12/06/19 朝日俳壇、歌壇より
国は国民の健康や命より、自分たちの身を庇っているとしか思えません。
今では日本全国の山も川も海も農地も、多かれ少なかれ放射能で汚されています。そこで取れる農水産物も当然汚されているのです。その食品の放射能汚染の許容値を上げて放射能塗れの農水産物を流通させています。この行いに生産者を守るとい
う姿勢は感じられません。放射能塗れの農水産物を流通させなかったら福島第一原子力発電所の「被害」と認めなければならないから、「安全」だと言い続ける
しかないのです。
細野環境大臣は昨夜のテレビで下記のように語ったそうです。
そ
の時に、きちっと方角を示すべきだったのが、示されなかったと。
そこでたくさん被ばくをしていただいたという状況ではないと
いう事はですね、後程確認もできましたが。 |
SPEEDIやアメリカ軍から提供されて汚染地図で汚染の広がりを熟知していたにも拘わらず、避難指示を出さなかった国の責任者としての発言だと思うと
気が遠くなります。
細野大臣は「国が適切な避難の方角を指示できずに、たくさん被爆させてしまった。申し訳ない」と言うべきだった。紙より羽より軽い言葉でした。
今週末(22日)にも首相官邸前と関西電力本店前での原発再稼働への抗議行動が行われます。私も参加します。(6.22
緊急!大飯原発再稼動決定を撤回せよ!首相官邸前抗議)
前回は手作りのプラカードを初めて掲げることができました。スケッチブックに手書きも迫力あり、ひと工夫してみようと思っています。先週の官邸前の抗議
行動では野田や枝野の鼻のしたにちょび髭を付けた「遺影」のプラカードがあったようです。
首相官邸前には何万の人が集まるのでしょう?大阪でもたくさんの人が参加されるように祈っています。
さて、18日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇足取りも軽し白山一花かな(八王子市・瀧上裕幸:金子兜太選)
白山は「ハクサン・・・」と名のつく高山植物に代表されるように高山植物の豊富な山ですから、こんな句が生まれるのですね。
選者が「初ざくらの白山の清涼感」と評されていましたから、初桜という高山植物かとググッてみましたら、日本酒のようでした。
先日も<全容を見せし白山夏立てり>(今村征一)という句を紹介しましたが、思い切ってこの夏に白山に登ろうかと固めつつあります。
◇素麺が好きで此の世に居る如く(綾部市・阪根瞳水:長谷川櫂選)
素麺、美味しいですね。男の昼餉には素麺を多めに湯掻いて氷水に冷やし、薬味は下ろし生姜があれば良い。
この世に生きているのは素麺が好きだからとは大げさとは思えない比喩です。
◇草刈のひと息入れたき頃に人(箕面市・菖蒲哲朗:長谷川櫂選)
お茶にでもしようかと思った時に人、甘いものの匂いでもしたか。
◇見えるものよりも近くに遠蛙(渋川市・山本素竹:稲畑汀子選)
静けさを水音で表現した芭蕉の句、こちらは遠くの蛙の鳴き声と近くに見えるものを対比して距離を逆転させました。うまいなあ。
◇目を凝らしをれば増えくる実梅かな(枚方市・石橋玲子:稲畑汀子選)
梅の木に擬態のように同じ緑をした梅の実がなっている。確かに眼を凝らせばあそこにもここにもと騙し絵から捜し物をするように見えてきます。
◆朝日歌壇
◇クマガイソウの群落、道は行き止まり開拓農家四、五軒残る(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
クマガイソウは絶滅危惧種、福島の農家も同じように絶滅の危機に瀕しています。「四、五軒残る」が建物だけでないとよいのですが。
◇マーマーを覚えた娘パパとしてかわいくもあり寂しくもあり(東京都・田中洋:佐佐木幸綱選)
一日世話をし接している母親と比べたら、男親の存在など近所のママ友以下かも知れません。若い父親の羨ましい悩みです。
◇夜が去りまた朝が来て服を着る生きゆく意味がわからないまま(宝塚市・櫂裕子:高野公彦選)
若い方の作品でしょうか?親しい人をなくされた方の作品でしょうか?
じっくりと読むと深い歌です。
◇君だけが居れば良かったあの頃と少しも変わらぬこの街の風(高松市・山本悦子:永田和宏選)
西島三恵子さんの「千歳橋」と歌の中に「あなたと歩いた目白の街は今もあの日の佇まい」という歌詞がありました。この歌に詠まれている「君だけが居れば
良かった」「この街の風」ってどんな街なのでしょうか。私にあっただろうかそんな街。
◇ストレッチャーにかかりし布で遊びつつ手術室へと消えゆく息子(和泉市・星田美紀:永田和宏選)
幼い子の病は切ないものです。まして手術をしなければならないほどだと。無邪気に健気であれば一層切ない。
◇優しそうだから何でも許せると言われることがかなりストレス(茨城県・笠原真枝:永田和宏選)
優しそうだから許せることってなんでしょう?
他人から自分の性格を分かったように言われるのはウザイものです。そんな他人の評価に合わせてしまいそうで。
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