12/10/15 朝日俳壇、歌壇より
朝夕は涼しいを通り越して肌寒くなってきました。
先週金曜日の関西電力本店前での抗議デモには参加できませんでした。前週に起こった逮捕劇でどうなるかと心配していましたが、参加者もいつも多く熱気が
あったとツイッターなどで報告されていました。
「強かにしなやかに」原発がなくなるまで声を挙げ続けなければなりません。
ワシントン・ポスト紙が日本が右傾化していると指摘したそうですが、外国の新聞に言わ
れるまでもなく最近の政治状況は右翼反動勢力が台頭する兆しばかりです。
「17音の残日録」で絵に
書いたような駄句を書き連ねていますが、今年の2月の句にこんなのがありました。
<空耳か軍靴の響き春愁い>
春先に感じていた軍歌の音は益々高く、大きくなっているような気がしてなりません。
このことは改めて書きたいと思います。
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日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇長き夜
や起きだして辞書めくりをり(東京都・井原三郎:大串章選)
辞書までは引きませんが、夢現の状態でパソコンを開いて探し物をすることはあります。作者は辞書中毒、私はパソコン中毒です。
◇踏切や死とすれすれの猫じやらし(川崎市・八嶋智津子:大串章選)
一時、駅のホームや踏切で通過する電車に飛び出しそうになる衝動がありました。
この歌は、線路際に咲く猫じゃらしが電車の通過に揺れている様、「死とすれすれ」とは大発見。
◇一生に一度大きくばつた跳ぶ(熊谷市・内野修:金子兜太選)
私は大きく跳んだことがあっただろうか?
◇家中に悪評のわれ秋日和(長岡市・宮下登:金子兜太選)
今週の俳壇で一番気に入った句です。
私も家族、近しい親族の中では嫌われ者のようです。
◆朝日歌壇
◇幼稚園行かないと泣く八時半定刻通り今日も元気(草加市・竹内亜弥子:佐佐木幸綱選)
こう言う歌が詠めるお母さんが羨ましいことです。
◇ここの世からななくしたいもの一戦争二にき吃音という六年生(小平市・高島静男:高野公彦選)
一読目は「ななくしたいもの」「き吃音」が理解できませんでしたが、吃音の少年の話し言葉を歌にしたモノのようです。
この小六の子どもを見つめている教師?の温かい眼差しが感じさせられる歌でした。
◇一階と閉じるを押すんだよと百(もも)ちゃんは吾を見送り立ち去り行きぬ(香取市・青柳悦子:永田和宏選)
に歳くらいの少女でしょうか?おしゃまな少女は出かけて行く作者にいつも母親に言われたいる台詞を言ったのでしょう。
きっと百ちゃんの鼻は得意げに膨らんでいたことでしょう。
◇シマウマの胸から顔を出しながら「そうだそうだ」と台詞は一言(岩沼市・山田洋子:永田和宏選)
昔は学芸会などと言っていましたが、今はなんというのでしょうか?
合奏をすると鈴か、カスタネット、劇ではその他大勢そのままに何人かで一つの役、台詞は「そうだそうだ」か「嫌だ嫌だ」程度だった私の記憶、この子ども
はシマウマの衣装があるだけマシなのでしょう。
◇「抱いて」とは母の最後の言葉なり父を残して病室を出づ(大和郡山市・四方護:永田和宏選)
難しい歌です。ドラマや芝居だったら「抱いて」など嘘くさいことですが、現実にこんなことがあるのですね。
◇ほんとうのことはほんとはわからないわからないまま談笑しており(仙台市・江川森歩:永田和宏選)
深い意味があるのでしょうが、私には読み取れません。
本当のことなど誰もわかっていないのに、凡人は分かった振りをして生きている。
◇廊下の奥立つもののあり夜の秋挙手の礼して立ち去りにけり(三鷹市・磯崎啓三:永田和宏選)
渡辺白泉の「戦争が廊下の奥に立つてゐた」を思い出しました。
戦争が、兵士が、たっていたのでしょうか。
◇頼まれたわけじゃないけど孫の名を考えている海辺のカフェで(越谷市・黒田祐花:馬場あき子選)
海辺のカフェで孫の名前を考えているおばあちゃん、粋ですね。
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