08/01/06 映画「勇者たちの戦場」
年明けから、正規?の失業者と
なり不安定な精神状態にあります。
引きこもり、来し方を省み行く末の不安を数えてみてもきりもなく落ち込むばかりです。
寒さに負けて未だに自転車にも跨れず、一人でできる遊びは映画館に通うことくらいです。
”
戦場ははイラクだけでなく、帰還後の故郷もまた戦場である”
「勇者たちの戦場」、
しんぶん赤旗の映画評(08/01/4)を読んで観ました。
イラクからの帰還を直前に控えたワシントン州の州兵たちが最後の任務につきます。
彼らの車列が市街地に入ると突然銃撃を受けます。
生き残って故郷に帰還した者たちに、新しい戦場が待っていました。
◇帰国した医師のウィ
ル(サミュエル・L・ジャクソン)は、イラクでのできごとを妻に話すことができません。復帰した病院でも戦場の記憶が蘇り仕事にも支障をきたしています。
父に反抗的な息子、アルコールにおぼれ暴力を振るうようになったウィル、ウィルに批判的な妻、家庭は崩壊寸前です。
◇ヴァネッサ(ジェシカ・ビール)は、作戦行動中に仕掛けられた爆弾により右手首を失っての帰還だった。
高校教師に復職した彼女は、手を失ったことにより周囲の人たちに頑なな態度を取りつづけます。
◇トミー(ブライアン・プレスリー)は親友のジョーダン(チャド・マイケル・マーレイ)を戦闘で失い、帰国後も親友の死か
ら立ち直れず、故郷での生活にも馴染めずにいます。
◇誤って非武装の民間人を撃ってしまったジャマール(カーティス・ジャクソン)は、トラウマから抜け出せず元の恋人を人質
に立てこもってしまいます。
◆自衛隊員も
「確かにイラクに行った隊員の中に自殺者が5人いることが分かっていますが、イラクに行ったことが原因かというと、遺書
にそれを匂わせるものがないので分かりません」(下記記事より引用)
少し古いですが、「マガジン9条」に「こ
の人に聞きたい 半田滋さんに聞いた」(06/04/26up)と題する、長く防衛庁(省)の取材を行っている東京新聞記者の半田滋さんのインタ
ビュー記事中がありました。引用したのは「今回のイラク派遣によって、精神的に病んだりした人が多い、というデータはありますか?」との問いに答えた部分
です。
「最初にイラクに行った旭川の部隊が、帰国してすぐに一般市民と乱闘騒ぎを起こした事件がありましたね。これは、すごく異常です。というのは、普通自衛
官と
いうのは、「国民に絶対に手を出してはいけない」ということを教えられます。一対一の喧嘩ならまだ個人的な感情の爆発として分かるけれども、双方とも5、
6人いての乱闘というのはこれまでになかったので、すごく異質な事件だと感じました。」(引用終り)
幹部たちは、「『自分たちはイラクで大変な苦労をして辛い想いをしてきたのに、帰ってみると世間のみんながのほほんとし
て馬鹿に見えてくる』と。でも、いざというときに命を投げ出して国民を守るために、自衛隊
は訓練したり給料をもらったりしているわけでしょう。にもかかわらず、彼らはそう
いうふうに感じるようになってしまっている。」(引用終り)
朝日新聞の記事には、帰国後の自殺者は3人と言う記事がありました。
「イラク陸自、帰国後3人自殺 防衛庁『原因特定できぬ』」(朝日新聞 06/3/10)
◆エンディング
故郷に居場所を見出せなかったトミーはまたイラクに戻ることにしました。
ヴァネッサには新しい恋人ができ、ウィルはカウンセリングを受けることにより落ち着きを取り戻しつつあります。
希望の持てるエンディングでした。
◆映画館
この映画は東京/大阪/愛知/宮城/福井/沖縄/北海道で各1館しか上映していません。
大阪では、天六(天神橋筋六丁目)という下町にある「天六ユウラク座」にかかっていました。
私の子供の頃の映画館のように天井が高く、椅子はギシギシと鳴り、途中で3分ほどフィルム切れとなり、入れ替え無し、上映中の出入り自由、地下鉄の電車
の音が聞こえてくる、何ともレトロな映画館でした。
◆Webサイト
この映画のWebサイトも、画面サイズが800×600と小さなパソコンには不親切な構成でした。
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