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14/07/07 朝日俳壇、歌壇より


 今日は七夕、残念ながら当地は雨 です。

 週末には集団的自衛権行使容認に反対する集会やデモが各地で行われ多くの人が 参加したようです。特定秘密保護法の時より若い人の参加が多かったとのこと。

 私は在特会らの京都でのヘイト街宣へのカウンターに参加しました。彼らは外国 人差別のためには その理由は何でもよいのです。ひとつの出来事に尾ひれを付けて民族差別を煽るのです。何度聞いてもどうしようもない人たちです。

 さて、さて、このごろ目に付くのは見え透いた「嘘を吐く」人たちです。上は総理大臣から下は差別主義者まで彼らはどうした嘘を吐くのでしょうか?
 貧しかった子どもの頃から「嘘は吐いたらあかん」と、人を傷つけるのと同じように戒められたものです。それでも六十数年、多くの嘘を吐いてきました。そ の度に深い自責の念に駆られたものです。嘘を吐くということはそういうものだと思っています。

 しかし、この頃の輩は平気で嘘を吐いているように思えてなりません。放射能はコントロールされているとか、野次は言っていないとか、在日コリアンには特 権 があるとか、普通に考えればすぐばれる嘘を平気で垂れ流すのでしょう。
 嘘と知らずに言っているとすれば馬鹿、嘘と知っていれば破廉恥漢ではないでしょうか?呆れたことです。

 7月6日付けの朝 日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇解釈の余地など在らず雲の峰(鎌倉市・片岡マサ:長谷川櫂選)
 すっきりと良い作品です。
 これまでも自民党政権は随分解釈で憲法の意味を変えてきました。
 それを私たちは許してきた。その結果が今回の憲法の平和主義をかなぐり捨てるような安倍の暴走を産んだのです。一人ひとりが自分の出来ることをして彼ら の企みを挫きましょう。

◇山蟻の道に気迫のありにけり(大牟田市・古賀昭子:大串章選)
 蟻が並んで歩いている、その姿に気迫を感じられたと。作者は蟻の何に気迫を感じられたのでしょう。

◇忘れたきことは忘れず明易し(川西市・上村敏夫:稲畑汀子選)
 ある、ある、なんでもないことはすぐに忘れるのに、忘れられないことを考えているうちに夏の朝を迎える。私ならぐったりの朝です。

◇姉よりも上手に編んで蛍籠(大阪市・大川隆夫:稲畑汀子選)

 姉さんより弟の方が器用だっ たのだろうか?
 ネットで検索すると蛍籠とは虫篭(写真右)のようなものの目の細かなものかと思っていましたが、写真左のパンのコルネを立てたような形でした。
 材料は麦わらなどで編むようです。

◇足が痛むか母よ夏満月です(秩父市・浅賀信太郎:金子兜太選)

 90歳を超えた我が母も顔を見るたびに足が痛い、足が痛いといっていますが、どうしてやることも出 来ません。
 優しい作者の心根が伝わります。

◇蛍狩り山陰線に乗り換へる(松原市・加藤あや:金子兜太選)
 蛍狩りと山陰線とが凄くマッチした取り合わせ、何故だろう。

◆朝日歌壇
 今週は選者の高野公彦さんがお休みで、他の三人の選者から13首づつが選ばれています。

◇静けさは戦争をする国になる前夜と思ふ戦慄走る(三郷市・岡崎正宏:佐佐木幸綱選)
 今週の歌壇には集団的自衛権の行使容認した安倍内閣の暴挙を読んだものが多く入選していました。
 嵐の前の静けさでしょうか?麻生副総理の言った「ナチスの手口に学べ」との言葉が耳から離れません。

◇秘密保護法集団的自衛権セットなんだとやっと気が付いた(光市・山本幸晴:佐佐木幸綱選)
 もうひとつ、権力とマスメディアの幹部との会食もセットのように思われます。
 NHKの籾井会長人事の結果、ニュースウオッチの大越健介のような翼賛報道が今回の閣議決定をアシストしたのです。

◇美しい羽でなかったらもっと空を飛んでいられた蝶の標本(東京都・上田結香:佐佐木幸綱/永田和宏選)
 標本を見てこういう風に感じられる人は凄いと思う。そして一首にされることも。

◇わからへんなんぼ聞いてもわからへん平和のためにいくさに行くと(枚方市・石川智子:永田和宏選)
 関西弁?の「わからへん」のリピートが効いている。人を殺して平和が来るなんて。

◇どれ程の用に迫られ渡るのか途(みち)に乾涸び毛虫と蚯蚓(みみず)(所沢市・小坂進:永田和宏選)
 子どもの頃、庭に来る蟻や虫と一人遊びをしていて思ったことは彼らには何かしたいという意志があるのだろうかと考えたものです。往来で乾涸びているもの たちは旅の途中であったのだが、その旅の目的はなんだったんだろう?

◇いつもより心がビリッとひきしまるまっすぐ手を挙げ休日参観(西宮市・室文子:馬場あき子選)
 授業参観の日を詠んでいる作者は、生徒だろうか、親だろうか、教員だろうか?

◇忘るるな不戦誓うは三百十万人の犠牲のすゑぞ(三原市・岡田独甫:馬場あき子 選)
 多くの人々の死の上に私たちの生活がある。「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれた言葉は決して原爆の犠牲者だけに誓った言葉では ないと思う。二度と再び「過ち」を繰り返してはならないのです。
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