14/03/31 朝日俳壇、歌壇より
安倍内閣の補
完勢力・みんなの党の渡辺喜美代表が8億円の借り入れをしていたことが明らかになりました。
猪瀬前都知事の場合とよく似ていて、本人は選挙資金でもなく政治資金でもないとの説明を繰り返しています。最もバカらしいのはその金は酉の市で熊手など
を買うのに使ったといいわけです
司直の手によって全てを明らかにして欲しいものです。
先日、袴田事件で再審開始決定が出て袴田巌さんが解放されましたが、今日は飯塚事件の再審請求が棄却されました。
この事件の犯人とされた九間三千年死刑囚は08年に既に死刑が執行されています。死後も引き続いて再審の請求がなされていたのです。(「飯塚事件の再審請求棄却 福岡地裁 弁護側、即時抗告へ」 14/03/31)
取り調べ段階での「自白」と1996年当時のDNA鑑定により被害者周辺から発見された血痕と元死
刑囚の血液が一致したというものです。現在のDNA鑑定では元死刑囚の血液とは一致しないと再審が請求されていたのですが。
3月31日付けの
朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇坂あれば見上ぐるだけの梅見かな(横浜市・松永朔風:稲畑汀子選)
若ければ坂を登って間近に花を見たいものですが、老いるとは淋しきものかな。
◇春一番後は野となれ山となれ(東京都・三輪憲:金子兜太選)
これぐらいに思っていなければ生きては行けないような。
◇七十年間三月十日に怒る夫(東京都・斎木百合子:金子兜太選)
七十年間も怒りは続く。時の政府に対する怒りか、無差別殺戮を謀ったアメリカ軍に対する怒りなのだろうか。
◇乗り合わす春セーターの眩(まばゆ)けれ(名古屋市・山田邦博:長谷川櫂選)
日差しの差し込むバスの車内に明るい色のセーターを着た若い女性が乗り込んできた、そんな風にイ
メージしてしまいました。
今年ほど春が待ち遠しかったことはありません。歳とともにそんな思いが強くなる。
◇福島を離れ一〇〇〇日ふきのたう(川越市・横山由紀子:長谷川櫂選)
フクシマ事故より三年、作者は福島から避難されているのでしょう。下五の「ふきのたう」が良く効いていると思う。
◇黄水仙それぞれの向き嫋やかに(郡山市・長谷川朗徹:大串章選)
水仙とは並んで咲いてもそれぞれに好きな方を向いている。
◇大都会行き交ふ人になごり雪(名古屋市・石井清司:大串章選)
それぞれの人にそれぞれのなごり雪。
いるかさんの「なごり雪」を思い出しました。
◆朝日歌壇
◇啓蟄だね今年も村は無人かね除染は駄目かね出たくはないね(いわき市・馬目弘平:永田和宏/馬場あき子選)
「除染」という言葉に福島の人を縛り付けてきた。それでも村には住めない。
◇まづければ取消せばいいと思ふらし言葉の軽き人々憎し(鹿嶋市・加津牟根夫:永田和宏選)
言葉軽き人ばかりです。「憎し」とは強烈は言葉です。
◇憲法は為政者縛る縄なれど閣議で変え得る程の弱さか(東京都・井ノ川澄夫:永田和宏選)
憲法99条にはこう決められています。
<第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。>
憲法改正の正式な手続きを経ずに解釈改憲など持っての他です。
◇除染後に敷かれた土は硬過ぎて今年もごめん種まきうさぎ(福島市・米倉みなと:馬場あき子選)
「除染」ということで田の土を入れ替えたのでしょうか?その土は堅くて種も蒔けない。
「種まきうさぎ」は吾妻山に現れる雪形だそうです。
◇哀しいという字に一本の棒足してしみじみ人は衰えてゆく(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
哀しみばかりを経験していると知らず知らずに衰えて行くということでしょうか?
◇「想定外」の言葉の日々が遠くなる三年過ぎて他人事(ひとごと)の空(函館市・武田悟:佐佐木幸綱選)
フクシマから三年、為政者は色々の言葉を生み出すものです。そして人民を騙し搾取するものです。
◇撮(と)り置きしドラマの間に東電の地球に優しとふコマーシャルあり(さいたま市・吉田俊治:佐佐木幸綱選)
ブラックユーモアのようなCFが現れるのでしょうね。
私たちは如何に無防備に騙されてきたのでしょう。
◇きな臭き秘密保護法反対の歌載らずともあきらめず詠む(鳥取市・山本憲二郎:佐佐木幸綱選)
私に歌は作れませんが、まったく同感です。
歌壇に秘密保護法の歌が載らないと、あゝ廃止の機運も下火になってきたのかと落ち込んでいますが、あきらめずにそんな歌を探しながら、廃止に向けて小さ
な一歩を出していきましょう。
◇生きるとは食べることなり車椅子、歩行器、杖が食堂にくる(西宮市・東谷節子:高野公彦選)
昼時の老人ホームでしょうか、デイサービスセンターでしょうか。老いても生きるためには食べるしかない。
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