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05/10/27 自殺者数

 警 察庁は毎年、年間の自殺者の統計データ を発表しています。
 04年の自殺者の統計データは「平成16年中における自 殺の概要資料」です。

◆自殺者の特徴(発表資料から)
 ◇自殺者総数は32,325人で、前年比2,102人(6.1%)の減少
 ◇男女比は男性が72.0%
 ◇年齢構成は60歳以上(10,994人:34.0%)、50歳代(7,772人:24.0%)、40歳代(5,102人:15.8%)、30歳代 (4,333人:13.4%)
 ◇職業別では無職者(15,463人:47.8%)、被雇用者(7,893人:24.4%)、自営者(3,858人:11.9%)、主婦・夫(2, 690人:8.3%)
 ◇原因・動機別では、健康問題(14,786人:45.7%)、経済生活問題(7,947人:24.6%)、家庭問題(2,992人:9.3%)

◆自殺者数の増減の推移
 
自殺者が98年頃から急増している原因について「国民生活白書」(平成15年版)は以下のように分析している。(アンダーラインは引用者)

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 自殺者が増えている。自殺者数は1997年までは2万人台前半で推移していたが、98年に急増し3万人を超えるようになった。交通事故死者数が大きく減 少し、2002年には8,326人と年間1万人を下回るようになる中、自殺者数の増加は著しい。特に50代の自殺者の増加(90年比1.9倍)が顕著である。 自殺者の急増に対し、生命保険各社が自殺者に対して保険金を支払わない期間(従来は保険契約日から1年以内)を延長するなどの見直しを進めているくらい だ。自殺の動機の変化をみると、「経済生活問題」(90年比 5.4倍)の増加が目立つ。特に、50代の「経済 生活問題」による自殺者数は2001年で1,198人となり、極めて高い水準である個人破産申請件数が2001年(16万457件)は90年(1万1273 件)の14倍以上となっていること90年代に雇 用情勢が悪化していることなど、「経済生活問題」を抱える人自体の増加が自殺者増加の背景にあると考えられる。
 また、90年代後半には、30〜50代を中心に「勤務問題」を理由に自殺している人も増えている(90年比1.7倍)。雇用調整が進み1人当たりの仕事量が増加し、責任が重くなっていることも自 殺者数の増加の原因のようだ。特に、30代は週60時間以上働いている人の割合は2001年度で22.6%(総務省「労働力調査」:全産 業、男性)と他の年代と比べて高く、過労自殺として労災認定された件数も2001年度に11件と、全年齢(31件)の3割以上を占めている。企業の新規採 用抑制などにより、30代の仕事の負担が高まっていることが考えられる。
 また、自殺の原因については、統計に現れないさまざまな要因も影響しており、増え続ける自殺を予防するため、相談体制の整備、自殺予防対策の普及・啓 発、企業のメンタルヘルス事業の支援など、幅広い観点からの対策の充実が求められている。
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 ◇年齢層は50歳代が増加している
 ◇原因は「経済生活問題」
 ◇自己破産件数が増えている
 ◇雇用情勢が悪化している
 ◇一人当たりの仕事量が増え、責任も重くなっている

◆各国との比較
 WHOの統計データによると日本の自殺者数は、先進各国(OECD加盟国)に中ではずば抜けて高い数値です。

 
 ※男女の自殺者数(10万人当り)の合計値で並べ替えています。(引用者)

◆自殺の原因
 
   ※78年の自殺者数を「1」とした場合の増減の推移

◇「経済生活問題」が原因で自殺する人の数は78年からの26年間で4.67倍に、「勤務問題」での自殺者は2.07倍に増加している。
 これは、前記「国民生活白書」が分析するようなことが原因であると考えられる。

◆自殺を防ぐために
◇厚生労働省は自殺防止対策有識者懇談会の報告として「自殺予防に向けての提言」(平成14年12月)を発表しています。
 自殺予防対策として下記のような項目をあげています。詳細は「提言」をご覧ください。
 ○普及・啓発や教育
  ・心の健康問題に対する正しい理解の普及・啓発
  ・児童・思春期における留意事項
 ○危機介入
  ・うつ病対策
  ・児童・思春期における留意事項
  ・電話による危機介入の充実
  ・手段から見た自殺予防

 厚生労働省のレポートであるにもかかわらず、 「自殺」の原因を個人の精神的・肉体的病気としての捉え方しかしていないところは、厚生行政と労働行政の隙間をなくすための改革(統合)だったのですが、 相変わらずのセクト主義的なレポートです。

 自殺は、社会の病巣の現われとの捉え方をして欲しいものです。

◆銀行系サラ金のテレビコマーシャル
 「キャッシュワン」「アットローン」「モビット」等、大手銀行の名前とキャッシングサービスの名前を連呼するようなテレビコマーシャルや、電車の車内広 告等があふれています。

 「ご利用は計画的に!」と言われても、計画的にお金を管理できるような人や、サラ金などあてにしなくともよい人は、わざわざ高利のサラ金など利用しませ ん。
 お金の管理がルーズな人や、生活費に事欠く人が利用するのです。
 そして自己破産していくのです。

 ○大手銀行系のサラ金
 ・東京三菱銀行:DCキャッシュワン
 ・UFJ銀行:モビット
 ・三井住友銀行:アットローン
 ・三井住友銀行グループ・プロミス:プロミス
 ・シティバンク銀行グループ・シティカード:カードローン
 ・新生銀行グループ・アプラス:NEWスピリッツAカード

 サラ金業界、業者からの献金が届いている政治家には無理かもしれませんが、是非規制をして欲しいものです。

 サラ金業界の政治団体「全国貸金業政治連盟(全政連)が自民、民主の政治家12人と自民党の派閥のパーティ券の購入などしていたことが、昨年(04年) の政治資金収支報告書や全政連の文書で明らかになったそうです。
 「サラ金業界が政界工作『金利40%』を目標に 全政連 パーティ券大量購入」(しんぶん赤旗05/10/2)

◆ローザ・パークスさん死去
 アメリカが人種隔離政策をとっていた1955年12月、アラバマ州モントゴメリーの市バス内でパークスさんは。白人から席を移動するよう求められたこと を拒否したために逮捕・収監された。
 この事件をきっかけにマーチィン・ルーサー・キング牧師らが市バス・ボイコット運動を起こし、連邦最高裁判所は翌56年、これらの差別に対して憲法違反 の判断を下した。
 「公民権運動の母」と呼ばれていたローザ・パークスさんが24日死去した。92歳だったそうです。

 朝日新聞の「天声人語」(05/10/27)に「バスの席から動こうとしなかった時の思いを(パークスさんは)こう記す。『私は白人のいいなりに なることに疲れていたのです』(『黒人の誇り・人間の誇り』サイマル出版会)

 「二人(パークスさんとキング牧師)の出会いから半世紀、『いいなりにならない』勇気は今もなお新しい」と書かれていました。
 誰か彼のいいなりにならない「自由」でありたいですね。
 
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