14/08/26 朝日俳壇、歌壇より
ネトウヨの馬鹿どもが「広島の被災地に在日コリアンが身分を隠してボランティアに出掛け。被災宅から泥棒をしている」などと根も葉もないことをツイッ
ターなどでデマを流布しています。まさに関東大震災時のコリアン虐殺の悪夢の再現のようです。
こうい
うデマを見つけた方は安易にリ・ツイートしないで下さい。
久しぶりに買いだめしてあった映画「サ
ンチャゴに雨が降る」を家で見ました。
チリで民主的な選挙で誕生したアジェンデ政権がクーデターで破壊される様子を描いた映画です。クーデターが起こったのは、くしくも1973(昭和48)
年9月11日でした。
映画を観て思ったことは、税金で作られ運営されている軍隊が納税者を守るのではなく、納税者を殺すのです。
安倍首相が「国民の命を守る」と言っても、軍隊は私たちを守らないのです。
8月25日付け
の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇体験の黙殺さるる敗戦忌(埼玉県皆野町・宮城和歌夫:金子兜太選)
戦争体験、被爆体験の他にも大きな災害の体験も何も生かされることもない。
◇夏痩せて更に父似とありし貌(伊万里市・田中南獄:長谷川櫂選)
老いてくるとなき父にそこはかとなく似て来るようです。どなたもそうみたいです。
◇敗戦忌娘(こ)のスカートの寝押しなど(東京都・小玉正弘:長谷川櫂選)
寝押しなどと言う言葉を何十年ぶりかで思い出しました。貧乏の中で身奇麗にしていた姉と兄は毎夜スカートやズボンの寝押しをしていました。ずぼらな私は
とんとお構い無しでしたが。
◇蜩の声は孤独に添ふ様に(神戸市・岸田健:稲畑汀子選)
蜩のカナカナと鳴く声はなんとも淋しいものです。それは孤独な人に寄り添うようだと。
◆朝日歌壇
◇この星の涙の歴史にガザの涙イラクの涙ウクライナの涙(石川県・瀧上裕幸:馬場あき子選)
涙の歴史とはうまい表現です。新しい涙の歴史が日に日に増えて行くとは。
◇ほとんどが卒寿を越えた証言者被爆六十九年の今(長野市・祢津信子:馬場あき子選)
広島で何人かの被爆証言者のお話をお聴きする機会がありましたが、どなたも相当のお年でした。
全国の子どもたちに生の証言を聴かしておかなければと思うばかりです。
◇烈日のなか八月の貨車が来る過去の闇乗せ重き貨車来る(福島市・美原凍子:佐佐木幸綱選)
美原さんはリフレインの使い方がうまい方です。
◇ステテコに腹巻姿の我を見て似合いすぎると妻は苦笑する(船橋市・武蔵義弘:佐佐木幸綱選)
ステテコに腹巻、何処か漫画の主人公のような出で立ち。大笑いでなく苦笑とは、妻の優しさか。
◇「恐い事件あったね」「どの?」と言うような恐い世の中になってしまった(東京都・上田結香:高野公彦選)
「ひどい土砂崩れだったね」と言っても福知山のことか、広島のことか利尻のことか、分からぬような今日この頃です。
◇卵抱くキジバトの見る空の続き爆撃により子らが死にゆく(徳島市・上田由美子:高野公彦選)
子らは死にゆくに間違いないが「殺されゆく」のです。何も罪もないのに。
◇崩壊のガザの瓦礫の道路(みち)を行く負傷者積みし小型TOYOTA者(舞鶴市・吉富憲治:永田和宏選)
武器輸出三原則をないものにし「防衛装備移転三原則」などと言い替えてみても、もう我が国は人殺しの道具を紛争国に売るのですから紛争の当事者になって
いると言うことではないでしょうか?
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