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12/08/29 朝日俳壇、歌壇より

 一週間ほど、次女と孫たちが帰省していました。お付き合いで休みをとってあちらこち らに出かけて疲れ果てました。

 最近、読み物がネットに偏り紙の本が中々読めません。老眼も合わなくなって一度メガネ店に行かねばなりません。
 映画も観たいと思う作品は多いのですが、この一本に絞れずダラダラと観逃しています。

 もう少し涼しくなればと、思いつつ怠惰な毎日を過ごしています。


 27日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇 より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇向日葵の顔の大きく歪みけり(福岡市・松尾康乃:大串章選)
 どのような状況なのでしょうか?ヒマワリ=笑顔と思ってしまいますが。
 熊本の内科医、小野俊一さんのブログに放射能の影響と思われる奇形の動植物がまとめられています。「奇 形動植物のまとめ
 三つの花が一つに咲いているヒマワリもありました。

◇祭とははかなきものと知りながら(横浜市・波多野眞一:稲畑汀子選)
 故郷の村の祭は神輿もなく、出店もない何とも殺風景な祭でした。大規模な神輿を持つ町内が羨ましかったものです。
 近頃は官製の祭がさかんに行われています。自宅のある集合住宅でも自治会主催だという「夏祭」がありました。こんな催しを祭だと思って成長する子どもが 可哀想な気がします。

◇乗り換へが旅のはじまり夏帽子(広島県府中町・宮本悠三:稲畑汀子選)
 うまいですね。

◇空泣けりフクシマ黒き原爆忌(福島県浅川町・塩田全宏:金子兜太選)
 二度と被曝はすまいと誓ったのに、フクシマの被曝は私たち日本人が加害者でもあります。
 考えるだに悔しいこと、虚しいことです。

◇青柿のような中二に遺書はなく(横浜市・鎌田進:金子兜太選)
 これも悔しいそして虚しい事件、教師や親を含め周りの大人は何をしていたのでしょう。将来の夢に胸膨らませる少年が自ら生命を絶たなければならなかった とは。

◆朝日歌壇
◇滅茶苦茶に我儘言つてよかったのにご飯がおいしくないと言ひしのみ(水戸市・檜山佳予子:永田和宏選)
 病に侵された時、この方のように我儘も言わずに死んで行けるだろうか?

◇「風でしょ」と風にきいたら「夏でしょ」と夏はこたえた静かな風なり(東京都・誉田恵子:永田和宏選)
 若い女性の歌と読みました。こんな歌が詠めるとはどんな方なのでしょう?

◇身分明かす物持たず行くデモでもなく気軽でもないパレードを歩く(日野市・植松恵 樹:永田和宏選)
 現役の勤めを終えてからは身分を明かすものは何もありません。社員証も運転免許証も。
 一人の人間としてデモへの参加の気合、デモと言わなくても抗議の声をあげるのに「気軽」なわけがありません。

◇終末の病棟の午後一匹のミンミン蝉が静けさに鳴く(富岡市・竹内暉男:佐佐木幸綱選)
 モノクロの映画のワンカットが浮かんできました。

◇健常を前提として街は出来夏雲の下続く階段(八千代市・青木範重:佐佐木幸綱選)
 元来、健常者しか生きられない、生きては行けない社会だったのです。障がいを持つ者は厄介者として排除されて来ました。
 徴兵制はその最たるものです。差別の歴史は今も続いています。

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