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14/02/17 朝日俳壇、歌壇より

 何もする気が 起こりません。絶不調です。

 2月17日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇籾殻に二十個ほどの寒卵(北本市・中村星児:長谷川櫂選)

 あゝ、こんなことがあったなぁと思い出します。古い菓子箱に籾殻を入れ、その上に卵を並べる、そして届ける。そんなこと。

◇二三日海鼠のやうに眠りたし(金沢市・今村征一:大串章選)
 こんな歳になっても、そんな日もある。

◇寒紅を引きて弱音を吐かざりし(高松市・白根純子:稲畑汀子選)
 女性が紅を引くということは何かを決意したときなのだろうか。

◇獅子舞に頭食はすも文化かな(鈴鹿市・東口正男:金子兜太選)
 私の故郷にもお正月に獅子舞が来ていました。伊勢神宮にお札を持って。

流氷や言葉衰へ痩せゆけり(いわき市・星野みつ子:金子兜太選)
 うまい句だなあ。
 金子兜太さんも「中七が個性的」と褒めておられる。

◆朝日歌壇
◇鮮やかな緑色なす封筒で内部被曝検査(ホールボディカウンター)通知来ぬ(福島市・美原凍子:佐佐木幸綱/馬場あき子選)
 この歌は佐佐木幸綱さんと馬場あき子さんに選ばれています。馬場あき子さんは「鮮やかな緑色の封筒がどきりとさせる。体内被曝検査の通知だ。これから先 がにわかに心にかかり始めたことだろう。痛切である。」と評されています。

◇かなしみは動かずしあわせは揺らぐ降りては消ゆる淡き雪ひら(福島市・美原凍子:高野公彦選)

 続いて、美原凍子さんの歌。

◇「きな臭い匂いがする」と楽天家(オプティミスト)の夫が呟く秘密保護法(高松市・桑内繭:高野公彦選)
◇「遠き過去」が「近き未来」になりそうな素朴な怖れ秘密保護法(前橋市・和田明:永田和宏選)
 今週は秘密保護法関連の入選歌が上記二首を含め三首でした。

◇分断と孤立の島に沖縄を追ひ込んでゆく日本の政治(山形市・黒沼智:永田和宏選)
◇五百億くれるといわれ目をつぶる民かと思うかため息深し(横浜市・杉本恭子:永田和宏選)
 沖縄の名護の人たちは偉かった。

◇青空に津波てんでこ知りながら救助で呑まれた人の碑が光る(福島市・澤正宏:馬場あき子選)
 津浪てんでことは、津波のときは何をさておいても自分は逃げろという言い伝えらしい。しかし業務として住民を守らなければならない人たちもいる。そして 犠牲になることも。
 
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