12/05/21 朝日俳壇、歌壇より
金環日食はいかがでしたか?
大阪では雲が多かったものの金環が見えたのではないでしょうか?(裸眼で欠けるところまでは見ましたが)
来月6日の金星が太陽の前を通過する「金星の太陽面通過」という現象が日食よりもレアな天体ショーのようです。
それにしても、日食グラスって誰かの陰謀のような気がします。
五月のインターネット俳句会は昨日が投句の締切でした。何時もより200句も多い1100余の句が投句されていました。
これから数日は1100余句から気に入った5句を選び出さねばなりません。楽しくも厳しい作業です。
消費税増税議論が国会で始まりましたが、国会議員の大半は増税に賛成の連中ですから、駆け引きの材料にされているだけです。ところで自動車購入時にエコ
カー減税、補助金などがされるとメーカーは消費税増税なんのそのとCMを流しています。
なんか、釈然としません。
エコって、いくら消費電力が小さくても、性能が向上していても、新しく買うことが一番エコでないこと、今持っている製品を末永く使うことが一番のエコで
す。国民一人一人が本当のエコな生活を心がけましょう。
21日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇山頂ぞ春風吾を雲にせよ(いわき市・馬目空:金子兜太選)
骨太な句です。選者は「下五に独自性。とにかく自由な句だ」と。
◇徘徊を陽炎人と人は言ふ(那須烏山市・水野信一:長谷川櫂選)
徘徊老人を陽炎人(かげろうびと)というのでしょうか?
徘徊をする人の心の中は闇のよう。
◇放たれて風船の紐揺らぎけり(茨木市・瀬戸順治:大串章選)
今、イメージする風船はヘリウムガスを入れられて空に浮く風船ですが、ゴム製の風船も珍しかったような子ども時代にガスを入れて浮くような風船で遊んだ
ことがありませんでした。
俳句でも空に浮かぶ風船や手から放れた風船が詠まれています。この句は手から放れた風船の紐(糸)に注目されたもの。
◇残る花散り急がずに散つてをり(三鷹市・村井田貞子:稲畑汀子選)
前掲の<山頂ぞ・・・>の句は男臭い句でしたが、こちらは女性らしい細やかな句です。
散り急いでいるわけではないが、やはり散っていると。
◆朝日歌壇
◇たんぽぽの咲く畦道をさんぽする子らに添ふ保母線量計下ぐ(前橋市・荻原葉月:永田和宏選)
関西に住む人は放射能に鈍感な人が多いように思います。少しでも放射能の影響の少ないものをと、素人商売のような八百屋に頼んで月に二回ほど東京に住む
娘たちに野菜を送っていますが、「そんなにまでして?」と訝られることがあります。
北関東や東北では線量計のある風景が日常化していることは恐ろしくも哀しくもあります。
◇ガリ版を切りては曲がり蝋を塗る「戻る」キー無き昔を思ふ(鴻巣市・佐久間正城:永田和宏選)
若い頃、労働組合の非主流にいて日刊のビラをガリ版で作っていました。間違えばロウソクの蝋で消していました。
ネタ集め、原稿書き、ガリ切り、印刷、門前でのビラ配りなど思い出が数珠つなぎに浮かびます。労働運動家に
もなれずに老いてしまいました。
◇われが死に近づきゆくのか死がわれに近づき来るのか五月の新緑(三島市・渕野里子:永田和宏選)
死ぬために生まれたわけでもないのに死は必然、近づいているのは確かなのだが。
◇職の無き青年極右を慕ひゆくフランス見ればこころは憂ふ(フランス・松浦のぶこ:永田和宏選)
格差の拡大、固定化、貧しの恒常化など希望のない社会では強い意志(見せかけであっても)を見せつける勢力が魅力的に見えるのでしょう。ファシズムならぬハシズムの台頭を甘く見てはいけないと思う。
◇折り紙のキリンの首の短くて窓の向こうの君が見えない(垂水市・岩元秀人:永田和宏
選)
首の短いキリンにはあなたが見えない。
◇寝たきりの母の身体が固まって小さくなりゆくさするほかなし(佐世保市・近藤福代:馬場あき子選)
嗚呼、死がどちらからともなく近づいている。ただただ、さすってあげることしかできない。
◇千曲川はニセアカシアにおほわれて石班魚(うぐひ)の赤腹色増しきたり(長野県・沓掛喜久男:高野公彦選)
昨年末にサイクリングに出かけ、映画「博士の愛した数式」のロケ地でもある千曲川河畔にはニセアカシアの疎林が続いていました。石斑魚は適齢期になると腹を赤く
し相手を呼ぶそうです。
◇この人の全人生を吾の肩でずっしり支え排泄介助(さいたま市・五十部麻:高野公彦
選)
五十部さんの作品は良く目にしています。以前<聴き役のボランティアなる母帰り今度は我が聞く番となる>をしょうかいしましたが、ご本人が介護の仕事を
されていたのですね。
肩に掛かる重さをこの人の全人生だと思ってくれる他人がいること、歌に詠まれた排泄介助をされている人の幸せ。
◇鳩といふ字は九編に鳥と書く九条を守れ平和を守れと(城陽市・山仲勉:高野公彦選)
鳩という字は確かに九と鳥からなっています。
憲法を守らなければならない首長や議員などの政治屋が憲法を無視している現状は非常に危険なこと、まず政治屋に憲法を守らせましょう。
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