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12/12/04 朝日俳壇、歌壇より
 総選挙が公示されました。

 今度の選挙で私が選ぶ基準は、消費税のこと、原発のこと、憲法のことだと思います。
 社会の弱者を苛める消費増税に進めるのか、反対するのか?
 日本中を世界中を放射能塗れにした原発をまだ推進しようとするのか、また曖昧にするのか、廃止するのか?
 平和憲法を改悪するのか、守るのか?

 私はこれら3点から、日本共産党とその候補者を支持します。

 12 月3日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇井月が土産に拭きし柿落ち葉(長野県箕輪町・柴和夫:金子兜太選)
 伊那谷を放浪した俳人・井上井月(いのうえ・せいげつ)にはこんな逸話が残されています。
 「井月が或る家の庭前に柿の落葉を拾つて埃をふき、其家の家女に『ハイお土産』とさし出したといふ話」(今井邦子「伊那紀行」青空文庫より)
 憎めない人ですね。

◇時雨れゆくうしろ姿を追い越せず(高松市・白根純子:金子兜太選)
 こちらは山頭火の「うしろすがたのしぐれてゆくか」を思い出させる作品です。

◇兎から信頼されてゐる家族(栃木県壬生町・あらゐひとし:長谷川櫂選)
 どう鑑賞するのでしょうか?
 選者は「うさぎに信頼されるなんて、いい」と評されていますが、私には良さがわかりません。

◇全身で障子貼る母花八つ手(富里市・佐藤正雄:大串章選)
 母と花八つ手を詠った句で、ネットでお知り合いの薫子さんの作品を思 い出しました。
 喪ひし母の空き家の花八つ手 薫子
 彼女はネット上での俳句教室に参加されており先生の手が入った作品だそうです。「おさんどん俳句」というブログ も運営されています。

◇この里に人住む証拠木守柿(東京都・望月清彦:大串章選)
 柿の木に数個残された木守柿があることで人が住む里とは最もなことです。
 我がふるさとでは人が住むにもかかわらず柿の実が全く採られずに捨ておられています。甘いものが豊富な時代には見向きもされなくなったのでしょう。

◇人いつか小走りとなる雪もよい(札幌市・岩本京子:大串章選)
 札幌はもう根雪なんでしょうか。雪催いでは足も早くならざるを得なくなるのでしょう。


◆朝日歌壇
◇数多なる閲覧者と居て図書館の静寂(しじま)を独り楽しみ過ごす(春日井市・小川洋栄:馬場あき子選)
 最近、図書館に行っていないなあ。 

◇叱りすぎ眠った我が子に大好きと言っても言っても言っても足りぬ(草加市・竹内亜弥子:佐佐木幸綱選)
 子どもが小さい頃は、箸の上げ下ろしから叱ってばかりいたのを思い出します。
 作者はそれが不憫で眠った子に「大好き」と繰り返しています。叱るって難しいこと。

◇はじっこから自分が茶色になってゆく気持ちを教えてギボウシの葉よ (宮崎市・大塚泰子:佐佐木幸綱選)
 末端から死んでいく自分の気持ちはどんなですか?
 落葉は世代交代の儀式とは分かっていても散る葉に自分の人生を重ねてしまいます。
 今週の俳壇に<我等またやがて落葉となりゆく身 井芹眞一郎>という句が入選していました。

 福島市の美原凍子さんの作品が三首、三人の選者から選ばれていました。
◇磨崖仏をよぎりし雲の影淡く冬に入りゆく岩谷観音(佐佐木幸綱選)
 福島市内に磨崖仏で有名な岩谷観音というのがあるそうです。

◇除染の「除」、減染の「減」、しかしどれも消染の「消」あらずして冬 (高野公彦選)
 除染などというものはホコリを右から左に移すだけのこと、風が吹けば 元の木阿弥です。被災地の人たちを騙して被害を小さく見せようとしています。
 「あらずして冬」の体言止めが気持ちいいです。

◇もういないあなたをつれて冬がくるふるさとずんずんずんずんさみし(永田和宏選)
 かなつづりで切々と詠われたいます。「ずんずんずんずん」のリフレインが悲しみをましています。

◇青白き月の光に照らされて大地に眠る酔いどれひとり(兵庫県・高垣裕 子:佐佐木幸綱選)
 大地に眠る酔いどれは愛しい人でしょう。

◇木の上にゆく秋の雲木の下にその雲と木を仰ぐ人影(坂戸市・山崎波浪:佐佐木幸綱選)
 木の上を流れる秋の雲、その木の下で雲と木を仰ぎ見ている人影、ドラマというより一枚の絵を連想しました。

◇見ず知らずの人がいきなり「死ね」言うそんな箱は開けなくていい(東京都・上田結香:高野公彦選)
 この「箱」はパソコンでしょうか、携帯電話でしょうか、テレビでしょうか?

◇戯れ合ひて女子高生さんざめく乳房ひとつも失くすこと勿れ(東京都・烏山みなみ:永田和宏選)
 良い歌ですね。何一つなくさないで欲しい。

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