12/06/05 朝日俳壇、歌壇より
昨夜の大阪は曇天で部分月食は見られませんでした。さて、明日の金星の太陽面通過も
見られないような天気予報です。金環日食の時の騒ぎはどこに行ったのでしょう。二度目は日食グラスも売れないのでマスメディアも素知らぬ顔なのでしょう
か?
関西のテレビを付けると、橋下大阪市長の顔が頻繁に出てきます。情報バラエティ番組には吉本芸人に混じって橋下の子分に成り下がった通産官僚の成れの果
ての古賀某など見たくもない顔ばかり。御陰で節電、節約が出来ます。
今週末(6月8日)も関西電力本店前での抗議行動に参加できそうです。
熊本の開業医@onodekitaさんが運動の有り
様について「反対運動は、組織でやったらダメ。一人一人が自分自身の考えで動く。そうしないと、してやられる」と言っておられる。確かに組織であればボス
を潰せば全部が潰れるが、一人一人が自分の意志で行動していれば潰しようがありません。
脱原発、反原発、原発ゼロ、、、の運動がそんなふうに大きくなれば、フクシマの春になるのでしょう。
6月
4日付け朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇知らぬ子が座つてをりぬ花筵(旭川市・大塚信太:大串章/稲畑汀子選)
知らぬ子で良かった。知らない親父が花見の宴席に座って居られたらびっくりです。
現実にあったことなのでしょうか?心象風景でしょうか?私は後者と読みました。
◇結局は妻が打ちたる蜈蚣(むかで)かな(向日市・松重幹雄:稲畑汀子選)
「あっ、ムカデだ」と男は新聞紙を丸めたり、オタオタとしています。女
はその辺にある物を掴んで即座にバシッと一撃に仕留める。こんなホームドラマに出てくる風景です。
ムカデ
はいざ知らずゴキブリなどを叩くのは女性の方が得意?ではないでしょうか?ムカデに「百足」以外にこんなに難しい漢字(蜈蚣)があるとは知りませんでし
た。
◇真つ直ぐに植田曲がつてをりにけり(高松市・和泉金子:稲畑汀子選)
これはどう読むのでしょう?
<まっすぐに、うえた まがって、おりにけり>でしょうか?意味は?
狭い棚田や神社の神事以外では手で植えることはなくなりました。私の母が嫁いだ時には百姓の経験もなく、不器用だったようで祖母に叱られたり嫌味を言
われたりしながら田植えなどの農作業をしたそうです。そういう母の田植の後は、曲がり曲がりで青田を見れば、どこを母が植えたのかわかったものです。
◇老いたれど遅れたれども松の芯(養父市・足立威宏:長谷川櫂選)
足立さんの句はいつも鑑賞するのに難しい、でもなぜか惹かれるのです。
老いたけれど、不器用だったけれど、人としての矜持はキチンと持っている。という男の句と読ませていただきました。間違ってるかな?
◆朝日歌壇
◇里山の木々に妖しくからまりて女体のごとき藤の花ぶさ(浜松市・石田佳子:高野公彦選)
この歌では、藤の花房を妖しい女体のようだと詠われていますが、私は木に絡みつく藤の木には女体の艶かしさを感じますが、花房はどちらかというと男性を
感じる
のですが。
◇クルミ入れて私が作ったパウンドケーキ外カリカリで中はふわふわ(横浜市・高橋理紗子:高野公彦選)
こういう歌の良さが判りません。
◇開(あ)くはずはないと人々寄りかかる走行中の電車のドアに(さいたま市・石田恵子:永田和宏選)
開きました。何というタイミングの良さ?(悪さ?)でしょう。
開くはずがないとぼんやりと寄りかかっている走行中の電車のドアが開きました。JR東日本磐越東線で時速85キロで走行中の電車のドアが開きまし
た。幸い乗客に怪我はなかったそうです。「85
キロで走行中、ドア全開=JR磐越東線、けが人なし−福島」(時事通信 12/06/05)
この歌のように人と人の信頼に拠って成り立つことって沢山ありますね。例えば、交通機関は安全に目的地まで連れて行ってくれるとか、自動車は歩行者の列
に突っ込んで来ないとか、国や電力会社が安全だという原子力発電所は事故など起こらない等々、こんなことが当たり前であったことが不思議です。カネ、利益
第一主義、人の命よりカネが大事だという社会の仕組を変えないと。
◇タバコくわえ携帯耳に走ってる昔の僕のような青年(大和郡山市・四方譲:永田和宏選)
こういう歌がいいですね。
何も怖くなかった、何も怖れるものはなかった。若い人の特典ではないかと思います。そんな青年を見て数年前の自分を見ているように感じた。私もタバコを
止めて8年、くわえタバコで歩いている人を見ると非難するより懐かしく思うことがあります。
◇次に会う日を決めぬまま別れたらガラスに映る我のっぺらぼう(福山市・林愉美子:永田和宏選)
次のデートを約束せぬまま別れてしまった恋人同士。また会えるのだろうか?これが最
後になるのだろうか?不安が精気のない顔にしてしまったのでしょうか・
現役で働いていたころには帰宅途中の電車の窓に映る顔を見て自分の心を読んでいまし
た。
◇除染せし校庭に子ら駆け出して運動会涌く若葉風かな(福島市・美原凍子:永田和宏選)
福島で行なわれている除染とは、貧乏世帯の掃除と同じで居間の塵を台所へ、台所の塵を土間へと、置き場所を変えるだけなのです。放射能は無くなることは
ありません。
一月ほど前のニュース映像に、そんな校庭で運動会をしている風景が流されていました。放射能が移動させただけの場所に子どもたちを放り込むなんて、私に
は狂気の沙汰としか思えませんでした。
◇兄とわれ少年のやうに語りあひ別るるときは老人へ戻る(横浜市・岡部重喜:永田和宏選)
私は兄と折り合いが悪く、盆暮れに一言二言交わすだけですが、この歌の兄弟のように少年時代のヤンチャ話しなどが出来るとは羨ましいことです。
|
|