12/11/21 わたしらは侮辱のなかに生きている
まあ、なんという世の中でしょう。
徴兵制の導入、核兵器の開発、集団自衛権の行使など、今までなら選挙の泡沫候補の発言とマスメディアも相手にしなかったような自民党石原派などの戯言を
マスメディアは逐一報じています。
オキナワやヒロシマ、ナガサキをはじめ数千万の人の命を前の大戦から学ばないのでしょうか。
彼らは多くの人の人の死の外にいると思っているのでしょう。売国奴と呼ぶしかありません。
あるスポーツ紙を日付以外は全部嘘と揶揄することがありましたが、今やマスメディアの報じることは全部嘘と疑って見なければならないと思います。
ぼんやりしていると殆どの富を略奪している1%の奴らにまんまと騙されてしまいます。
23日の金曜日はいつもの関西電力本店前での抗議デモがないので、私
は一人で関西電力本店前(南側)を散歩する予定です。
関西電力は家庭用電力料金の10%値上げをするそうです。夏には停電と脅かし、冬になれば値上げで脅かす、関西電力はヤクザのような商売をするのです
ね。
《も
はや春かぜであった。それは連日連夜大東京の空へ砂と煤煙とを捲
き上げた。風の音のなかで母親は死んだ赤ん坊のことを考えた。母親は手紙の最後の行を書いた。「わたしらは侮辱のなかで生きています。」それから母親は
眠った。》
これはプロレタリア作家・中野重治の「春さきの風」の一節だそうです。
今年の7月16日に東京・明治公園で行われた反原発の17万人集まった「さようなら原発10万人集会」で、大江健三郎さ
んのスピーチで紹介されました。大江健三郎さんらのスピーチの書き起こしはこちら。
短編小説「春かぜ」には、1928(昭和3)年3月15日共産主義者への弾圧(3.15事件)で逮捕された1600余人の中のひとりが主人公です。妻と
生後8ヶ月の赤ん坊も留置場に入れられました。政治犯の赤ちゃんを預かってくれる人もなかったのです。寒い冬のことでした。
赤ん坊は病気になり死んでしまいました。
留置所をでた妻は獄中の夫に向かって手紙を書きます。それが冒頭の部分です。
《わたしらは侮辱のなかに生きている》
先日(11月18日)の東京新聞(中日新聞)の社説にこんなことが書かれていました。
社説では10万人集会に参加された元教師からの手紙を紹介し、大江健三郎さんの集会でのスピーチ、中野重治の「春さきの風」に描かれた「侮辱の中に生き
ている」という現代の状況を指摘しています。
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侮辱は継続しています。しかもデモクラシー、民主主義の軽視という形で。
原発で言えば、大飯の再稼働はろくな検証もなく、電気が足りなくなりそうだという理由だけで決まりました。国民の安全がかかわる問題なのに、これほど非
民主的な決定は前例がないでしょう。
沖縄へのオスプレイ配備も、米兵事件に対するその場しのぎの対応も侮辱にほかなりません。国家が人間を軽視しているのです。
----------------「週のはじめに考える 私たちを侮辱するな」(11月18日)から引用(以下同じ)
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冒頭の国語の先生の手紙は今、自分の抱える恐ろしさをこんなふうに表していました。
…(中野重治の)戦前と違って現代は戦うべき相手の姿が明確に浮かび上がらない分、かえって恐ろしさを感じます…。
戦うべき相手は広範で、しかも悪賢く、しっぽすらつかませないかもしれません。政財官などにまたがる、もやもやとした霧のようなものかもしれない。
しかし、こう思ってその相手を見つけようではありませんか。一体だれが私を侮辱しているのか、と。私たち自身の中にそれは忍び込んでいないか、と。投票
の前に見つけようではありませんか。
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いつの選挙も大事なことですが、今度の総選挙はとりわけ大事だと思います。
原発、TPP、消費増税、この3つのキーワードだけでも選択肢は明確になると思います。棄権せずに投票しましょう。この選挙権も先人の闘いで勝ち取られ
たものです。
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