06/12/05 複眼で物を見る
色々と書いておきたいことがあるのですが中々まとまりません。
先週来、歯の治療で麻酔、抜歯をした所為もありますが気分が優れず、頭が十分回りません。
また、一気に気温が下がり微熱のある風邪気味でもあります。
悪い癖で、色々なテーマを書きかけては途中で、違うものに興味がいってしまい、他のことに集中したりととりとめもなく週末を過ごしてしまいました。
教育基本法改悪、防衛庁の省・昇格関連の動きを見ていると、今はもう戦
前なのだとの思いが強くなります。
出所や詳細の発言を失念しましたが、加藤紘一・元官房長官が自宅を放火された後にこんな意味の発言をしていました。
「10年来同じ趣旨の発言をしているのに、最近は話しにくい世の中になってきた。」
加藤さんの発言は10年前の方が過激だったかもしれません。
「細部は論じたくないが、(慰安婦側が)強制連行されたと主張するならその通りなのだろう」(1991年)
「ここに来るのは長年の願望だった」
「来年は終戦から50年。日本では、どう50年を迎えれば良いか議論しており、日中戦争が本格的に始まるきっかけとなった盧溝橋を訪れることができたこ
とは意義深い」(1994年:中国人民抗日戦争記念館を訪れて)
(ウィキペディアより)
話しにくい世の中になってきました。
映画「TOMORROW/ 明日」(88年)、「美しい夏キリシマ」
(02年)そして「父 と暮せば」(03年)と戦争レクイエム三部作の監督・黒木和雄さんは「私の戦争」という
少年/少女向けの本(岩波ジュニア新書)の「あとがき」に下記のように書かれています。
<引用>
戦争がいかに人間を不幸にするか、悲惨にするかという当たり前のことが揺らぎ、そのような発言をするとともすれば映画が撮れなくなり、就職にもさしつか
えるような事態だって予想されます。このような今日の状況は戦争中の翼賛体制と五十歩百歩です。野党各党も「安保」の時のような体を張って阻止するという
気概を失い、マスコミもいたるところで行われている反戦運動をほとんど報じません。横の連帯がマスコミによって断ち切られてしまっているとさえ思われま
す。
このままでは憲法九条が改悪されかねません。
かつて日本がそうしたように、ふたたび破滅の道に突き進むことを、私は心から恐れているのです。
<終わり>
物言わぬ国民として教育され、物言いたくとも物言えぬ時代になってきています。
いつも紹介しているビル・トッテンさんのコラム(Our World)から「米国の計画的な犯罪」という記事を紹介します。
◆チョムスキーの言葉
日常的に親米プロパガンダに晒されている日本の国民の状況が的確に評されています。
『一般大衆はテレビの前にじっと座り、人生で大切なのはたくさん物を買って、テレビドラマにあるような裕福な中流階級のように暮らし、調和や親米主義と
いった価値観を持つことだ、というメッセージを頭の中にたたき込まれていればよいのである』
(この文章はチョムスキー著「メディア・コントロール」だそう
です)
私たちは毎日、毎日、テレビから垂れ流されるもっともらしい情報(親米プロパガンダ)により、物をたくさん所有することが幸せだと思い込まされ不要な物
をたくさん買わされています。
そして、アメ
リカが世界の領主であるような錯覚に陥れられています。
◆言論の統制は今も
戦前、戦中の日本では、政府の気に入らない報道や出版はできなくなり、政策を批判したりしないように検閲がされ、政治的な集会も禁止されていました。
では現在はどうでしょうか?
ビル・トッテンさんは下記のようにいわれています。
「しかしこれは情報操作が行われていないということではない。政府にとって不利な情報を隠ぺいしたり、虚偽とまではいかずとも、実際に起きている重要な
出来
事から目をそらさせるためにどうでもよい情報を繰り返し流すといった操作が、米国や日本で当然のように行われているのが現実である。」(引用)
「情報操作や隠ぺいといえば北朝鮮や軍事政権下と思いがちだが、民主主義国家でも行われており、そ
れはより巧みになっている。」(引用)
主要なメディアが報道しないこと、隠そうとしていることを知るためには、電源を入れてぼんやりと流れてくる情報を見聞きするのではなく、インターネット
の中の情報を自分からとりにいくと言う「自分から行動する」という姿勢が大事だといわれています。
国が誤った方向に進むことを阻止するためにも複眼でものを見ている必要があります。
◆情報操作の例
アメリカに都合の悪いことは殆ど報道しない日本のマスコミは、イラク侵略の口実であった大量破壊兵器の保有がうそであることが分かっても何も検証をして
いません。
ビル・トッテンさんはアメリカのこのようなやり方は、今に始まったことでないとして、キューバに対するアメリカの犯罪行為を上げています。
弁護士だったカストロが、アメリカの半植民地支配から抜け出すために、親米の独裁者だったバティスタを国外逃亡に追い込み革命政権を樹立した。
アメリカは50年近くもキューバに対して経済封鎖を行っており、キューバ国民が貧困に苦しみ、国民の不満を募らせ、政府を転覆するように仕向けていま
す。
「米国の主流メディアはカストロは共産全体主義者であり、バティスタたちは自由を求めて米国へ亡命したかのようにいう。カストロは独裁者かもしれない
が、そ
こで欠けている視点は多くのキューバ国民が米国の経済封鎖によって苦しめられていること、そして同時にカストロの政策を支持しているということだ。」(引
用)
チャベス大統領の三選が確実となりましたが、ベネズエラの今後の状況も予断を許さないのかもしれません。
ベネズエラの石油に対する依存度も大きいアメリカが、無法な行為をしないとは限りません。
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