07/09/25 佐
野洋「白い刑事」
落ち着かぬ生活をしていると、自分で決めた自分のやりたいことも中々出来ませ
ん。
◇月に1本以上の映画を見て
◇月に3冊以上の本を読んで
◇週に一度はサイクリングを
◆サイクリング
休日は概ね休んでいるのですが、サイクリングに出掛けようとの気分になれません。
Webサイトを見ていただいた方から、一緒に走りましょうかとのお誘いを受けたりしたりしておりますが、中々踏み切れません。
◆映画
月に一本の映画は何とかこなせております。
8月、9月と大阪・十三の七藝で3本の
映画を観ました。
◇「ブラインドサイト〜小
さな登山者たち〜」
チベットでは盲目の人たちは、前世の因縁と社会からも親からも忌み嫌われ差別を受けています。
そんなチベットに盲学校を設立し、子どもたちに自立のための教育をおこなう盲目のドイツ人教育者と子ども(青年?)たちの交流を描いた映画です。
◇「ヒロシ
マナガサキ」
監督は日系3世のスティーヴン・オカザキさん。
「はだしのゲン」の作
者・中沢啓治をはじめとするヒロシマ・ナガサキの被爆者14人と、エノラ・ゲイの航空士など4人のアメリカ人の証言で綴ったドキュ
メンタリーです。
◇「終りよければすべてよし」
延命治療を拒否すること、病院より在宅で死を迎えることなど、、いかに死ぬかと言う難しい問題を扱ったドキュメンタリーです。
◆読書
難解な本は読めずにおります。
気楽なエッセーか、ミステリーが主な読書の領域です。
先日は、書店の店頭で映画監督の新藤兼人さんの「いのちのレッスン」を求め
て読みました。
生い立ち、乙羽信子さんと出会いと恋愛、死生観などいずれ紹介したい本です。
相変わらずセンスの良い佐野洋さんのミステリー「白い刑事」を紹介
します。
この本は95年刊の「相撲好きの女 白い刑事」から4篇、未発表作を含め新たに4篇を加えて再編集されたものです。
普通の刑事は、容疑者をクロくする情報を集めて組み立てていきますが、この短編集に登場する刑事(刑事課巡査)は、容疑者がシロではないかとの疑問を
持ってし
まいます。
初老の弁護士とその妻、弁護士事務所の事務員、地元新聞の記者、若い女弁護士と白い刑事たちが危うく冤罪になろうとする人たちの
無実を証明していく人間関係も楽しいミステリーです。
佐野洋さんのミステリーは爽やかで良いですね。
新たに加えられた4編を紹介します。
◇嫉妬深い男
会社に社員の女性を誹謗するファックスが送られてきました。
ファックスには、女性の恋人の手書きの署名が書かれており、その恋人は逮捕されてしまいます。
白い刑事が、一人称に「自分は・・」と使うことを「改めた方が良い」と書かれています。
軍隊などの階級社会からの言葉なのでしょうか?私も好きな言葉ではありません。
◇鍵を握る女
ゴルフのロッカーから現金と手帳が盗まれました。
ロッカーの鍵を拾って届けたミニコミ紙の編集長が、捜査の対象となっているようです。
こんな言葉を語らせています。
「いかに崇高な目的であっても、手段を正当化することはない」
目的のために手段を正当化してはなりません。自戒です。
◇似顔絵の男
女性の殺された部屋に出入していた男の似顔絵が作成されます。
似顔絵に良く似た男を知っている白い刑事は、、、
前編の「鍵を握る女」とともに、女性を軽く見ると大怪我をします。
◇女性に優しい男
女性が殺された現場から、110番の通報がありました。
通報者は被害者の夫の同僚で、要保護者遺棄容疑で逮捕されました。
遺留品など容疑者にはクロい情報ばかりです。白い刑事たちはどのようにシロくしていくのでしょう。
「残
日録07/02/01」で取り上げた会
社に絡む新しい報道がありました。
破綻時の大株主であったA社が、元の大株主であったB社、監査法人、元の代表取締役、監査役などに対して株式の取得費用の凡そ143億8000万円を損
害
賠償請求を起こしたとの報道でした。
A社の言い分は概ね以下のとおりです。
◇A社はTOB(公開買付)により、B社と元の代表取締役から株式の譲渡を受け、その後第三者引受増資も引き受けた。
◇当時より会社は不正な循環取引をしており、B社を含む訴訟の相手方はそれぞれ不正取引を認識していた。
◇従って、損害の賠償を請求する。
B社と同様に誰かを騙して売り抜けられなかった、結局は「
ばば」を掴まされた無能な会社の言い分でした。
とは言え、売
り抜けたB社と元の代表取締役は刑事訴追されるべきではないでしょう。 |
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