09/04/30 映画「子供の情景」
アフガニスタンの
イスラム原理主義の旧タリバーン政権によって爆破されるバーミヤンの石仏の映像を見られた
ことはあるでしょ
う。
あのバーミヤン渓谷?の村に暮らす少女の冒険の一日
を描い
た映画「子
供の情景」
を紹介します。
少女・バクタイは、石仏の彫られていたような崖の横穴に母親と幼い弟と暮らしています。隣家の少年・アッバスが学校で習ってきた話を聞いてバクタイも学
校に行きたいと思うのですが、学校に行くにはノートと鉛筆が必要です。
鶏の産んだ卵を手に街に出て散々苦労の末ノートだけ手に入れることができました。鉛筆の代わりに母親の口紅を持って学校に行きます。瓦
礫の原っぱでは悪
がきたちが戦争ごっこをしています。
戦争ごっこの「敵」として捕まり大事なノートを取り上げられてしまいます。。。
アフガニスタンの歴史に詳しくはありませんが、戦争と無縁な時期は長くは続いていません。
01年、9.11の報復としてアメリカ軍とイギリスなどの有志連合軍が侵攻してタリバーン政権が崩壊しています。
オバマ政権になってからも、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍の無人航空機によってパキスタンへの爆撃が繰り返され民間人の犠牲者も出ています。
◆戦争ごっこ
子どもたちはタリバーン兵となって、仲間でない子どもや女の子を捕らえて処刑をします。
木切れの銃ではありますが、結構リアルに真似ているではと思わせます。リアルと思わせるところが恐ろしいことです。
◆登場人物
この映画では大人が殆ど出てきません。バクタイの母親、水汲み場の女たち、市場の男たち、文房具屋(よろず屋)の店番、みんな存在感はありませんでし
た。
バクタイ役はアフガニスタンのニクバクト・ノルーズという少女で、私の子どもの頃にはあちこちにいたような東洋系の顔立ちです。小さな手に卵を4個持っ
て瓦礫の道を街まで。苛められても「私は学校に行く!」と健気な役を演じていました。
◆監督
ハナ・マフマルバフ監督は1988年生れで、撮影時には17歳だったそうです。イラン人
の映画監督、モフセン・マフマルバフを父に持ち8歳から学校に行かず、父の映画学校で兄弟と学んでいたそうです。fff
アフガニスタンの歴史を知らないものにはもう一つの印象の映画でした。
扱うテーマを静かに描いていて女性監督らしいが出ていました。
ソ連の侵攻の時代、タリバーンの時代のアフガニスタンを描いた映画「君のためなら千回でも」
を思い出しながら観ました。
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