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04/11/12 天皇の「お言葉」

  少し古い話ですが、10月28日にア テネオ リンピックの金メダリストたち等を招待して秋の園遊会が催されました。

 通年ですと、秋晴れの庭園で歓談する人々の姿が、季節の風物詩的なニュースと なって報道されるのですが、今年は随分と雰囲気が違ってしまいました。

 テレビのニュースは、天皇と元棋士で東京都教育委員の米長邦雄さんの会話を映像と明瞭な音声で放送しました。

 天皇:教育委員とし て本当にご苦労さまです。
 米長さん:日本中の学校に、とにかく国旗をあげて、国歌を斉唱させることが私の 仕事でございます。
 天皇:あー。
 米長:頑張っ ております。
 天皇:あ、や はり、あの、あれですね。その、強制に なるということではないからね、あの。
 米長さん:あー、もうもちろん、そうでございます。
 天皇:望ましいと。
 米長さん:本当に素晴らしいお言葉をいただき、ありがとうございました。

 米長さんが委員をする東京都教育委員会は石原都知事の下、04年春の都立学校の卒業式で「君が代」の斉唱の際に起立しなかった等との理由で教職員176 名と公立小中学校の教職員20名を戒告処分にしていました。

 米長さんは、都立学校等での日の丸の掲揚と君が代の斉唱を徹底すべき立場にいるので「日 本中の学校で国旗を掲げ・・・私の仕事でございます」との発言になったのでしょう。東京都教育委員にも関わらず「日本中」は少し勇み足でしょうが、なんと も素直な米長さんでした。

 いやいや、素直な馬鹿でなく、深謀遠慮があって「日本中の・・・」との発言に、天皇が「大変だが頑張ってくれたまえ」等とお墨付きをくれると思っていた との見方もできますが。

 自分の考えを否定されているにもかかわらず、「・・・すばらしいお言葉をいただき・・・」 と答えたのは、神のように「偉い方」 の「お言葉」は、無条件にありがたく頂戴するしかなかったのでしょうか?
 そうではなく、まったく予想だにしなかった「お言葉」に、頭が混乱して何を言っているのか分からなかったのかも知れません。

 天皇の「お言葉」と自分たちのしていることの矛盾をどのように考えているのでしょうか?

 米長邦雄さんは自分のホームページ内の「さわやか日記」という欄に園遊会のレポートをして いて、天皇から「 教育委員として本当にご苦労さまです」と声を掛けら れ、「はい。一生懸命頑張っております」と答えたと、世の中で評判になっている「お言葉」については触れられていませんので、矛盾は感じておられるので しょ うね。

 11月8日のテレビ朝日の報道ステーションに石原都知事が出演していて、キャスターの古舘さんと今回の天皇発言も話題になっていましたが、 結構楽しく見ることができました。

 石原都知事は、日の丸、君が代に関する先日の天皇の発言に「強制してるんじゃな いよ、指導をしているんだ」と発言していました。

 古舘キャスター:もう、自由にまかせればいいじゃないですか。
 石原都知事:自由にまかせる? そんな馬鹿なことがありますか。あなたね、どこ の国だって自由にまかせてやってませんよ。
 古舘キャスター:学校で日の丸掲げなくても、アジアカップで若者はこう、日の丸 振ってるから、まあ、いいじゃないですか。
 石原都知事:それはだね、サッカー見にいってるのは、小学生や中学生だけでな い、普通の大人もいるわけでしょ、わたしはそりゃあなたがおかしいと思うよ。どうかしてるんじゃないか、君。

 最後は、意味不明発言でした。
 石原さんも普通の老人と同じように興奮されると、自分でも何を言っているのかわからなくなられるのでしょうか?或いは老害では。

 皇太子の雅子妃に関する発言も、今回の天皇の発言も聞いていると、私たちと変わらない人たちであることに何かほっとします。
 昭和天皇の人間宣言から60年経って、皇族も人並みの発言が許されるようになってきたことは歓迎すべきことだと思いまました。

琉球新報社説
http://www.ryukyushimpo.co.jp/shasetu/sha29/s041030.html
米長さんのホームページ内のBBS(さわやか日記)
http://8154.teacup.com/yonenaga/bbs
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