12/02/07 貧困と肥満そして罹病
データの真偽のほどはわかりま
せんが、終末医療に携わったオーストラリアの看護師の経験では死の間際に語る言葉のトップ5は以下のようなものだったそうです。「ナースが聞いた『死ぬ
前に語られる後悔』トップ5」(Pouch 12/02/06)
1.自分自身に忠実に生きれば良かった
我侭に生きてきた私でも、もっともっと自分らしく生きていきたいと思います。
2.あんなに一生懸命働かなくても良かった
何故、あんなに我武者羅に働いたのでしょうね。色んなものを犠牲にしてまで。
3.もっと自分の気持ちを表す勇気を持てば良かった
人に本音を話すことがありませんから、このようには思いません。
4.友人関係を続けていれば良かった
友だちは極少ないですが、それで十分です。
5.自分をもっと幸せにしてあげればよかった
自分より、家族をもっと幸せにするべきだったと一番の後悔です。
厚労省の「国民健康・栄養調査」(2010年)を読んで見ましたが、調査結果の数字の羅列が多くイマイチの資料でした。
所得と生活習慣に関する項目はわずか2ページだけ、報道されている以上のものではありませんでした。
所得層と生活習慣の項の数字をグラフにしましたので、一つずつ見ていきます。
◆肥満
男性は所得層(年収200万円未満、200万円〜600万円、600万円以上)に拠る差はあまりありませんが、女性では所得と肥満が顕著に反比例してい
ます。
◆朝食
朝食をとらない人の割合も低所得層ほど欠食が習慣になっていることが明らかです。
◆野菜の摂取
こんなに差がつくのかとおもうほど、貧しいと野菜の摂取量も少なくなります。
◆運動習慣
統計の数字がなぜか「運動の習慣が無い人の割合」となっています。
低所得層ほど運動の習慣がない、ゴルフやテニスなど一般的なスポーツも貧しいものには無縁と言うことです。
◆喫煙習慣
貧乏人は金が無いのにタバコは吸うのです。
因みに世界の喫煙率ワースト5(男性)は、ギリシャ(46.3%)、韓国(44.3%)、トルコ(43.8%)、エストニア(38.6%)、日本
(36.6%)です。
◆飲酒習慣
喫煙と同様に飲酒も低所得層ほど飲酒の習慣も多いのかと思っていましたが、こと飲酒に限っては所得の多いほうが酒も飲む率が高くなっています。
◆睡眠
「睡眠の質が悪い人の割合」とはむつかしい表現ですが眠れない、熟睡できないと言うことでしょうか。
男性では差が目立ちませんが、女性では低所得層ほどよく眠れないようです。貧しいほど悩みが多いと言うことでしょうか。
肥満の割合
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食生活(朝食欠食する人の割合)
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食生活(野菜の摂取量:グラム)
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運動の習慣の無い人の割合
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喫煙習慣のある人の割合
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飲酒習慣のある人の割合
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睡眠の質が悪い人の割合
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厚労省のレポートでは、調査結果の羅列だけで現れた数字の意味につい
て言及していませんが、この7つの要素を見るだけで低所得層(貧乏人)がいかに健康に悪い生活を強いられているかわかります。
貧乏人が好きこのんで健康に悪い生活をしているわけではありません。病気になれば蓄えのない家計はすぐに破綻することもよくわかっています。
厚労省は、政府はこんな調査結果をどのように理解しているのでしょうか。
こんな数字を見ても、低所得者層に厳しい負担となる消費税を上げるというのでしょうか?これは憲法25条の生存権の問題です。
福島県双葉町の井戸川克隆町長は野田首相に対し「私たち双葉郡民を日本国民と思っていますか?法の下に平等ですか。憲法で守られていますか?」と問いか
けました。
私たち貧乏人も、国に対して「私たちは法の下に平等ですか?」と迫らなければなりません。
<日本国憲法>
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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