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12/07/06 原発廃炉への賀茂川耕助氏の提案
 海 で穫 れたもの、田んぼや畑で採れた地元の名産といわれる農水産物は天皇に献上する習わしがありますが、フクイチ以降どうしているのでしょう。まさか我々庶民と 同じ安全基準を当て嵌め基準値以下なら献上とか、他の地域の産品を福島産などと偽って献上しているのでしょうか?まさか汚染食品を献上してませんよね。

 ネットで、名産の献上品が汚染していたために献上できずに、学校給食に回したなどという「風評」とも言えないような情報が出ていました。誰か、天皇を内 部被曝から守ろうなどと運動をしないのでしょうか?

 さて、昨日。国会の福島第一原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)の最終報告書が公表されました。
 報道によると概ね次のようなことが指摘されているようです。

◆世界史に残る大事故である
◆2012年6月の時点でも事故は収束していない
◆自然災害ではなく「人災」である
◆その原因は、歴代の規制当局及び東電が、対策を意図的な先送りにし安全対策がとられなかった
規制する立場とされる立場の「逆転関係」が起き、規制 当局は電気事業者の「虜」となって いた
無知と慢 心が国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先していた
◆東 電が いうように事故の主因が津波ではなく地震による影響を認定した
◆東電が
事故の主因を津波と狭く限定しようとしているこ とは「責任を回避する方便」である

 報告書は600ページを超え専門用語も多く読みきれません。しかし、活断層の上に建っている関西電力の大飯原発を再稼働させてタイミングは見事というほ かありません。


 ソフ トウエア販売会社アシストの経営者であるビル・トッテンさんは「Our World」というタイトルのコラムを発信続けてこられましたが、最近「賀茂川耕助」というペンネームで「耕助のブログ」を始められました。 日本に帰化し京都に住まわれ農業に関心の高いビル・トッテンさんならではのネーミングです。

 その最新の記事「再稼働に代わる提案」(2012.7.2)に耕助さん流の提案がありましたので紹介します。

 まず、原発が再稼働しなければ電力不足がおこると野田首相やマスメディアは主張するが、足らないという根拠は見つからないが、足りているというデータを 見つけるのは簡単なことです。

 1989年と比較すると人口も経済も横ばいあるいは停滞しているにも拘らず、電力の使用量は30%も増えています。
 一人あたりの使用量はアメリカよりは30%少ないものの、アジア諸国の5倍、ヨーロッパより70%、ドイツより16%も多く消費しています。ドイツは脱 原発を決めたが日本政府は原発が必要だといい、どの国よりも多くの電力を使い続けることを表明していることになります。

 電力会社は原発を動かさないと経営が破綻するからだろう。
 電力会社の資産の89%は原子力発電所の設備と核燃料である。再稼働しなければこれらの資産は価値がない。

 そこで賀茂川耕助さんの提案は概ね以下のとおりです。

◆電力会社の資産のうち原発の設備と核燃料(総額約5兆円)を国が買い取る。
 この金額は現在の消費税の税収の半分以下である。

◆その財源は、電気料金に100%の税金を課税する。
 このことにより電気の無駄遣いがなくなり、消費税の10%増税しなくて済み、原発を再稼働させなくてよい。

100%の税金は一般家庭と、小売、娯楽といった産業 に課税し、既に節電対策をとってい る製造業には課税しない。
 製 造業は十分節電対策をとっており、課税し電気料金が高くなると海外 に移転し雇用に悪影響を及ぼすから。

◆電力使用料への100%課税で、全電力使用料約16兆円のうち製造業を除いた分を半分の8兆円の税収が見込める。
 初年度に電力会社から、原発の施設と核燃料を買取り、翌年からは原発を廃炉にするとともに使用済み核燃料を安全に保管する方法を模索していくことができ る。

 私は大部分賛成ですが、一般家庭のうち一定の使用電力量の家庭には課税しないなどの弱者対策も入れて欲しいと思います。

 耕助さんの締めの一節。
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 野 田首相は国民生活のために原発を再稼働するという。しかし国民の生 活よりも、福島の原発事故の教訓から、まずは国民の生命を守ること、それこそが首相の務めなのである。
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