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12/10/08 朝日俳壇、歌壇より

 食品の放射能汚染について。
 先日、百貨店やスーパーに堂々と「福島県産」と書いて野菜が売られていると書きましたが、産地を表示する方は未だましなことです。産地の表示がなかった り小さく商品に貼られていたりします。

 放射能に汚れた食べ物は量の多寡に関わらず体内に取り込めば被曝します。健康に被害が出ます。命に影響を及ぼします。
 国は食品の放射能汚染の暫定基準値(ユルユルですが)を示しています。生産者や流通業者は基準値以下であれば汚染度を表示することなく流通させることが 出来ます。と言うことは例えば放射性セシウムの野菜の暫定基準値は500ベクレル/kg(新基準値では100ベクレル/kg)ですが、499ベクレル /kgであればノーマークで流通、すなわち国民に毒を食べさせているのです。
※今まで「暫定基準値」という表現を使っていましたが、4月1日から新基準値に改定さ れているようです。不勉強でした。

 3.11当初から京都大学の小出さんが言われているように汚染度を表示すべきだと思います。
 もう一つ大きな不安は、加工食品や外食での提供食品の汚染です。加工食品に原材料の産地表示の義務付けは内容ですし、まして汚染度を表示することなどあ りません。酒飲みの私は外食比率も高く内部被曝を覚悟の上で飲み食いをするしかないと諦めています。

 未来を背負う若い人や子どもたちに何を食べさせたら良いのでしょう。

 デザイナーの若野桂(
@katsura_moshino)の呟きを紹介しておきます。
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身体に蓄積される汚染食品は何かしらの基準あろうがなかろうが、越えようが超えまいが、食べない事以上の対策はないはず。排出がされるのかされないのか、 骨や筋肉や血液や内臓や脳に蓄積されたものがどうなるか、何ら解明もしないまま「食べても大丈夫」という啓蒙をするのは殺人としか言えない。
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 10月8日付けの朝日新聞の俳壇、 歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇水澄んでゐても父には被爆川(長崎市・濱口星火:金子兜太/稲畑汀子選)
 いくら川が綺麗になっても原爆で被曝したことは消えない。読んでいて辛い歌です。

 今週は「水澄む」という季語を4人の選者が選ばれています。
 
長谷川櫂選<水澄むや音なく散りしもの浮かべ> (鹿児島市・青野迦葉)
 大串章選<水澄みてあはうみの大鏡かな>(向日市・松重幹雄)

◇悪人の肩とも知らず赤蜻蛉(弘前市・千葉新一:長谷川櫂選)
 昆虫が特殊な能力で善人好む赤蜻蛉、悪人と相性のよい鬼蜻蜓などいると私など表を歩けません。

◇こほろぎの臆病者の庭出でず(生駒市・上田博司:長谷川櫂選)
 続いて昆虫もの。
 「庭出でず」は「庭をでない」と読むのか「庭に出て来ないと」と読むのかどちらでしょう。どちらにしても臆病?

◇面浮立(めんぶりゅう)受継ぐ園児豊の秋(鹿島市・松永晃芳:大串章選)
 面浮立とは大分県鹿島市の民俗舞踊のようです。幼稚園児が難しい所作を懸命に習っている様子、微笑ましくも頼もしくもあります。
 関東に住んでいる頃、時々出かけた湯西川温泉の民宿の玄関先で3、4歳の男の子が、鹿踊り?の練習していたことを思い出しました。

◇杣道(そまみち)が尽きて道なき芒原(八代市・山下接穂:稲畑汀子選)
 俳句など文芸では「道が尽きる」とか「道なき道」とか表現するのですね。
 細い道を歩いて来たけど先に道はなく一面の芒原が広がっているという風景でしょうか。

◇旅の秋靴一足を履きつぶし(枚方市・石橋玲子:稲畑汀子選)
 1シーズンで1足の靴を履き潰されたとは健脚なこと。羨ましいです。
 カメラマンの石川文洋さんが宗谷岬から故郷沖縄まで歩かれた時に靴を何足か履き潰されたと読んだことがあるます。(日本縦断 徒歩の旅―65歳の挑戦

◆朝日歌壇
◇ふる里に残す子供の写真持つ夜の酒場の東北訛り(相模原市・大日方博:馬場あき子選)
 3.11以前なら出稼ぎにきている
東北の農民のこととなり、出稼ぎの人も、故郷を離れて子の写真を持つことも珍しくもあ りませんが、今は状況が違います。
 この人の妻子は今何処にどうしているのだろう?何故この人だけが都会に出てきたのか?フクイチ以前の生活は?、、、と考えさせる歌です。

◇風も秋わさび田も秋安曇野に噴き出づる水透くばかりなる(伊那市・小林勝幸:馬場あき子選)
 「風も秋」「わさび田も秋」のリフレインがいいですね。

◇泣きながらやらせた宿題家にあり親も泣きたし始業式の日(つくば市・増田恵子:佐佐木幸綱選)
 思わず笑わせられました。

◇「もういねや」と古語で喧嘩する伊予の子のコスモス畑に夕陽が注ぐ(松山市・豊田里恵:高野公彦選)
 作品の「もういねや」は「もう、去ねや」で、「早く帰れ」の意味だとしたら「いね」は古語ですかね。私は子供の頃使っていましたし、今も母など「もう、 去ないね」(もう帰ったらどう)と使っています。
 芭蕉門の異端で放浪の俳人、八十村路通に「いねいねと人にいはれつ年の暮」という句があります。一夜の宿を乞うたのか、一握りの米を乞うたのか、それに 家の人は「帰れ、帰れ」とあしらわれたのでしょう。

◇かなしみの壺を抱えてゆく径のかなたにひびく秋の水音(福島市・美原凍子:高野公彦選)
 何週ぶりでしょうか。美原凍子の歌です。

◇みんなゐた四〇〇〇〇号の日一人読む朝日新聞四七〇〇〇号(岡崎市・阿部啓子:永田和宏選)
 今日の朝日新聞は47022号、40000号は凡そ20年前、その頃は家族に囲まれて賑やかな暮らしだったのでしょう。いまはひとり。

 朝日新聞は47022号まで130年、国民を戦争に駆り立てるために一役も二役もかった歴史があります。重要なのは現在もその途上にあると言うことで す。
 ワシントンポストに言われるまでもなく日本の右傾化の速度はましています。憲法9条を変え、徴兵制をしきなどという政治家の言葉を批判するでなく提灯持 ちをするマスメディアの一員となっています。

 78歳の‏@hiroloosakiという女性はツイッターで次のように呟かれています。
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大事な事です何度でも言う、私78歳、戦争勃発は8歳、大本営発表を聞いて成長した我が世代。今も政府と東電の大本営発表を信じてる人達が居る。これから の日本を背負う人達には,本当の情報を知らせて欲しい。国が対処すべき。!東電に補償させるべき!大本営発表を信じるな。己の信じる道を歩め。
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 大本営発表を広めているのはマスメディアです。
※歌の鑑賞が脱線しました。

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