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04/11/03 映 画「隠し剣 鬼の爪」

  今日、11月3日は「文化の日」で、現行の日本国憲法が公布された日です。
 改憲が政治日程 に上っていることに不安を感じておりますし、イラクへの派兵等現行憲法の条文がないがしろにされている現状に改めて憲法の意味を考える日 と なりました。

 休日を利用して 映画「隠し剣 鬼の爪」を見てきました。
 原作:藤沢周平、監督:山田洋次で評判になった前作「たそがれ清兵 衛」に続いて、舞台は幕末の東北の小藩・海坂(うなさか)藩で、下級武士の日常/非日常をとおして地方の藩にも及んでくる変動の時代を描いています。

 藤沢作品に出てくる海坂藩は、藤沢周平さんの故郷・山形の庄内藩をモデルにしていると言われています。
 10数年前から藤沢作品を読むようになり、海坂藩を尋ねて鶴岡に旅をしたことがあります。鶴岡城跡、旧致道館、湯田川温泉、善宝寺等を巡りました。城下 町鶴岡の街並みと 作品中の海坂 藩の街並みを重ね合わせて歩いたこと、周平さんの教え子が女将をする湯田川温泉の宿(久兵ヱ旅館)では、筍料理(孟宗汁)に 舌鼓を打ったことを思いだします。

 物語は、片桐宗蔵(永瀬正敏)と片桐家の昔の奉公人きえ(松たか子)を中心に描かれます。

 宗蔵は、油問屋に嫁いだきえが病に臥せっていて、ひどい仕打ちを受けていることを聞き、強引に連れ戻すのですが、原作では武家に嫁いだ義理の妹を連れ戻 すス トーリーだったように記憶しております。

 あっさりときえを連れ戻し、同輩の間では噂にはなりましたが、何事も無く再び奉公人として働かせるストーリーには少しがっかりしました。二つの藤沢作品 (隠し剣シリーズ「隠し剣孤影抄」に収録の「隠し剣鬼ノ爪」と「雪明かり」) を一つの物語に脚色されているため、原作を読んだ時とのギャップがあったり、少し冗長に感じる部分もありました。

 謀反の首謀者となった友人(同門で藩一の使い手)を討てとの藩命が下り、お約束の立ち回りとなります。殺陣はさすがに凄い迫力がありました。隠し剣・ 鬼の爪の秘剣振りも映像でないと表現できないものです。映画はすごいと思いました。

 前作「たそがれ清兵衛」は素直に楽しめましたが、今回は私の期待が大きかったのでしょうか、全体に扁平な感じを受けました。
 出演者では宗蔵の妹志乃役の田畑智子さんが好演でした。

 藤沢作品の中でも大好きな「蝉しぐれ」が昨年NHKの金曜 時代劇で昨年放映され、主演の内野聖陽さんが好演されました。
 このドラマの脚本を書かれた黒土三男さんの監督で映画「蝉しぐれ」が作られています。公開は来春の予定です。
映画「蝉しぐれ」公式サイト:http://www.semishigure.jp/
NHK金曜時代劇「蝉しぐれ」公式サイト:http://www.nhk.or.jp/drama/archives/semishigure/
 NHKからの再放送の情報です。是非、ご覧ください。
 89分×3に再編集したものを、以下の通り2日連続で放送する予定です。
 2004年12月29日
  第一回 19時30分〜20時59分
  第二回 21時15分〜22時44分
 2004年12月30日
  第三回 21時15分〜22時44分

 先日、書き込みました「中越地震」への支援について、支援 の物資は予想以上に届いているようです。その状況はスノーピーク社のサイト:http://www.snowpeak.co.jp/info/index.htmlに 報告されていますのでご覧ください。
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