12/08/06 朝日俳壇、歌壇より
今日は広島の原爆記念日です。
私は昨日のうちに慰霊碑の前でノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・フクシマを一人誓ってきました。今日は朝５時半に宿をチェックアウト
して６時の電車で広島に、７時３０分には平和祈念式の会場に着いていました。最後部の幸い椅子席が空いていて座ることができました。
野田首相の「憲法と非核五原則は堅持する」などという白々しくも陳腐な挨拶に「帰れ！」の声が場外から上がっていたとツイッターで知りましたが、帰れ
コールが出るくらい作文の棒読みでした。
その点、子ども代表の小学生の方がしっかりと話が出来ていました。
一つ書いて置かねばならないこと。資生堂の前田会長が「２０３０年に原発依存度を0％の選択をすると、日本の原子力開発の能力を一気に低下させる懸念が
ある」と発言したそうです。
「原子力開発の能力」とは「核開発の能力」と同意語です。資生堂の経営者は北朝鮮に対抗するためには核開発技術が必要だというこの国の保守勢力の本音が
ポロリ。
資生堂の製品を買うことはありませんが、ご愛用者は是非不買運動をされてはいかがでしょうか。
広島で見聞きしたことなどは、明日以降にでも。
８月
６日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇日本のどこも八月十五日（北九州市・宮上博文：金子兜太選）
私などには「ここが良い」ということもできません。もっと言えばどこが良いのでしょう？と思うほどですが、何か気になる一句です。
◇いざ行かないかづちをもて官邸へ（三郷市・岡崎正宏：長谷川櫂選）
歌壇でも入選されている方のデモの句です。
◇麻服の胸の万年筆太し（栃木県壬生町・あらゐひとし：長谷川櫂選）
麻の服を着た紳士はきっとパナマ帽に口髭を蓄えて、作品のような太い万年筆を胸に差しているのでしょう。
私などには逆立ちしてもできない格好です。
◇向日葵や老いて阿（おもね）ることはせず（前橋市・荻原葉：大串章選）
若くても老いても人に阿ねることなど糞くらえだと思っています。そうして生きて来たので嫌われ者で一生を終えるのだと覚悟は出来ております。
作品は、ここまで長く生きてくればもうペコペコすることもないと向日葵に託しているのでしょうか。
◆朝日歌壇
◇炎天に我もとぼとぼ脱原発を唱えて歩く（三郷市・岡崎正宏：永田和宏選）
俳壇でも紹介した方の歌です。
この作品の方が好きです。俳句の方は雷（いかづち）を持って官邸へが大層にすぎるように思います。
◇自転車に大きな荷物と子を積みて白ワイシャツが駆け抜ける朝（大和市・若宮裕子：馬場あき子選）
荷物と子を「積み」が新鮮でした。三丁目の夕日のワンカットの雰囲気があります。
◇ドクダミの葉の天ぷらを頂けば身の内にどっとめぐる夏の気（福島市・美原薹子：永田和宏選）
ドクダミの天ぷらは食べたことがありませんが、蕗の薹の天ぷらのようなもっと苦いのでしょうか？
口の中から胃も腸も汚れを流してくれそうなきがします。
◇たづきなき避難者われは流れきて山谷に暮らすほのかなたづき（東京都・シンタロウ：馬場あき子選）
ひととき朝日歌壇で評判になったホームレス歌人公田耕一さんの再来でしょうか？
地震、津波、原発事故に遭われて流れ流れて頼るものとてない山谷に落ち着かれたのでしょうか？
◇本当に大好きだから「大好き」と言わずに「好き」と控え目に言う（東京都・福田豊：馬場あき子選）
歌手のクミコさんが、「大好きと言われるより好きと言われる方がぐっとくる」みたいなことを言われていたのを思い出しました。
控え目でなく「好き」が良いのかも知れません。作者は男性、選者は女性、微妙。
◇炎天の「さらば原発集会」に出たき八十路の思いよ届け（東京都・峰岸愛子：佐佐木幸綱選）
反原発デモや集会の句や歌の中で一番好きな作品です。
デモや集会に１万人集まったとして、この作者のように行きたいけれと行けない人が何杯もいることを知った方が良いですよ。偉い方。
◇最後まで地図を見る娘とその町の人に聞く娘と京を旅する（富山市・松田由紀子：高野公彦選）
富山の松田梨子さん、わこさん姉妹のお母さんの作品、どちらがどちらなのでしょうね。
娘さん二人の京都での歌も入選していますから、トリプル入選と言うことです。
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