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05/09/14 総選挙が終わって

 第44回衆議院選挙が終わりました。
 選挙の結果は、自公の与党連合が圧勝しました。

 選挙絡みの事柄をいくつか書いてみたいと思います。

◆詐術
 インターネット新聞JANJANにこんな記事がありました。「言葉の切り貼りが巧みな小泉首相 一専業主婦の雑考」を是非お読みください。

 小泉首相は
 「郵便局が、たった1つ無くなっても『無くなった』というのであれば、そりゃなくなるかもしれませんけれど、減るところもあれば増えるところもある、全 部なくなるわけじゃないのだから、無くなることにはならないでしょう」
  と、テレビの党首討論の場で発言したそうです。

 過疎の村で、採算が取れなければとっとと退散するのが民間企業でしょう。
 郵便局(郵便会社)が撤退した地域にすむ人にとっては「郵便局は無くなった」のです。

 小泉さんの一連の言動には脚本化が存在すると思っております。

 紹介したJANJANの記事をもう少し引用させていただきます。
--------引用始め---------------
 「息子は、交差点の出会いがしらのバイク事故で大腿骨を骨折し、頭を強く打ち、心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、病院の万全な受け入れ態勢のおか げで一命をとりとめ、今は、元気です」

 例えばこんな出来事も、小泉氏にかかると、躊躇いもなく「息子は元気ですよ」と省かれてしまうだろう。
 
 確かに元気に間違いない。この例文では、主語は「息子」、述語は「元気です」だもの。それに、息子は何でも食べるし、冗談に笑ったりもする。

 でも実際は、ギブスをはめた足を天井から吊り、検査を繰りかえし長期入院中。痛みもまだ相当だ。けれど、伝えた本人は、「僕は、嘘は言ってませんよ!」 と、その言葉は威丈高だ。
--------引用終り---------------
 この記事は、選挙の投票日前(9月7日)に掲載されたものですが、これからもキチンと彼らの行動を監視するためには、彼らの言動から本質を読む力を持た ねばなりません。

◆「政を為すは人にあり」(孔子「中庸」)
 政治評論家の森田実さんをご存知でしょうか?
 たまにテレビにもお出になっていますが、チャラチャラとした軽薄なタレント評論家と違い「筋」の入った方です。

 「森田総研」 というWebサイトの中にこんな記事がありました。

 郵政法案に反対した自民党議員、刺客を送られて落選した議員に思いを馳せて書かれています。
 その後段を引用させてもらいます。
--------引用始め---------------
 (前略)
 テレビの開票速報で小泉首相、武部幹事長らの勝ち誇ったような薄ら笑いを見ながら、議席を失った有為・有能な政治家のことを考え、彼らの無念さに思いを 馳せた。もしも彼らが今後も政治活動をつづけるなら、一ボランティアとして手伝いたいと考えている。彼らには、復活して日本国民のために働いてもらいたい と切に願う。
 それ以上に、日本国民は「小泉改革」という「ブッシュのための改革」を喜んで受け入れていいのだろうか。「小泉改革」の踊りを踊っていていいのだろう か、と考えざるを得ない。
 これらの友人たちは、日本国民を代表するにふさわしい大人物である。彼らが背負う苦難は、今の日本を象徴している。私も、これらの苦難のなかにいる友人 たちが背負っている困難をともに背負いたいと考えている。
 残念なことに、多くの日本国民は、欺瞞、偽善、独断の小泉政治を支持した。一刻も早く、悪い錯覚から醒めてもらわなければ日本の未来が危ない。
 私はこれから新たな戦いを開始する。
--------引用終り---------------
 前項に書いたようなトリッキーな詐術に騙されてはなりません。
 森田さんのように、今から新たな戦いを始めましょう。

◆増税・改憲の動き
 9月12日付け朝日新聞の夕刊に選挙結果をどう見るか識者のコメントが掲載されていました。

◇木村政雄さん(元吉本興業常務)
 与党連合は、漫才でいうところの「つかみ」がうまかった。
 郵政法案に反対した人を「守旧派」、自分たちを「改革派」と思い込ませた。

◇森永卓郎さん(経済アナリスト)
 三つのことが予想されるとして、
 ・大増税(消費税増額、所得税の控除圧縮)
 ・インフレ
 ・憲法改正
 間違いなく、この路線で進むのでしょうね。分かりやすいコメントでした。

◇高村薫さん(作家)
 無党派層はリベラルな人たちと思っていたのは勘違いで、実は彼らは「保守」だった。
 「だが、言論は無力だった。一部政治家とテレビが作り出すムードに無党派層が乗るという21世紀の政治の形をわかりやすく提示したという意味で、『9・ 11選挙』は文字通り歴史的だった」

 他に精神科医の香山リカさん、関学の森脇教授のコメントが掲載されていました。

◆郵政民営化はアメリカのシナリオ
 いつも紹介しているビル・トッテンさんのOurWoldにこんな記事がありました。

「民営化」は米国のシナリオ
 小泉さんは「郵便局の職員が公務員でいいのでしょうか」と少々ヒステリック気味に叫んでおりました。
 このように「民間にできることは民間に」と叫ぶことは、真の問題から国民の目をそらすためだと指摘されています。
--------引用始め---------------
 郵政を民営化するというアイデアはもともとウォール街が策定したことである。米国政府は(米企業の依頼で)一九八〇年代から、自民党に対して日米構造協 議において郵政民営化の圧力をかけてきた。具体的には九四年から日本政府に要望書を提出している。小泉首相が独裁者として振る舞い、解散をしてでも民営化 を実現しなければならなかったのは、おそらく米国に郵政民営化を約束しているからであろう。
--------引用終り---------------
 この記事も選挙投票日前に掛かれたものですが、是非お読みください。

 他にも書きたいこと、掘り下げたいこともあります。
 項を改めて書いてみたいと思います。
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