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14/03/25 朝日俳壇、歌壇より

 3月24日付 けの 朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介しようと思いますが、句や歌を読んで楽しむ感度もずいぶん劣化しているようです。

◆朝日俳壇
◇笑ふにも笑へざる国山笑ふ(向日市・松重幹雄:大串章選)
 消費増税、憲法の解釈改憲など99%の私たちを苛める政治状況、笑うに笑うことも出来ませんが、季節だけは巡ってくるのです。

◇野にあれば野に在るように梅の花(米子市・中村襄介:稲畑汀子選)
 <やはり野に置けすみれ草>と言葉を思い出しました。

◇国出でて我も雛(ひいな)も老いにけり(オランダ・モーレンカンプふゆこ:金子兜太選)
 長年、外国に暮らされている方の雛を出しての感慨でしょう。

◇日記には書くことも無い二月かな(長岡京市・寺嶋三郎:金子兜太選)
 私もご同様です。何もする気のない2月、3月です。

◇背景の大きく動きゐる木の芽(高松市・白根純子:長谷川櫂選)
 背景には何が見えたのでしょう?木の芽を写した写真のよう。

◇福島はフクシマのまま春四度(金沢市・前九疑:長谷川櫂選)
 放射能はダダ漏れしていても時間は過ぎる、季節も巡るという。

◆朝日歌壇
◇雪のあさ凍死者ありて唯一の彼の証しは母の写真のみ(ホームレス・坪内政夫:高野公彦選)
 何人目の「住所・ホームレス」歌人でしょう。
 凍死者の持っていたものは、子でもなく嫁でもなく母の写真だった。何故か淋しい、そして哀しい。

◇嫌韓論ヘイトスピーチ日韓はひとつの茎に咲く花になる(東京都・趙栄順:高野公彦選)
 朝日歌壇でヘイトスピーチを詠んだ歌が入選したのは初めてかと思います。
 世の中にはいろんな人がいて共に生きているという多様性の素晴らしさが分からない人たちが、人を蔑んだり侮蔑したりすることに喜びを感じているのでしょ う。

◇「大学が見る目なかっただけです」と君に言わせて薄青き春(熊本市・近藤史紀:永田和宏選)
 「薄青き春」とは絶妙。
 京都府の高校入試前期試験で1万2401人の受験生のうち7112人が不合格になったことを、京都知事選に立候補している現職知事は「失敗することから どうやって立ち直っていくのかってことも教えるのも大切だ」と述べたそうです。
 昔、蜷川京都府知事では「十五の春は泣かせない」と言ったのと大きな違いです。
 尾崎望候補には「憲法を暮らしに活かす」府政を実現して欲しいものです。

◇ユメカサゴ漁(と)られて海に返されてもうこの国に近づくなかれ(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
 久しぶりに美原凍子さんの歌です。
 福島界隈の海は放射能だらけ、「もうこの国に近づくなかれ」とは作者の自然への優しさと、海を汚したものへの怒りでしょうか?

◇春寒し庭に小さくふるふ芽のアンネのバラの咲く五月見ん(浜松市・松井恵:馬場あき子選)
 アンネ・フランクの関連本が既存されたり、はだしのゲンが図書館や学校から隠されたりしています。人の目から本を隠すことで何を期待しているのでしょ う?

◇本当はフィギュアスケートはキライだと言い出しにくい宴会の席(高槻市・荻野直樹:佐佐木幸綱選)
 こんなこと言いたい時がありますよね。
 どこでも、したり顔で薀蓄モドキを披露したがる人はいるもの。ネタ元はほとんどテレビだったりして惨めなこと。

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