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06/07/02 誰のための郵政民営化
 日本郵政公社は「事業性と公共性を両立 させるため」との理由で、郵便集配局の再編を発表しました。
 「集配拠点、郵便貯金・簡易生命保険の外務営業拠点の再編について」(郵政公社 06/06/28)
 「事業性」とは採算性、利益優先ということです。

 全国で郵便の集配を取り扱う4,696の郵便局のうち1,418の集配業務を廃止するとのことです。
 北海道160局(約36%)、鳥取県では24局(48%)、沖縄30局(約47%)、、、、と地方が大幅な廃止の対象となっています。
 それに対し、東京5局(約8%)、大阪3局(約4%)、千葉、神奈川、、、と都市部では減っていません。
 兵庫県の都市部(神戸市内)で廃止されるのは六甲山局と有馬局だけで27局は郡部の郵便局となっていることが象徴的です。

 「公共性」より「事業性」を優先しているとしか思えません。
 持ち帰りの郵便物は「再配達を基本とする」といっていますが、隣町から或いは隣の島からそう簡単に再配達がされるとは思えませんし、そんなことをしてい れば「事業性」を損なうことでしょう。

 都市部と地方の地域格差の拡大がまた促進されてしまいます。地方の破壊です。

 生産性の悪い地方には住むな、生産性の悪い稲作はするなということですね。
 すべてのことが「効率」「生産性」でしか測られない世の中なのです。
 すべてのことが「金」でしか測られない世の中なのです。

 「郵政民営化」を許してしまうということは、こういうことだったのです。
 伊藤真さんは「高校生からわかる 日本国憲法の論点の中で、日本国憲法は弱者、少数者、マイノリティを守る砦だ といわれています。

 現在、笹山久三さんの「四万十川〈第6部〉―こころの中を川が流れる」を読んでいます。
 笹山さんは高知県四万十川流域の生れで、現在は首都圏の郵便局で働いておられます。
 「四万十川」は、笹山さんの分身である篤義少年が、清流・四万十川の自然の中で、親、兄弟、隣人、教師等の中で成長していく自伝的な小説です。

 完結編の第6部では郵政労働者となった篤義、父や母の死による帰省、労働組合の分裂、労働幹部の裏切りなど、四万十川流域の自然と人々の変化、合理化と いう職場の締め付けなどが描かれています。

 今度の集配局再編でも国民・利用者に負担を強いるだけでなく、多くの郵政労働者にも配置転換などの犠牲を強いることでしょう。金儲けのために。


 何時も紹介させていただいているソフトウエア販売会社・アシスト社の ビル・トッテン社長のコラム「Our World」に郵政民営化についてのコラムがありましたので一部引用させていただき紹介させていただ きます。
 「国政無関心の罰は大きい」(2005年09月05日)

-----------引用始め-------------
米国政府が主導する国際通貨基金(IMF)は7月29日にまとめた報告書で郵政三事業の民営化を「歓迎する」とし、小泉首相の構造改革を積極的に支持する としたのだから、参議院の否決や衆議院解散には驚いていることだろう。

この報告書は、「日本最大の貯蓄機関である郵便局の民営化は、民間金融機関との公正な競争条件をもたらす」と評価しているし、また米国政府のスポンサーで ある米生命保険協会は「郵貯・簡保の民営化は国際公約だ」と引き続き郵政民営化を求める声明を出している。IMFの焦点は小泉首相が繰り返していた地方の 郵便局がなくなることではない。

自民党政府がなぜ米国の言いなりかということについては、以前にも書いたが、日本を太平洋戦争に導いた政府から米国政府の手によって現在の自民党が作られ たという経緯があり、その目的は米国の植民地として統治することであったために、米国に忠実でない「総督」は排除されてきた。民営化を押し通そうとする小 泉首相、竹中大臣は米国にとって忠実なしもべであろう。
-----------引用終り------------

 郵政民営化もまた、アメリカに魂を売った売国奴たちの仕業なのです。
 折りしも小泉純一郎は、宗主国の大統領に最後の尻尾を振りにいっています。
 国民の食と命と密接に関わるアメリカ産牛肉の輸入再開などの売国的手土産を持って。
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