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06/02/26 どうする民主党

 一時は自民党への大打撃かと思われた民主党の永田議員の「爆弾」質問が 急速にしぼみつつありだけでなく民主党存亡の危機になりつつあります。

 私は民主党に何も期待してはおりませんが、耐震強度偽装問題、牛肉輸入問題、ライブドア問題、防衛庁汚職と問題山積のこの時期に、国民の目を反らすため に演じられたような 茶番劇に呆れかえります。
 相変わらずの民主党です。

 この問題についての各紙の社説を見てみます。

◆「民主 党  出直して信頼を取り戻せ」(産経新聞 06/02/24)
 「民主党の対応はきわめて姑息(こそく)で、拙劣といわざるを得ない。メール疑惑を棚上げにする限り、民主党は国民の信頼を取り戻せない。執行部は出直 しを考えるべきである」
 と厳しく指摘しています。

 全くその通りだと思います。
 民主党の永田議員が振りかざして鬼の首を取ったように質問していたメールのプリントの真偽も確認せずに国会で質問するとは、発言者本人の責任以上に民主 党の責任が重大です。

 「メール疑惑での情報分析の甘さや対応の未熟さを正面から見据えないような姿勢では、政権担当能力を持つ政党とはとてもみられまい」
 民主党に政権担当能力があるとはとても思えません。
 さすがに産経新聞は民主党の前原代表が集団自衛権の行使の必要性を主張したことは評価したいと書いています。
 自民党と余り変わらなければ「政権担当能力がある」というのが産経新聞の主張のようです。

 「前原氏は昨年末の訪米・訪中で中国の軍事力増強を『脅威』と明言し、集団的自衛権の行使の必要性を主張した。党運営では基本政策をめぐる不一致の露呈 を 恐れるあまり、結論をあいまいにしてきた従来の体質を払拭(ふっしょく)しようとした努力は評価したい。」

◆「迷走 民 主党 けじめをつけて出直せ」(朝日新聞 06/02/24)
 「国会という公の場で、個人を名指しして追及のこぶしを振り上げた以上、その根拠が揺 らいだのなら何らかの形で責任を明らかにするのは当 然のことだ。」
 そのとおりです。
 民主党は責任をとるべきです。明確に。
 国民を馬鹿にしていては政権など取れるはずがありません。

 「執行部は発言の訂正や撤回、謝罪も含めて責任を明らかにする必要がある。」
 人は過ちを往々にして犯します。そして、人の値打ちは過ちを犯したときに出てきます。

 「民主党がこんなていたらくでは、国民の期待にはとうてい応えられない。与党内で求心力の衰えが言われる小泉政権を利す るばかり」
 にんまりとした小泉首相の顔が目に浮かびます。

◆「『真偽』の問題から焦点をそらすな」(読売新聞 06/02/23)
 「民主党は、メールが本物であるという証拠を何一つ示していな い。口座名や口座番号を把握している、と公言しながら、これまた一切明らかにしていない。」
 このコラムを執筆時点(25日夜)でも、前原代表は、未だに「我々が闇の部分を解明していくために引き続き頑張っていく」等ととボケたことを言っている ようです。

 「国政調査権と絡めることで問題を引き延ばしては、メールの真偽も含めた真実の解明が遠のく。まさか、民主党は、それを狙っているのではあるまい。」
 読売新聞の指摘は明快です。
 国民の目をそらすことを狙っているのでしょうか?
 かなり高等な戦略です。間延びしたような民主党幹部の顔を見ている限りそんな高等な戦力ができるような連中とは思えませんが。

◆「永田議員 辞任騒ぎより説明が先だ」( 毎日新聞 06/02/24)
 民主党が永田議員を「精神的に不安定」だから休養させると、某所に匿っていると25日には報道されています。
 姑息な手段です。
 身柄を隠すなら、代弁者がきちんと説明すべきです。私には口封じに見えてしまいます。

 「自ら国会の場に持ち出した問題で真偽の白黒をつけずに、分が悪くなると、一方的に辞意をもらすのは、あまりにも子どもっぽい振る舞いと言わざる を得ない。勉強しないことを親からしかられた子どもが「そんなら家出してやる」と駄々をこねているのに似ている。国会議員としての誇り、自覚はあるのだろ うか」
 当初の国会での質問の態度も「子どもっぽい」演出でした。

 「国会で質疑することと、テレビの討論番組で軽いおしゃべりをすることとは、意味合いも重みも違う」
 「お調子者がキャスターの挑発に乗って無責任な言葉をまき散ら す。国会議員はタレントではない」
 長田議員の質問は、床屋談義ですね。
 「国会議員はタレントではない」ではなく「タレントが国会議員のバッチを付けている」の間違いでしょう。
 事件や事故をバラエティーし、スポーツをバラエティーにし、今は政治をバラエティーにしているこの国のマスコミの罪も大きいと思います。

◆「民主党は明確なけじめ示せ」(日経新聞 06/02/24)
 「民主党は明確なけじめをつけて、出直す必要がある。」
 そのとおりですね。
 「明確な」けじめがないと国民の信頼を失うでしょう。
 メールのプリントの入手の経緯から、国会での質問にいたる経緯を国民の前に明らかにする責任があります。

 党首討論でも前原代表はメールの真贋には言及せず、資金の移動があったことやその口座まで情報をもっているようなことを言っていました。
 何日経っても、資金移動の実体や口座が明らかにされない状況では、党首討論時の発言は国民を愚弄しているものです。

 「永田氏の辞意騒動で、(耐震偽装関連での伊藤元国土庁長官の審査をした)政倫審の審査はすっかりかすんでしまった。
 そうです。今回の事件は、重要な問題を国民の目からそらすための目くらましに民主党が一役買っているという大きな問題です。


◇各紙の論調はほぼ同じです。
 ・問題山積の国会での議論を阻害している
 ・明確なけじめをつけること
 ・過ちの経緯を国民の前に明らかにすること
 ・民主党執行部の対応は、与党を利するだけである

◇未だに、民主党の国会議員がバラエティー番組に出て他人事のような発言を繰り返しているのを見ていると民主党が政党としての機能を持っていないのではな いかと思います。税金である政党交付金を受け取るためだけのトンネル組織ではないでしょうか。

◇民主党は先の総選挙から下記のように事件が続いています。3つの議席を失っています。
 有権者に対する責任はどうするのでしょうか。
 民主党の構造的な問題だと思います。
 ・五島衆議院議員が公選法違反により辞職
 ・小林憲司前衆議院議員(落選)が覚せい剤で逮捕
 ・西村慎吾衆議院議員が弁護士法違反等で逮捕され民主党を除籍されたが、未だに議員に留まっています。
 ・木俣佳丈参院議員傷害容疑で書類送検され離党

◇今回の騒ぎは、民主党の政権担当能力に改めてNOの答えがでたこと、危機管理能力がまったくないこと、私たちは彼らに期待できないことを明らかにしてく れた事件でした。
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