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10/12/01 映画「ふたたび」

 今日から12月、 盆も正月も何も変わらない生活をしていますが、そんな私でも何故か小忙しく感じます。

 沖縄県知事選挙に私は何もできませんでした。結果は残念なことでしたが、普天間の「県内移設容認」の現職知事に「県外移設」を言わざるを得なくした沖縄 県民の力の結果がイハ候補の30万票近くの得票をさせました。一日も早い普天間問題の「少なくとも県外」での解決を祈ります。

 話題があちこちに飛びますが、先月の現代俳句協会のインターネット句会への投句5句の結果は相変わらず実力どおりの結果でした。3点句、2点句、1点句 それぞれ1句、0点句が2句という結果でした。

◇木枯しが少し夕日を赤くして
◇人絶えた改札口から冬にいる
◇昼酒場泣く女ゐて秋の蝶
◇握力が引力に負け黄葉落つ
◇終電車みな寡黙なり長き夜

  久しぶりに映画の感想などを書いて見ます。元ハンセン病患者だった老人とその家族を描いた映画「ふたたび」を 次の新聞記事を読んで観てきました。

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 映画「ふたたび」が各地で上映されています。“ふたたび”どころか、三度、四度と泣けてくる映画です▼神戸のあるジャズトランペット奏者と、彼の家族、 音楽仲間が織りなす物語です。出だしの場面も忘れられません。黄金色にそまる夕日の海。島のがけっぷちから聴こえてくる物悲しいトランペットの音。毎日、 夕暮れどきに決まった曲を吹く男がいる…▼財津一郎さん演じる主人公が、息子の説得で島から出る時がきます。彼は50年前、大事な演奏会の直前に島のハン セン病療養所に入れられました。死んだと聞いていた祖父に、孫は戸惑います。家族や周りの偏見も根強い▼が、主人公は老体にむちうち、50年前に果たせな かった夢の実現へつき進みます。彼の子を宿しながら引き裂かれた、最愛の恋人の面影を胸に。監督の塩屋俊さんがいいます。「筆舌につくしがたい苦しみを味 わった患者さんたちに捧(ささ)げる意味で、虐げられたアメリカ黒人が生み出したジャズを軸にした」と▼主人公がいた療養所は、瀬戸内海の大島青松園で す。香川本土と2隻の船で結ばれています。82トンの「せいしょう」と45トンの「まつかぜ」。公務員の船員が大島に毎晩泊まり、急病患者が出ても緊急に 運びます▼政府は、うち1隻の運航を民間に任せようとして反対にあい、計画を断念しました。「いったい国は、私たちを島に隔離して人生を奪った責任を自覚 しているのか」と問う元患者たち。映画「ふたたび」の涙の味を、大臣や厚労省の官僚もどうぞ。
--------------------(きょうの潮流」しんぶん赤旗 10/11/29)

 しんぶん赤旗の記事が全部語っているので、これ以上のことは書けそうもありませんが感想など一言、二言。

 改めて差別の根深さを考えさせられました。娘の縁談の破談、息子の恋愛の破局など描き方はサラッとしていましたが、差別する方に自分を置いて見たときに 果たして差別をしないでいられるか自信がありません。
 ハンセン病に対する差別は国の施策が生んだものですが、未だに出自、性、民族、貧困、障害、美醜など、自分ではどうしようもないことで差別を受ける、差 別することがあまりにも多いと思う。差別されている人間が裏を返せば差別する一面を持っている、そしてそのことで安心している。

 元ハンセン病患者の祖父(財津一郎)のやり残した夢を叶えてやろうと小さな旅の同行者・孫を演じていた鈴木亮平さんが新鮮な感じで良かった。財津一郎さ んはちょっと濃すぎる演技でした。財津さんの昔の恋人役とハンセン病施設の看護師をMNJIという韓国の人が二役をこなしていましたが美人なのでしょうが 印象が薄かった。

 観る前の期待が大きかっただけに全体には期待外れの映画でした。鑑賞料金が1800円なら損をした感が、1000円のシニア料金ならまずまずの満足感。

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