Google
WWW を検索 残日録内 を検索
←Back Haiku  Photo Mail Archives Twitter Next→

15/07/09 朝日俳壇、歌壇より

 こういうのを無事 退院と言うのでしょうか?
 主治医から何の説明もなく、CTもMRIの検査もなく、看護師から言われていた栄養指導、薬剤の説明もないままに退院しました。
 担当してくれていたリハビリのセラピストは最後まで真面目に施術してくれました。

 退院後、ケアマネージャーを決め、リハビリしてくれるところを探しています。リハビリだけをして欲しいのに一日拘束されるとか、私の要望と現実には隔た りがあります。私には「医療」が必要なのに、「福祉」の枠内で療養しろということのようです。

 自宅のパソコンの環境も復活したのでぼちぼちと書いていきます。今回は朝日俳壇、歌壇の鑑賞を2週間分アップします。

 6月 29日付の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
 
◆朝日俳壇
◇今日の汗運びつきたる終電車(さいたま市・齋藤紀子:稲畑汀子選)
 電車は色々な者を運んでいる。終電は一日分の汗も運んでいたのでした。「運びつきたる」がいいですね。
 
◇派兵てふ怖い話や囮鮎(おとりあゆ)(野洲市・深田清志:金子兜太選)
 尋常ではない言葉が当たり前のように世間を騒がせていますが、私たちの耳は次第に馴れてくるのでしょう。敵も当然織り込み済みのことなんでしょう。
 言葉に敏感であることも大事なことではないでしょうか。

◇薔薇のまだ咲く力散る力(神戸市・小嶋夏舟:長谷川櫂選)
 咲くにも力、散るにも力がいるということ。人間も生きるにも力が、死ぬにも力が要るのと同じこと。

◇羽抜鷄来世は人に生れ来よ(名古屋市・坂井巴:大串章選)
 こんな世では、単純に人に生まれ変われとは言い難い。
 
◆朝日歌壇
◇70年「戦後」と呼んで来た月日ずうっとずっと「戦後」がいいよ(つくば市・土井桂子:永田和宏選)
 「嗚呼、あれが戦前の始まりだった」とは思いたくないものだ。

◇粛粛とお上(かみ)のお達しこの後は政府批判の歌は載せるな(市川市・渋谷雅子:永田和宏選)
 露骨にメディア批判を繰り返す政権党の国会議員、彼らは単に煽り役、その内、もう少し緩やかな物言いが良いことのように聞こえる。戦争法案に対する維新 の修正案のように。
 やがて、我らが縛られる。

◇施設に行く寄る辺なき婆守り来し位牌を寺で預かれと言う(三原市・岡田独甫:馬場あき子選)
 全国に無住の空き家が増えているとか、同じようにお守りする位牌も墓も放り捨てられるのだろう。

◇沖縄・原発・改憲・拉致・票の格差我等愚鈍で狡猾で(いわき市・馬目弘平:佐佐木幸綱選)
 この歌の「狡猾」が怖い。

◇歩く程昨日の灰汁(あく)が落ちるから朝日に向かい一万歩歩く(大阪市・石田貴澄:高野公彦選)
 歩いて出る汗は「昨日の灰汁」か、私もせっせと流そう。

 7月6日付の朝日 新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
 
◆朝日俳壇
◇ひたすらに骨拾ふべし沖縄忌(名古屋市・松末充裕:金子兜太選)
 「慰霊」ってなんだろう?
 
◇てんとむし君死にたまふことなかれ(横浜市・高橋央尚:長谷川櫂選)
 誰かのため、何かのために死ぬのならまだしも、他国の戦争に巻き込まれて死ぬなんていうのは「犬死」でしかない。死んではならぬ。
 
◇生き過ぎたなどと話して冷し酒(新潟市・ささき万稚:長谷川櫂選)
 私も生き過ぎた。おかげで色んな経験をしている。
 きりりと冷えた冷酒も美味いが、私はヒヤ(室温)が好き。

◇吉野ヶ里遺跡を囲み田植かな(茅ヶ崎市・清水呑舟:大串章選)
 何年か前に訪れたときに、田圃の真ん中に遺跡があったことを思い出した。あの地域全てに人が暮らしていたんだろう。

◆朝日歌壇
◇この国は見えない地図の中にあり九条を捨てて何処に行くのか(三郷市・岡崎正宏:佐佐木幸綱選)
 どこに行くのだろう。大日本帝国に戻るような。

◇黒髪で薄化粧だと良い子だと思われるこの身は入れ物なのに(奈良市・渡辺夏子:佐佐木幸綱/高野公彦/永田和宏選)
 情けないことに私もそんな見方をしてしまう。体は心の入れ物とは言っても。

◇大学が職務訓練の場と化してどこへ行ったかリベラル・アーツ(さいたま市・伊達裕子:高野公彦/永田和宏選)
 学校が全て予備校になっている。小学校は中学の、中学は高校の、高校は大学の、大学は就職の。

◇特攻は命じた者は安全で命じられたる者だけが死ぬ(奈良市・直木孝次郎:永田和宏選)
 戦争というものは命じたものは死ななくて、命じられたものが死ぬのは必然のこと。たいていの国民は命ぜられる方だ。だから、戦争と戦争に繋がることに反 対する。
←Back  Archives  Mail  Home  Next→ Top
inserted by FC2 system inserted by FC2 system inserted by FC2 system