30日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇約束の桜ご飯を炊きにけり(上尾市・安部瑠我:長谷川櫂選)
桜ご飯というものを初めて知りました。
約束の相手はお子さんでしょうか?恋人でしょうか?
◇水削り落とす堰(せき)あり春の川(洲本市・高田●路:大串章選) ●は草冠に「非」
堰を見ていると飽きません。この句では堰が春の水を削り落とすようにと水の飛沫まで見えそうです。
◇春の水まあるく堰を溢れけり(横浜市・折津侑:大串章選)
こちらの句では水は「まあるく」堰から溢れると詠まれています。
まあるくこぼれる雰囲気が「春」らしい。
◇早や風にこゝろ開きし庭牡丹(平戸市・辻美彌子:稲畑汀子選)
「風に心開く」という表現、いいですね。ちょっと色っぽいと感じるのは私だけでしょうか?
◇本年も東北の山笑はざり(藤井寺市・岡田章:金子兜太選)
「山笑う」という季語で句を作りたいのですが、こんな句が詠めたらいいですね。
去年も今年も東北の山は笑うことがない。そのとおりです。
◆朝日歌壇
◇急がねばならぬと思うこの母が母であるうち聞かねばならぬ(仙台市・村岡美知子:永田和宏選)
晩年の父の若い頃のことを聴き取りをしたことがありました。今は母に会うたびに昔の生活のことなどを聴いています。
是非、元気なうちに年寄りの話を聴いておきたいものです。
◇名残(なごり)雪なお深く舞う卯月なり中谷宇吉郎逝きて五十年(名古屋市・諏訪兼位:永田和宏選)
物理学者・中谷宇吉郎さんの本を山登りに熱中していた若い頃に読んだことを思い出しました。
◇口先を監視する目は若者にいかに映らむ旅立ちの日に(松山市・宇和上正:永田和宏選)
君が代を歌っているか教師の口元を監視させたのは維新一派にとっては恥ずかしいことではないのでしょう。
メールでつながりのある大阪府下の小学校の教師の方のメールでは、規律、唱和はされたそうですが入学式後の反省会で「強制は正しくない」と自分の意見を
述べられたそうです。
私は教師の側の反発がもっとあっても良いのではと思っています。
◇入居する女子学生は白き足短パンより出し荷ほどきをする(銚子市・名護敬子:馬場あき子選)
学生寮でしょうか。
十八歳の初々しさが、短パンよりはみ出した足の白さで十分すぎるほどです。
◇津波寄せ旅館の女将は海鳴りが「生きろ生きろ」と聞こえたと言ふ(奥州市・大松澤武
哉:馬場あき子選)
「海鳴り」って中々聞けないもののようです。津波の時にも聞こえたのでしょうか?ゴーッ(?)と鳴る海鳴りの音が「生きろ生きろ」と聞こえたのでしょ
う。
藤沢周平さんの「海鳴り」も、主人公に絶望の先に「生きる」という使命を与えるエンディングでした。また、読み直したくなりま
した。
◇草の芽も木の芽も去年(こぞ)の悲しみ抱きて芽吹く生きよ、生きよと(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
美原凍子さんの入選歌。
この歌では草の芽や木の芽が芽吹いて「生きよ、生きよ」と被災者、被曝者を励ましている。
◇フキノトウツクシタラノメウドヨモギワラビゼンマイ摘めぬ春は来(白河市・金沢美香:高野公彦選)
カタカナがリズミカルに聞こえます。結句の「摘めぬ春は来」が哀しい。山菜でもそうですから、育てた野菜や、捕ってきた魚貝はなお哀しいこと。
◇生きた証を全て消すごとくメール削除す最後の出社日(北九州市・高橋徹:高野公彦選)
何度か退職を経験しましたが、メールを全て消すのは当たり前、名刺も持ち帰らない、取引先との繋がるものも捨て、殆ど丸裸になって会社を出たことを思い
出しました。
会社に入れこんでいればいただけ淋しい思いをするものです。
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