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08/01/21 福井県武生
 青 春18切符の最後の1回分を、利用期限の1月20日に使い切りました。

 馬鹿馬鹿しい市町村合併で「越前市」と改名された旧武生(たけふ)市の市街地が目的地です。
 越前市の北西には「越前町」が隣接し、南には「南越前町」が隣接しています。
 埼玉県の富士見市とふじみ野市と同様に、何ともアンチョコな、ネーミングだと思えてしまいます。

 古くは紫式部が住んでいたというように歴史のある町で、越前の国府が置かれていたとのことで、古い街並みや建物が残っています。

 そして、何より蕎麦がおいしい地域です。
 「越前蕎麦」は、茹でたそばをお皿状の器に盛り、出汁に辛味大根のおろし汁を加えた出汁をかけていただきます。トッピングは鰹節です。お店のメニューに は「おろし蕎麦」と書かれています。

 古い建物などを「越前府中・まちなか博物館」と名付けて一般に公開されています。
 この博物館を巡りながら、そばをいただくという趣向です。

◆青春18切符の最終日
 京都からの新快速の車内は、爺さんや婆さんで結構混んでいます。
 今回は北に向かうからか、山歩きの人、スキーの人、カメラの人が殆どでした。
 関西圏から、敦賀まで新快速が直通となって随分便利になりました。
 最寄駅から、2時間30分ほどで武生に着きました。

◆一杯目
 まちなか博物館に炭火で魚を焼いている店と紹介されていた「満る久鮮魚店」で、焼魚で一杯と訪ねましたが、看板もなくカラス戸にはカーテンが閉められ商 売をしている気配がありません。

 仕方なく向かいの蕎麦屋・まつもと屋に入ります。
 開店直後のようで他に客もなく、冷えた身体を温めるために熱燗とおろし蕎麦を注文します。
 お酒には、大根と人参のなますが付いています。お酒が腹に沁みます。

 蕎麦は、少々固め(腰?)ですが、大根が辛く美味しい一杯でした。
 夫婦での営業のようでしたが、女将さんが蕎麦湯を出すタイミングを外してしまいました。ちょっと減点です。

◆谷川
 有名店で、是非食べてみたかった「谷川」に向かいましたが、第3日曜は休業とのことで残念でした。
 他にも、うるし屋など数軒が休みでした。

◆面白い樹影
 途中、お墓 や神社の境内に妙な表情をした樹がありました。
 武生駅の西側(府中と呼ばれる市街地)の凡そ1Km四方 に50ものお寺があります。
 クネクネと曲がる路地をお寺を訪ねて歩くのも良いものです。

 
左の図は凡そ1Km四方、赤丸は寺院、青丸は神社、右端中央が武生駅

◆熊川邸
 両脇を蔵に挟まれた長屋門が白い漆喰壁と黒い板のコントラストが綺麗な建物です。
 脇にまわると、殆どが空き地で辛うじて蔵と長屋門を維持しているとのことでしょうか?


◆丈生(じょうせい)幼稚園
 大きな伽藍の引接寺境内にある丈生幼稚園の建物は、明治32年頃に建てられた旧福井警察署の建物を大正期に移築して幼稚園として使っているとのこと。木 造の立派な建物でした。

◆旧武生郵便局
 こじんまりした木造洋館です。大正期の建物だそうです。
 玄関には個人名の表札が掛かっており、どなたかが住まわれているようです。
 まちなか博物館は、現在も使われているものが多く保存は大変なことだと思います。

◆ちひろが生まれた家
 いわさきちひろさんが生れられた家が保存されています。
 ちひろさんの母・文江さんは、長野県松本の出身だそうですが、奈良女子高等師範で学ばれたあと、武生町立の女学校の教員となられました。

 同郷の正勝さんと結婚された後も、武生で単身教員を続けられていました。妊娠を期に、寄宿舎の舎監から質屋の離れを借り、知弘(ちひろ)さんを出産され たそうです。
 ちひろさんが、武生におられたのはわずか誕生から4ヶ月だったそうです。

 生家といわれる建物は、武生駅から徒歩10分ほど、間口2間ほどの小さな家でした。建物内はちひろグッズの販売など、取り立てて見るものはありませんで したが、ちひろファンは所縁の地を訪ねられてはいかがでしょうか?

◆御清水庵
 気温もドンドン下がっているようです。雪が舞ってきました。
 駅近くの御清水庵(おしょうずあん)で2杯目のそばをいただきます。この店は4度目くらいのなるでしょうか。

 相変わらず熱燗を先に貰います。突き出しは大きめの出汁巻きが二切れ、そばの前に一気に一本を完飲です。

 この店のそばは、先のまつもと屋と同じように太めで腰?の強い麺と、大根の辛味が強い出汁です。
 御清水庵は、デザートにきな粉でまぶした蕎麦がきが出てきます。

◆住んでみたい街
 山国、河の流れ、古い建物、寺町、城下町、、、酒も蕎麦も美味しい街、武生は住んでみたい街の一つになりました。

◆今庄宿
 今庄に移動して、もう1、2杯蕎麦を食べることにします。

 今庄駅を出てすぐの今庄宿の街並みは、整然としておらず、建物の規制もないようで思い思いに改築、新築されているお宅もあるようですが、作り酒屋など大 きな建物が当時のままの姿を保っているせいか、相対的には風情を感じることができる街並みです。街の人は闖入のわたしなどにもきちんと挨拶を返してくれる 人ばかりです。

 酒屋の軒先には、緑の杉玉が飾られ「新酒できました」の 貼り紙があり、店先で一杯いただきたいのですが、中々重い木戸を開けて入るには勇気がいります。


稼 動中
未 稼動
計 画中止
北 海道



青 森県



宮 城県



福 島県



茨 城県



新 潟県



静 岡県



石 川県



福 井県



三 重県



島 根県



愛 媛県



山 口県



佐 賀県



宮 崎県



鹿 児島県



 昭和初期の建造物(下から2枚目の写真)が 今庄公民館として使われていましたが、建物に左の写真 のような銘板が付けられていました。
 この建物の補修費用は、原子力発電所を受け入れている代償と して受け取っ た金で賄われているのです。

  福井県は表のように日本一の原発立地県です。
 5ヶ所の発電所に16の原子炉が設置されています。
 事故や、地震での放射能漏れの危険と引き替えの「電源立地」とは悲しいことです。


※南越前町のホー ムページに、「原子力の正しい知識と原子力発電所の必要性及び安全性をPRするため」と「原子力と南越前町」という、ヨイショのサイトがありまし た。


◆ふる里
 今庄駅近くには、「忠兵衛」と「ふる里」の2軒の蕎麦屋があります。
 わたし好みの「ふる里」でおろし蕎麦をいただきます。
 量は物足りないくらいです。食事のつもりなら2杯は必要でしょう。
 麺は細麺、出汁は大根の辛味は殆どありません。どちらかというと甘い系の出汁です。
 出汁の甘さを補っても余りある、キリっとした麺が美味しいお店です。

 福井出身の宇野重吉さんがひいきにされたお店だそうで、蕎麦を食べている宇野重吉さんの写真や色紙が飾られています。

◆帰路
 今庄宿を散策している頃から雪が強くなってきました。
 駅のホームは吹きさらしでわずかな待ち合わせの時間でも相当冷えてきます
 車内は往路と同じように18切符利用の年寄りの姿が目に付きます。滋賀県にはいると雪は雨に変わっています。
 雨の中、明るいうちの帰宅となりました。


 ゆったりとしたお散歩でした。
 青春18切符だから、とりあえず距離をなどと考えない小さな旅が疲れずに良いですね。
 福井市、越前市内界隈でのおろし蕎麦の値段は500円から600円です。大都市での1000円を超えるような蕎麦は論外な代物です。


 楽しい一日でした。


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