06/04/01 傀儡国家
経済評論家の森永卓郎さんが日経BP社のWebサイトの連載の「民主党に成り代わっ
て『4点セットプラス1』を問う 〜国民のためにいち早く政界を再編し、問題を根本から解決せよ〜」
を紹介します。
民主党のニセメールによる目くらましで、国民の目から隠されてしまったいわゆる4点セット(防衛施設庁官製談合、ライブドア事件、米国産牛肉輸入問題、
耐
震強度偽装事件)の本質と、プラス1として「格差の拡大」を取り上げられています。
◆4つの問題の根源は「『対米全面服従外交』の“成果”なのである。 」といわれています。
森永さんが言われているように日本の「対米全面服従外交」は、日本が米国の傀儡国家であるの証明です。
◆「防衛費の使い道は、日本の防衛力を高めるためよりも、米軍へのサービス提
供がその主たるもの」だそうです。
小泉内閣は「聖域なき構造改革」といっていますが、宗主国・アメリカに媚びへつらうための「聖域」は別だったのですね。
新に沖縄の在日米軍のグァムへの移転費用100億ドル(1兆7000億円)の75%の負担を要求されています。
1978年〜2005年の間にアメリカ軍が駐留しているために日本が負担した基地周辺対策費、基地交付金等の経費は12兆9600億円になるそうです。
(先日成立した06年度の一般会計予算は79兆6860億円です)
日本がアメリカの従属国・傀儡国家であることの証左の一つです。
◆「小泉自民党がアメリカの言うがままに法律や制度を変え、世論をうまく誘導してきたから」「日本はアメ
リカの都合のいい国に作りかえられてしまった」
小泉内閣が掲げてきた新自由主義とは彼らが決めた法律に触れなければ金の力で何をやっても構わないというような考え方です。
社会に有用な製品やサービスを提供することが企業の価値ではなく、株価の高さが企業の価値であったり、従業員や取引先より株主が大事というような市場原
理主義が蔓延しする世の中では、ライブドアの堀江社長(当時)のような鬼子が生まれることは必然だったと思います。
そんなライブドアの社長を実質的な与党の候補者として擁立し応援してきた責任は問われなければなりません。
民主党のニセメール事件は、見え隠れしていたライブドアと与党の如何わしい関係を闇の中に葬ったという重大な意味を持っていたと思います。
◆輸入を再開された米国産牛肉に危険部位が混入していたことは「アメリカが日本を完全にナメていることを証明し」ました。
このことほど、明確に「日本がアメリカの従属国」であることを証明した事件はありません。
この国にリーダーたちの売国奴ぶりを発言で確かめてください。
▽小泉首相
「不安だと‥‥思う‥‥人は‥‥食べなければ‥‥いい‥‥」
「再開したばかりなのに残念ですね」
▽武部自民党幹事長
「ちゃんと発見できたってことは、それだけ日本の検査がきちんとしてるってことだ」
▽吉野家・安部社長
「輸入再開に全頭検査が必要だとする考えは合理性を欠く」
「親から喰うなと言われても、食べに行くのが吉野家の牛丼」
▽牛丼チェーン・すき家を運営するゼンショー(吉野家と対照的です)
「今のままでは全頭検査をしない限り、危険すぎて消費者には提供できない」
「お客様の命に関わる危険性があるため、すき家ではアメリカ産牛肉は使用しません」
▽[番外]マイク・ジョハンズ米・農務長官
「食料品店に行く途中で “交通事故” に遭う確率の方が、店頭で買った牛肉で被害を受けるよりも高い」
▽[こいつもついでに]米下院農業委員会・委員長
「ブレーキ故障がいくつか見つかったからと、日本車の輸入を全面禁止するようなものだ」
◆「新自由主義が目指す『小さな政府』が、耐震データ偽装問題という犯罪の温床となった」
誰が見ても耐震強度偽装事件の元凶は規制緩和です。
国民の生命と財産に直接的に関わることを営利企業にさせれば「私利」に走るのは自明のことであります。
JR西日本の福知山線脱線事故も公益よりも「私利」に走った結果です。
◆「自民党の右派と民主党の右派が合同し、それ以外がまた合同する――そうした基準で一刻も早く2大政党を組み直してほしい」と書かれています。
2大政党制は政権交代の機会があり国民にとって良いとの考え方には賛成できません。
自民党左派と民主党右派が合同した政党が政権を取ったから何が変わるのでしょうか?
政治は、大多数の国民の目線で行われるのか、一部の金持ちのために行われるのか、この二つの選択肢しかないのではないでしょうか?
仮に、今の民主党に政権が移ったから何が変わるのでしょうか?
日本がアメリカの従属国ではなくなり真の独立国となるのでしょうか?
憲法改正が遠のくのでしょうか?
◆昨夜(31日)のニュースでは民主党の
ニセメールに関するレポートが公開されています。また、自民党よりもタカ派といわれた前原代表の辞任、馬鹿・永田
も辞職するそうです。
調査レポートは何れコメントしたいと思いますが、数ページ読んだだけで民主党の「官僚的」な姿が垣間見えました。
このレポートの最大の問題は「誰が」「誰に」「何を」報告しようのかが分かりませんでした。
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