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12/05/07 朝日俳壇、歌壇より

 プチ・ゴールデンウィークを過ごしています。ところでNHKでは「ゴールデンウィー ク」って言わないそうです。ゴールデンウィークはその昔、映画業界が名付けた呼称なので「大型連休」と言っているそうな。こちらはプチ情報でした。

 昨日は、パギやん(趙博さん)の歌うキネ マと称する、映画を語り歌うという趣向で演目は松本清張原作、野村芳太郎監督「砂の器」(1974年)でした。詳細は次回にでも。

 パギやんの「砂の器」を十三のセブンシアターで聴いた後、梅田にでて家電量販店で欲しかったイヤホン(ビクターのHA-FX1X)を買い、アウトドア系 のショップのバーゲン最終日を覗いてみましたが残っていたのはSサイズばかりでした。カネを使うなということでしょう。小市民的生活でした。

 関越道でのバス事故は詳細が明らかに成るにつれて、いわゆる「白ナンバーバス」に国が営業許可を出したけれど、実態は「白ナンバー」のままだったという ことが分かってきました。
 規制を緩和とはたがを緩めるだけで、溢れる水のことなど知らぬ振りをしていたのですね。関東運輸局の特別監査で数十件もの法令違反があったそうです。国 は何をしていたのでしょうか?
 小泉や竹中の罪の一つに加え、忘れないでおきましょう。

 6日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。殆どプロのよう な方の句や歌がプロの眼に叶い入選されている句や歌をど素人の私がどうこう言うのもいかがなものかと思いながらも、これは「評」ではなく小学生レベルの 「感想」と思い読んでいただければ幸いです。

◆朝日俳壇
◇マニキュアは旅の名残と畑打女(郡上市・日置砂代子:大串章選)
 旅の興奮が日常に戻っても醒めていないことを(ちょっと剥げかかった)マニキュアで表現、うまいなあと読ませていただきました。

◇朝寝して今日の予定をたてにけり(小平市・平田映充:大串章選)
 私は朝寝をするとダラダラとしてしまい一日を損したように感じてしまいます。朝寝をしても慌てずゆっくりと一日の予定を立てられるなど
作者は朝寝の達人とお見受けしました。

◇また一つ樹齢重ねて樟落葉(彦根市・阿知波裕子:稲畑汀子選)
 街路樹などに植えられた樟の古い葉が新芽に押されるようにして落ちています。杠葉という言葉を思い出しました。

◇仏とも石とも見えて陽炎へり)北九州市・宮上博史:金子兜太選)
 陽炎の先に見えるのは石仏だろうか、石碑だろうかはたまたただの石塊だろうか?

◇雲流るブランコの下の水たまり)富士宮市・若林和司:金子兜太選)
 ブランコの下は必ずと言ってよいほど水たまりになりそうな窪みがあります。雨上がりの水たまりに映った雲が流れてゆく。

◇人の名をどんどん忘れ菊根分(山形県河北町・小山田子鬼:金子兜太選)
 付き合いのなくなった人の名など忘れて良いものはどんどん忘れましょう。脳の記憶場所は一定なのですから、忘れてはならないことのために。

◇世に飽きた顔をしつつも更衣(岡山市・大本武千代:長谷川櫂選)
 「この歳になれば、色気もないわ」とか言いつつ、夏物を出して思い出に浸ったりという図でしょうか。

◇春愁に色あり我は水色に(三郷市・岡崎正宏:長谷川櫂選)
 私の春愁の色は何色でしょう。

◆朝日歌壇
◇線量計当てることなく掘りて食う地を割り出ずる黄色い竹の子(所沢市・風谷螢:馬場あき子選)
 線量計を当ることが日常となっている哀しさ。
 我が藪に出た筍を掘って食う、線量を図ると食えないかもしれないから線量は計らない。筍の先は
黄色くて雛鳥の嘴のようにみえます。

◇道筋に隠しカメラの備えられさくらが映り鴉が映る(東京都・狩集祥子:馬場あき子選)
 皮肉な歌と読みました。人の動きを監視しようと設置されたカメラが捉えるのは桜と鴉、不審な人は見当たりません。
 監視カメラを何故「防犯カメラ」と呼ぶのでしょう。設置する方に「監視」という言葉に後ろめたさがあるからでしょう。

◇あちらより夫も観るらんこちらより仰ぐ桜に名残の夜風(大分市・岩永知子:高野公彦 選)
 良い夫婦ってこういうものなのでしょうか?
 あの世で亡き夫も観ているだろうと思いながら、同じ桜を観ている私に夜風が爽やか。

◇赤いコーン囲みし穴より身を出して汗拭ふ顔に春日柔らか(茨木市・三田村宏:高野公彦選)
 マンホールから出てきた青年の額に汗、春の日差し、労働者を見る優しさ。

◇箔押は独りで来たり六十年その商いは屈辱の日日(和歌山市・勝田哲也:高野公彦選)
 どんな屈辱だったのでしょう。一篇の小説の序章を読むようです。

◇朝食もあなたといたから食べていた食べないわたしに戻りゆく日々(福山市・林愉美子:永田和宏選)
 恋愛の歌より失恋の歌に共感します。この歌では朝食を食べるという彼との習慣が、一人になったら元の食べない日常に戻っていくという歌ですが、別れても なお一緒にいた人に真似た癖が抜けないということもあるでしょう。

◇明日にはすべて忘れて父親の顔となりゆくこの酔っ払い(宇都宮市・渡辺玲子:永田和 宏選)
 ベロベロに酔っ払っただらしない男に対する優しさ。
 今週は、周りの人を優しく見つめる歌に気が行きました。

韓国で続く句会・句集
 俳壇、 歌壇のページに俳人の本郷民男さんの「韓国で続く句会・句集」と題したコラムが載っていました。その中の一句が目に止まりました。

◇水蹴って白鳥帰る北の空(金豊澤)

 松山猛 さんの訳詞でザ・フォーク・クルセダーズが歌ったイムジン河を思い出しました。

 ♫飛びゆく鳥よ 自由の使者よ

 いつになったら統一されるのでしょう?北の自滅でしょうか?民衆の蜂起でしょうか?

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