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06/08/27 映画 「蟻の兵隊」
 休日に、梅田まで出かける用事があり、 十三(じゅうそう)の第七藝術劇場で「蟻の兵隊」を見てきました。

 「狩り出され、侵略戦争に加担した者は神にはなれない。そんな誤魔化しは許さない」
 冒頭に靖国神社をバックに、この映画の主人公・奥村和一(おくむら・わいち)さんが語る言葉が印象に残りました。

 小泉首相は最後っ屁のように8月15日の終戦記念日に靖国神社に参拝しました。
 「8月15日を避けても、いつも批判、反発です。いつ行っても同じ。ならば、今日は適切な日だなと」と発言していたそうです。

 奥村和一さんの言葉と小泉首相の言葉の重さの違いは何でしょう。
 人としての重さの違いではないでしょうか。

◆ストーリー
 1948年8月15日の日本のポツダム宣言受諾(敗戦)後、4年間も中国の国内での国民党軍と共産党軍との内戦を戦った人たちがいました。
 4年間の戦いでおよそ550人の兵士が死んでいる。
 奥村和一さんたち元残留兵は、当時の軍司令官の命令で残されたのだと、軍人恩給の支給などを求めてきたが、国は「自らの意 志で残留し勝手に戦争を続けた逃亡兵」として、彼らの要求を拒みつづけてきました。

 奥村さんたちの主張を認めることは、日本がポツダム宣言に違反してきたことを認めことになるからです。

◆靖国神社
 初詣の時期、終戦記念日などの靖国神社の映像がありました。

◇靖国神社がどんな神社がわからずに脳天気に初詣を楽しむ若者たちに奥村さんが語りかけていきます。
◇特設の演台の上ではルバング島からの帰還兵小野田元少尉が「英霊は・・・」と演説をしています。
 奥村さんは会場を出る小野田さんに「小野田さん、小野田さんは侵略戦争を美化するのですか!」と呼びかけます。
◇終戦の日でしょうか、何かの祭礼の日でしょうか、戦闘服など軍服を着た人たちが日章旗や旭日旗を掲げ、軍歌を歌ったりアジ演説をしたりしています。
 戦前にタイムスリップしたような、亡霊を見るような感じがしました。

◆戦争の責任
 奥村さんは初年兵教育と称して、上官の監視のもとで中国の民間人を銃剣で殺させられます。
 中国山西省のその場所を訪ねた奥村さんは「誰が何人殺したとか殺さなかったとかの問題ではないのです。戦争がそうさせたのです」と語ります。
 戦争が普通の人間を殺人者・殺人マシンに変えていくのですね。

七藝
 予告編や会報から観たい映画を紹介しておきます。(上映予定はWebサイトでご確認を)

◇「かぞくのひけつ
 七藝は経営上の諸問題で1999年5月から3年ほど休館していました。地元商店などの支援を受けて再開されました。
 そんな七藝(ナナゲイ)の再出発を記念して大阪の下町・十三(じゅうそう)を舞台にした映画が作られました。「コテコテの大阪発映画」だそうです。

 紹介サイト
 ▽「大阪・十三を舞台に人情喜劇の映画 今秋公開へ」(朝日新聞 06/05/16)
 ▽「ありのままの十三!濃密な人たち」(毎日放送Voice 06/06/06)

◇「六ヶ所村ラプソディー
 青森県六ヶ所村は核燃料サイクル基地の村です。
 「核燃の大地に咲く花 ここに私たちのくらしがある。」

◇「DeaPyongyang(ディア・ ピョンヤン)
 朝鮮総聯の幹部だった父は北朝鮮への帰国事業で3人の兄を彼らが見たこともない「祖国」に送った。
 大阪の下町に暮らす家族の日常を追いかけたドキュメンタリーです。

◇「そうかもしれない
 「どんなご縁で、あなたに、こんなことを・・・。」
 認知症の兆候が現れだした妻、ガンが発見された夫、それぞれ特別養護老人ホームと病院に別々の暮らしを始める。
 雪村いづみさんと桂春団冶さんが主演だそうです。

◇「三池 終わらない炭鉱(やま)の 物語
 明治、大正と日本の近代化には石炭が日本のエネルギーの主役でしたが、昭和末期、平成になって閉山が相次ぎました。
 日本最大の炭鉱であった三井三池炭鉱の労働争議、組合潰し、炭塵事故、、証言を綴ったドキュメンタリーです。

 ※奥村さんの発言は映画を見た時の記憶ですので誤りがあるかもしれません。

◆サラ金
 サラ金絡みのニュースがありましたので紹介します。

■サラ金大手のアコムが、契約締結時に金利や返済期間など契約内容が書かれた書類を客に渡さなかったなど貸金業法違反の疑いで金融庁が立ち入り検査をする とのニュースがありました。
 「アコム異例の再検査 金融庁、週内にも 違法融資の疑い」(朝日新聞 05/08/23)

■サラ金各社は、借り手の知らないまに生命保険を掛け、借り手の死亡時に保険金を担保としているらしいのですが、生命保険への加入を殆どの人が気付いてい ないことについて、本人の同意の確認を徹底するよう金融庁が指導したとのニュースがありました。
 「消費者金融借り手の生保加入、同意徹底へ 金融庁が指導」(朝日新聞 06/08/24)

◇マスコミは、サラ金を「消費者金融」などと呼称してサラ金の本質を曖昧にしないで「サラ金」と呼称して欲しい。
◇若い女性を使ったサラ金のテレビCMは若年層のサラ金利用を促進しています。テレビ局はサラ金CMの放送を止めて欲しい。
◇生命保険各社は、命を担保にし借金を苦の自殺を助長するような商品の販売を止めて欲しい。
◇三菱UFJや三井住友など大手銀行も、サラ金同様の弱者相手の金貸しを止めて欲しいものです。
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