14/01/06 朝日俳壇、歌壇より
随分と休んでしま
いました。
年末に風邪を引き、未だにぐずぐずとしております。風邪を押して第九を聞きに行ったり、レイシストの街宣に抗議に行ったり、映画・ゼログラビティーを観
たり、脱原発や辺野古への米軍基地の移転反対に声を挙げに行ったり、風邪引きの年末年始はそれなりに小ぜわしいものでした。
安倍自公政権は遣りたい放題の限りを尽くしていますが、私たち99%の大衆も権力による押さえつけにより強かに生きる術を覚えました。組織的ではない闘
いの方法を学んだのです。
例えば、東京都久留米市の市長選挙の結果は残念ではありましたが、Twitterなどを使って草
刈ちのぶさんへの支持の拡大に多くの人が関わりました。ネット選挙を体現したのです。
また、1月19日投票の辺野古の海の地元・名護市の市長選が行われます。辺野古への米軍基地移設に反対する稲嶺ススムを応援しましょう。秘密保護法に反
対する意思の表明でもあります。その後東京都知事選挙、4月には京都府知事選挙があります。
秘密保護法を無理やり押し通した自民、公明、みんな、維新の推す候補を叩かねばなりません。
枯れ木も山の賑わいです。出来ることを出来る範囲で無理なくやっていきましょう。
1月6日付けの朝
日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇空は青極め紅葉は朱を極め(神戸市・涌羅由美:稲畑汀子選)
空の青、地にある紅葉の紅との対比、優しそうで難しいこと。
◇句をはじめ美しき世に居るを知る(光市・原美智子:金子兜太選)
俳句とは花鳥諷詠のこと。時事詠を望むのは筋違いか。
◇心まで閉ざしてをらず年賀状(岡山市・大本竹千代:長谷川櫂選)
そんな風な賀状が私にも、否、私の差し出す先もそう思っているだろう。
◇故郷の山河に抱かれ日向ぼこ(松山市・岡本久夫:大串章選)
何とも無い日常、でもその日常が飛び切りの贅沢であろう。
◆朝日歌壇
◇あの時もっと反対すればよかったと思うまで生きるのか私は(藤枝市・菊川香保里:永田和宏選)
子や孫にあの時何故反対してくれなかったのと言われないために、廃止されるまで頑張ろう。
永田和宏さんの選ばれた10首中8首が秘密保護法を詠んだものでした。折角なので他の7首も挙げておきましょう。
<読むことを拒むがごとき小さき文字されど読まねば 秘密保護法>(三島市・渕野里子)
<解っても解らなくても読まねばと全文切り抜く秘密保護法>(日野市・大田原イツ子)
<目隠しされ耳ふさがれておとなしく何も言わない羊たちの群れ>(横浜市・禿正美)
<映像に雨降り続くフィルムあり七十年目の秘密保護法>(水戸市・中原千絵子)
<色褪(あ)せし軍事郵便本音など決して書けない赤の検印>(武蔵野市・中村偕子)
<この頃の一番夫と合う話特定秘密保護法反対>(埼玉県・鈴木みさ子)
<寿限無寿限無むだ口叩かず年寄りは秘密守って長生きしよう>(八王子市・相原法則)
他の選者の入選歌の中にも秘密保護法を詠んだ歌がありましたので紹介しておきます。
<日本が秘密保護法に暗む日に希望示ししマンデラ氏逝く>(浜松市・松井恵:馬場あき子選)
<知らされず気付くことなく権力は真実消し得る秘密保護法>(高松市・植田正太郎:馬場あき子選)
<山宣(やません)の墓にさざんか咲き盛る秘密保護法通す勿れと>(高槻市・梅原三枝子:高野公彦選)
<秘密保護法マスクの上から酒を飲め耳栓して聞けと言うが如くに>(八尾市・石井國弘:高野公彦選)
<マンデラ氏死去の報道圧すごと秘密保護法成立の記事>(八王子市・田中一美:高野公彦選)
◇職業をホームレスと名乗る君の歌テント小屋にて拾い読みおり(ホームレス・坪内政夫:馬場あき子選)
昨年末に登場した宇堂健吉さんに続き、新しいホームレス歌人の登場か。
宇堂健吉さんの歌<紙上では市民権ありホームレスわが歌載れり初めて載れる>
◇病室の窓に夕陽の射し込めば瀬付きの鯵の釣れ初むるころ(光市・田中径:高野公彦選)
夕陽の傾き具合で季節を知り、そして魚群の寄付きを知る。私は釣りをしませんが、作者のように自然の中で生きるのは素晴らしいこと。
◆第30回朝日俳壇賞
俳壇の年間賞です。俳句は時事を詠むのに向いていないのでしょうか?来週の歌壇賞が楽しみです。
受賞句を取り上げなかったという筆者の緩い鑑賞眼です。
◇長谷川櫂選
オランダの光の中を秋が行く(オランダ・モーレンカンプふゆこ)
選者評「長く海外で俳句の世界を広げてきた人。近年いよいよ深く、かつ新鮮」
◇大串章選
微笑みに虹を残して子の眠る(日立市・加藤宙)
選者評「眠っている子が微笑んでいる。昼間見た虹を思い出しているのだろう」
◇稲畑汀子選
ささやかな八十路の夢を根切虫(宝塚市・大石勲)
選者評「一句に込められた悲しみ、腹立たしさをさらりと述べて共感を呼ぶ秀句」
◇金子兜太選
コスモスのゆりかご火宅の人眠る(福岡市・伊佐利子)
選者評「少し図式的だが、煩悩盛んで不安な人間をいたわるがごとし」 |