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06/10/05 地方紙を見る
 全国39の地方新聞社が参加する「今日のニッポ ン」 というサイトがあります。
 地方新聞好きには地方紙の見出しが一覧で見ることができる手軽なサイトです。
 今日はそのサイトの[今日の注目]という見出し一覧からいくつかを紹介します。

◆栗東市議会が控訴を可決、民主党は立場を明確に
 東海道新幹線の新駅建設に必要な迂回線路の工事費に当てるための地方債の発行差し止めを命じた大津地裁の判決を不服として控訴する議案が滋賀県の栗東市 議会で可 決されたそうです。

 差し止め訴訟の原告である共産党市議3人は地方自治法の定めにより退場し、議長を除く議員15人で採決した結果、全議員が控訴に賛成した。

 「見直しを掲げる栗東市民ネットワークの市議は『新幹線はあきらめない立場。高裁でもう1度判断してほしい』と話し、見直し会派の栗政会の市議は『全国 初の判決であり、上級審まで審議されるべき』と賛成した理由を説明した。」(引用)

 「栗東市会が控訴議決 新幹線新駅訴訟 全員賛成で」(京都新聞)

 見直しを掲げる人たちが「新幹線はあきらめない」とは矛盾した発言にもびっくりですし、記事にしている新聞も矛盾を感じないのでしょうか。
 共産党を除く全会一致とは不思議なことです。民主党系会派の栗東市民ネットワークは建設慎重派ではないのでしょうか。

 10月15日告示の栗東市長選挙には次の各氏の出馬が予想されています。
 推進vs反対、曖昧な態度の民主という構図です。

 ◇推進派:現職の国松正一さん
 ◇反対派:「新しい栗東市政をつくる会」推薦の杉田聡司さん
 ◇慎重推進派:「栗東市民ネットワーク」の前市議の田村隆光さん

 民主党は先の滋賀県知事選で新駅推進派の現職候補を支持し、凍結を公約にした嘉田氏が当選すると「慎重」などという言葉を使い嘉田知事に擦り寄っていま す。民主党らしいことですが、余りにも無節操です。

 10月2日現在の栗東市議会の会派の構成は以下のとおりです。(▼は控訴に賛成した会派)
 ▼新政栗東(6人):自民党系会派:推進強硬派
 ▼栗政会(5人):自民党系会派:強行推進派の新生栗東より分裂
 ▽日本共産党議員団(3人):反対
 ▼栗東市民ネットワーク(3人):民主党系会派:駅建設は凍結の姿勢
 ▼公明栗東(2人):推進派

 民主党が二大政党の時代とか、政権交代と叫んでも空々しく虚しいことです。

◆飲酒運転警察官、これは病気
 富山県警の52歳の巡査長が飲酒運転で摘発されていた問題で、富山県警は摘発を公表せず、県議会にも報告しておらず、岸田憲夫警務部長は「処分決定後に と考えていた」などとふざけた発言をしているそうです。

 甘々の処分(停職6ヶ月)が決定されたが、巡査長は処分発令日付けで依願退職するそうです。
 ばかげた話です。この巡査長には退職金が満額支給されることでしょう。

 「飲酒警官停職6ヵ月 きょう依願退職」(北日本新聞)

 この事件で、巡査長の当日の行動が報道されています。
 ▽9月25日9時30分:南砺市内の交番で勤務明け
 ▽9月25日 ??  :コンビニに立ち寄り、紙パック入りの日本酒(180ml、2本)を購入
 ▽9月25日 ??  :スーパーに行き、刺身を購入し、スーパーの駐車場で刺身を摘みに日本酒を飲んだ。
 ▽9月25日 ??  :高岡市内のパチンコ店に移動、パチンコをする。
 ▽9月25日 ??  :コンビニでカップ酒(180ml、2本)を買って駐車場で再び酒を飲んだ。

 私もそこそこのアルコール依存症ですが、この巡査長の場合はかなりの重症です。
 駐車場の車の中で刺身を摘みに、カップ酒を煽るように飲んでいる姿は異様な光景です。

 この巡査長は重度のアルコール依存ですから、日ごろの行動や生活習慣など外的な症状が出ていたと思われます。
 家庭や職場の人たちは、この男性をもっと早く助けてやれ な かったのでしょうか。
 本人の責任は当然ですが、職員の健康管理を怠った富山県警の責任も重いです。

 アルコール依存症は病気です。

◆いつまで沖縄を犠牲に
 日米政府が合意したアメリカ軍の最新鋭のミサイル・パトリオット(PAC3)が沖縄の嘉手納基地に運び込まれているそうです。
 29日23時30分ころ那覇軍港にパトリオットミサイルと関連装備を積んだと思われる大型民間輸送船が接岸した。
 10月2日から深夜帯に、約500台の軍用車両に搭載して国道58号線を嘉手納基地の搬入するそうです。4、5日かかるそうです。

 沖縄の人たちの声です。

◇米軍嘉手納基地を抱える沖縄市の東門美津子市長
 「報道が事実ならば許せない。沖縄市側に配備するといわれるが、国からは何の連絡もない。地元に情報がない中で、事が進む状況に怒りを感じる」

◇那覇市のアルバイトの女性(24)
 「県民の心の中には、どこかあきらめに似た気持ちがあるかもしれない。でも、将来の子どもたちに『知らないうちに基地ができていた』とは言いたくない」

◇うるま市の知念恒男市長
 「基地強化のために桟橋を使ってほしくない。跡地利用や基地従業員の身分など、県民が求める問題解決は進まないが、基地ばかり強化されていくことは理解 し難い」

◇嘉手納町議会の田仲康榮基地対策特別委員長
 「市民の目を盗んで深夜から未明にかけて運搬することは、県民の怒りを米軍が知っているからだ」
 「嘉手納には爆音被害があり、これ以上の基地負担は限界だ」

◇嘉手納町屋良の元高校教諭知念正直さん(71)
 「嘉手納基地から先制攻撃し、敵のミサイルは撃ち落とすということか」
 「嘉手納基地が戦闘態勢を構築したことでは。恐怖を感じる」

◇沖縄市知花自治会の浦崎清子会長
 「基地がある以上、外国から狙われる可能性がある。無防備では危険だという意見もあり、どう対応すればいいのか」

◇地対空誘導弾パトリオット(PAC3)
 ミサイル防衛(MD)の主要装備の一つ。大気圏に再突入した弾道ミサイルを地上から迎撃するミサイルで、射程は20キロ程度とされる。イージス艦から発 射する海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と併用すれば、SM3が上層(大気圏外)で撃ち漏らしたミサイル弾頭をPAC3が撃つ2段構えの態勢が整う。日本 側も本年度から埼玉県の入間基地などに配備する予定。

 「パトリオット搬送/連夜の「大行軍」62台」(沖縄タイムス)

◆西日本新聞
 宅配便の詰め物として西日本新聞の9月22日から25日の朝刊が出てきました。
 新聞好きの筆者は早速、広げてみてみました。

◇蟻の兵隊
 9月22日付けには映画「蟻の兵隊」が福岡映画祭で話題になっていると、24日付けでは監督の池谷薫さんのインタビュー記事が掲載されていました。

 池谷さんと「蟻の兵隊」の奥村和一さんと出合いは、中国の文化大革命の悲劇を描いたドキュメンタリー映画「延安の娘」の上映がきっかけだったそうです。

 池谷さんは「これは『記憶と戦う男』の映画であり、記憶を抹殺しようとするものに立ち向かう物語。六十年前の話だが、まぎれもなく今の時代に通じてい る。特に、一人でも多くの若者に見て欲しい」と語っておられます。

◇渥美清さん
 9月23日の1面下のコラム「春秋」に渥美清さんのことが書かれていました。
 少し引用します。

 <引用>(引用者が改行しています)
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 きょうは彼岸の中日。先祖を思い、故人をしのぶ。しのぶ気持ちを日本人として一つにできる故人の一人に渥美清さんがいる。ことしは没後十年。

 映画「男はつらいよ」シリーズで二十六年間も寅さんを演じた。フーテンの寅さんが気ままに商いの旅をする列島各地も、ふらりと帰ってくる葛飾柴又も、風 景はどこも人情の草花に縁取られて素朴に心にしみた。

 まっすぐな寅さんと泣き笑いをともにした何十人のマドンナと柴又の人たち。金銭的には豊かでなくてもみんな懸命に生きていた。勝ち組負け組の色分けなど に忙しい昨今の日本人を知ったら、寅さんなら何と言うだろう。

 「それを言っちゃ、おしまいよ」などと多弁な寅さんになりきった渥美さんは、役を離れると寡黙な男にこもった。「死に顔は他人に見せるな」と遺言し、葬 儀は夫人と二人の子どもだけで営まれている。公表されたのは三日後だった。

 NHKテレビが先月、渥美さんの特集をしていた。シェークスピア劇を演じることのできる日本ではまれな役者だったのに、と著名な脚本家はしのぶ。本人は 漂泊の俳人尾崎放哉(ほうさい)をやりたかったという。

 放哉は結核に倒れている。渥美さんも下積み時代に結核を患い、晩年はがんとの闘いを伏せて寅さんを演じ続けてた。俳句もたしなんだことはあまり知られて いない。俳号は「風天」。句会で最後に詠んだのは<お遍路が一列に行く虹の中>だったそうだ。
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 <引用終り>一部引用のつもりが全文引用しました。

 「男はつらいよ」はテレビドラマのころからのファンでした。
 毎年、盆正月の楽しみの一つでした。

 渥美清さんの尾崎放哉、見たかったですね。
 放浪、漂泊の俳人をどのように演じたのでしょう。

 「スマイルニュース」というサイトに「寅さんファンクラブ」会長の松井寿一さんの言葉が紹介されています。

 <引用>
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 渥美さんの俳句に「山吹きいろ、ひまわりきいろ、たくわんきいろ、生きる楽しさ」というのがある。俳号は「風天」で自由律俳句を詠んでいる。放浪の俳 人・種田山頭火と尾崎放哉が好きで、その役をやりたいと早坂暁さんに頼み、二人で山頭火と放哉の足跡をすべて踏破していた。しかし早坂さんの台本ができた ときには、渥美さんはこの世にいなかった。お別れ会で「帰ってきてほしい」と呼びかけた早坂さんの悲痛な声がいつまでも耳に残っている。
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 <引用終り>

 渥美清さんの没後、渥美さんが紙上句会に参加していたアエラ誌が「追悼渥美清さん」というの特集をしたそうです。
 その中には45句の風天の句が掲載されていたそうです。
 こちらのサイトに全45句が紹介されています。
 私の好きな句を数句紹介します。

 ▽村の子がくれた林檎ひとつ旅いそぐ

 ▽花冷えや我が内(うち)と外(そと)に君の居て

 ▽ひとり遊びなれし子のシャボン玉

 ▽うつり香の浴衣まるめてそのままに

 ▽月ふんで三番目まで歌う帰り道

 ▽手袋ぬいであかり暗くする

◇巨大市議会
 9月24日付けに「議員85人巨大飯塚市議会」という記事がありました。
 飯塚市のWebサイトに議員名簿があります。議員定数86人(1名欠員)がずらりと名を連ねています。

 1市4町が合併し、合併に伴う特例法により旧市町の議員がそのまま、08年3月までの2年間在職するのだそうです。
 議会を解散して、議員定数を減らして新たな市議会議員選挙をしようと住民投票の実施を市民グループが行っている。

 合併特例法の甘い汁に群がって合併をした市町村では同様のことが起っていることでしょう。
 議会制民主主義の適正な代議員数ってどれくらいなのでしょう。
 因みに飯塚市では1500人に一人の市会議員だそうです。

◇長谷川集平さん
 長谷川集平さんが、子どもを巡る凄惨な事件が絶えない時代に子どもにむけて「デビルズドリーム」という 本を上梓されたという記事(23日付け)がありま した。

 長谷川集平さんは森永ヒ素ミルク事件を題材にした絵本「はせがわくんきらいや」を子ど もの幼いころに読み聞かせたことを思い出します。
 毒入りミルクを飲ませた「はせがわくん」のお母さん、何をしてもトロイ「はせがわくん」に迷惑を掛けられながらも一緒に生きていく子どもたち。
 「はせがわくんなんて、だいだい、だいきらいや」(うろ覚え)、関西弁がぴったりの絵本でした。

 姫路出身の長谷川さんは現在、長崎在住だそうです。
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