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13/02/18 朝日俳壇、歌壇より
 風邪気味です。
 酒も飲めず食欲もありません。
 何とかやり過ごさなければと思うのですが、この寒さでは風邪がひどくなるばかりのようです。

 さて、18日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇

◇雌滝凍て男滝の勢い失せにけり(市原市・鈴木南子:大串章選)
 雌滝が凍てて男滝も元気が無くなったという意味深長な句と読みました。

◇禿頭に欲しき寒鴉の気合かな(高岡市・野尻徹治:金子兜太選)
 禿げ頭には寒鴉の一声が必要なんでしょうか?
 私はスキンヘッドで禿頭仲間でもある選者は「『欲しき』が気分一発、理屈なし」と。

◇あはれ母マスクなぞ入れ米送る(盛岡市・永井美智子:金子兜太選)
 この母は大正生まれでしょうか?
 95歳になる我が母も同じようなことをします。

◇寒紅の言はねばならぬことは言ふ(北海道鹿追町・高橋とも子:金子兜太選)
 寒紅を引いた女性は、女性の性(さが)に目覚めしっとりとなるのかと思っていましたが、この句は紅が勇気を与えたのでしょうか?男だって女だって「言う ことは言う」のが大事。

◇鬼よりもこはきこの世の鬼やらふ(岡崎市・米津勇美:長谷川櫂選)
 鬼よりも怖い鬼が住む世の中、ほんにこの世は鬼ばかり。

◆朝日歌壇
◇蠟梅は琥珀色した莟(つぼみ)からひふうみいと時間をほどく(松阪市・こやまはつみ:高野公彦選)
 そう言われれば蝋梅の黄色は琥珀の色なのですね。
 「莟が1、2、3と時を解く」、こんな綺麗に詠んでみたいものです。

◇ためていたパン屋のシールがまだ途中そんなことまでさみしい引っ越し(東京都・上田結香:高野公彦/永田和宏選)
 パン屋のシールにこだわっているなんて、若い人っていいなあと思うばかりです。

◇母の中に私を知らぬ母がいて時おり捨て猫のような目をする(佐世保市・近藤福代:永田和宏選)
 認知症が進んできた母親なのでしょう?
 棄て猫の目が印象的です。他に言い換えも効かない言葉をジグソーのピースのようにぴったりと嵌め込むことはなかなかできません。

◇阜の字を意味を知らぬまま書ききし高松市立亀阜(かめおか)小学校(佐倉市・塚脇諄子:永田和宏選)
 「阜」の意味は定かではありませんが、高松の亀阜小学校は知っていました。亀阜小学校の裏手に朝6時から開いている讃岐うどんのお店・丸山製麺所があり 何度も行って います。山奥でも辺鄙なところでもない街中の美味しいうどんでした。

◇リサイクルショップになっためがね屋はどこへ消えたかこがらし寒い(摂津市・内山豊子:馬場あき子選)
 この歌は、めがね屋がリサイクルショップに衣替えしたのだが、このリサイクルショップも無くなったということでしょうか。複雑です。

◇九品仏(くほんぶつ)駅に雪降る東京の雪はみずゆき人ら濡れゆく(福島市・美原凍子:佐佐木幸綱選)
 北国の人には東京あたりに降る雪は「みずゆき」に見えるのでしょう。美原凍子さんの作品。

◇被曝地にひとり覚めをる町長の義憤を知らぬ住民哀れ(いわき市・馬目弘平:佐佐木幸綱選)
 この町長とは前双葉町の井戸川町長のことでしょうか?町長の義憤を知らない町の人の哀れということでしょう。
 双葉町は町役場ごと埼玉県に避難しています。そんな双葉町を描いたドキュメンタリー映画が高槻市で自主上映されます。時間の許す方は是非ご覧ください。

 ○日時:3月2日(土)18時30分〜
 ○場所:高槻市立生涯学習センター2F多目的ホール(JR高槻、阪急高槻市より約10分)
 ○参加協力券:999円(中高生500円)
 ○主催:「フタバから遠く離れて」を上映する会

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