12/07/30 朝日俳壇、歌壇より
MBS(毎日放送)のラジオ番組「たね撒きジャーナル」が終わるかもしれないとのこと、抗議ではなく番組存続のお願いのメールや電話が増えているようで
す。
もし興味がおありでしたら、視聴者センター(ちゃやまち広報
室)にご意見を書き込んでください。良心的な番組の一つが消えようとしています。
関西電力本店前での抗議デモの主催者(呼びかけ人)のTwitNoNukes
大阪と参加者の間で、労働組合の旗の持ち込みの
可否についてやり取りがあるようです。
TNN大阪側はデモに団体名だけ書かれた旗や幟を歓迎しないと主張し、労組側は日常活動の一つとして反原発に取り組んでいるからその象徴の組合名の書か
れた旗を掲げるのは問題ないのではとの主張です。中身はともかく、双方の紳士的なやり取りには好感が持てました。
それについて、イラストレーターの若野桂さんは下記のようにツイートされていました。
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KatsuraMoshino
@katsura_moshino
もし自分がデモを主催して、団体旗がどうしようもないくらい増えたら、いっそ自由にして、「再稼働反対!山田家一同」とか「子供をまもろう!◯◯幼稚
園」とか「内部被曝反対!◯◯青果店」とか、プラス思考でど派手にしたい。
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同感。
30日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇白
靴や旅人としてふるさとへ(岡山市・名木田純子:大串章選)
父や母、祖父や祖母に縁の「ふるさと」なら旅人として訪れるのも趣があるものでしょう。でも作者が生れ育った「ふるさと」へ旅人として訪れるのではずい
ぶんと違う意味を持つようです。
◇後輩へ語り部となり広島忌(船橋市・井上進:大串章選)
もう広島の原爆を語り部として語り継げるひとは相当な歳の方ばかりです。
お元気に語っていただけるうちに聴いて置かねばなりません。
ご自身の被爆体験を書かれた中沢啓治さんの「は
だしのゲン」が子どもたちにもお薦めの一編です。
◇海の日や語り部として元大使(芦屋市・酒井湧水:稲畑汀子選)
海の日と語り部、元大使の組み合わせが良くわかりません。
◇力士落つ粋な単衣の前にかな(奈良県広陵町・栗田秀子:金子兜太選)
TBSアナウンサーの安住紳一郎さんが名古屋場所の度にラジオで話している「白鷺の姉御」みたいな女性の前に落ちたのでしょう。
◇
白熊といふふるさと
のかき氷(川西市・上村敏夫:金子兜太選)
今では全国のコンビニでもスーパーでも買えるようになった鹿児島のご当地冷菓白熊は美味しくて大好きです。
◆朝
日歌壇
◇齢
(よわい)とは失いし歳月の数、生きているから失えるもの(福島市・美原凍子:高野公彦選)
美原凍子さんの半生をちょっと読んだことがあります。まさに波乱万丈の中で生きてこられた方だから生きる意味を詠えるのでしょう。
◇原発というおごそかな機器を抱き滅びへ向かう青き球体(名古屋市・南真理子:高野公彦選)
もう、日本も世界も、地球も駄目かも知らんと思うことが多くなりました。たちまちのこととして福島第一原発の4号機の使用済み燃料プールは今度地震があ
れば倒壊、日本全土が放射の塗れになることは間違いなし。「滅びへ」一直線のように思ってしまいます。
◇たった百三十七億年前に宇宙は誕生したのであるか(水戸市・檜山佳予子:永田和宏選)
だからどうしたと思いますが、「たった」が忘がたい歌です。
◇原価計算すれば一つが二千円の夫のキャベツは芯までいただく(堺市・梶田有紀子:永田和宏選)
男のすることなど、一玉二千円のキャベツなど当たり前かもしれません。私が半日掛かって作るカレーも一食はいかほどでしょう。芯まで食べられる食物は本
望です。
男の遊びには原価計算は向きません。そして手作りの喜びは味わえません。
◇
ふくしまはめげずに
生きるフクシマに背を向けないで目を見開いて(福島市・伊藤緑:佐佐木幸綱選)
先日紹介した室井佑月さんの反原発のデモに参加されての話にもありましたが、福島から東京のデモに参加した夫婦は「こんなに大勢の人が集まってくれて心
が一つになってうれしい」と言っておられたとか。
福島の人は自分たちが見捨てられているのではと思っておられるとのでしょう。
私たちは福島の人を見捨ててはいません。福島という土地ではなく、人々を見捨ててはいません。
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