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08/05/07 禁 じ手
◆老い
 相変わらず頭がまわらず、まとまったことが書けません。

 先日(5月5日)の朝日新聞(大阪本社版)の投書欄に、76歳の女性の「老いは寂しい、若さを戻せぬか」という投書が載っていました。

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 木々、花、雑草、目に映るすべてが元気よく、晩春を謳歌しています。
 私は若いころの体力、脳力、活力、思考力が低下。家人の言うことを聞かないわがまま、何かにつけて物忘れ・・・。以前にはなかった言動をして、「なぜな ぜ」と自問し、反省しております。そろそろぼけたのかな−−。恥ずかしいです。
 日中戦争、太平洋戦争も、子どもながら体験しました。今の平和で美しい日本は大好きです。
 四国から大阪に嫁いで半世紀。我が家の近くにもマンションが立ち並び、すっかり変わりました。ただ、我が家とご近所の前には今も、自慢の植木鉢が行儀よ く並び、道行く人の足を止めさせるほどです。
 平凡、平凡の毎日です。老いるとはたやすいようで難しい。そして、ちょっぴり寂しい。
 神様仏様、私の持てるお宝をすべてお供えいたしますので、もう一度若いぴちぴちしたころに、戻してください。そんな心境です。
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 人間としての、生物としての能力が低下し、そのうち周りの人たちに迷惑を掛けるのではないかとの不安があります。
 神様にお願いして、ふたたび「ぴちぴちしたころ」に戻してほしいとまでは思いませんが、老いることはたやすいようで難しい問題です。

 「通販生活 08年夏号」に「私の禁じ手」と題した著名人が自分に課している「禁じ手」が特集されています。
 私も色々と自分の禁じ手を持っています。しかし、自分の禁じ手を他人に押し付けることはしたくありません。
 著名人の禁じ手も共感できるものとそうでないものがあります。紹介してみます。

◆菅原文太さん
 「自家用車がなくてもまったく困らない」といわれています。
 同感です。
 私には何百万円もする買い物をする資金もありません。自動車がないと生活できない環境でもありません。従って、自動車を持つという意識がありません。

 そして、歩くことにより「季節の花や豊かな自然もよく見えてくる」とも。
 なるべく歩く、自転車に乗る、電車、バスなどの公共交通機関を利用する、タクシーを利用する、レンタカーを利用する。このような優先順で移動できれば、 CO2の排出はずいぶん抑制されることでしょう。

 そして、自動車に乗らない最大の効用を下記の言葉で括られています。
 「なにより、お酒を堂々と、美味しく飲めるようになるじゃないか」

◆椎名誠さん
 椎名誠さんはたくさんの禁じ手を持っておられるようです。いくつかを。
 ◇靴磨きを人にやってもらうこと
 自分の親ほどの人に靴を磨かせたることが嫌だとの理由から。
 他人さまに靴を磨いてもらうほどの靴を履いていませんし、そんなお金もありません。

 ◇車を洗うこと
 車は外を歩く泥靴と同じだから。ピカピカに光らせている人、バンパーについた傷で損害賠償を求める人が嫌いだそうです。
 私も道具をピカピカに磨いて眺めている人は好きではありません。ぞんざいに扱うというのではなく道具についた傷も愛着の一つと思っています。

 ◇酒の酌

 酒を飲むのに、酌をされるのも、酌を要求されるのも真っ平です。酒は 自分の金で、自分のペースで飲みたいものです。

 ◇噂話と悪口
 「むかしサラリーマンをしていた頃にやはり噂話が好きな同僚がいてそいつは結局チクリ屋だった。男としてこの手の性癖がある奴は一番貧しい人間だと思っ ている」
 噂話と悪口は、酒の肴に良く合うようで、酒の席ではよく耳にすることです。
 椎名さんは男性について書かれていますが、女性も同様だと思います。その場にいない人のネガティブなことは話さないことが大事ではないでしょうか?

◆佐高信さん
 「会社の倫理が適用されるゴルフ場は、取引・接待・談合の場」であるからゴルフをされないそうです。
 私はもう少し違う理由でゴルフはしません。
 ・山を削り、木を切り、農薬を撒き散らして、何が自然の中のスポーツでしょうか?
 ・ゴルフ場に行くための車を持っていません。
 ・頭数が揃わないと出来ないことには参加したくありません。

◆金子勝さん
 経済学者である金子さんは、博打と化した株取引をされないそうです。
 「だいたい、株で一儲けしてやろうという人間がこれだけ多くなっていること自体、今の日本の社会が平衡感覚を失いかけていると思いますね」
 勤務先の持ち株を退職後に処分したことがあるだけです。株取引だけでなく、同様の博打である競馬も、競輪も興味がありません。あのようなものが「儲か る」ということが信じられません。

◆中村うさぎさん
 タバコをやめることを禁じ手にされているそうです。
 公共の場所での禁煙が進んでいて、そんな現象を「禁煙ファシズム」という人たちが、マスコミに顔を出す人たちに多くいます。
 中村うさぎさんも、タクシーの禁煙化、公共施設の禁煙化は「禁煙ファシズム」だと言われています。

 「『体に悪いから』とタバコをやめる人が増え始めた。でも禁煙した人たちが、男女を問わずみんな太っていったんです。ご飯が美味しくなるなるみたいで、 1ヵ月に5キロのペースで太っていく。タバコだって体に悪いけれど、肥満だって生活習慣病の原因になるでしょう」
 中村うさぎさんの周りの禁煙された方は全員太ったのでしょうか。
 継続的な喫煙や飲酒は、依存症という精神病だという認識がないようですね。

 このような意見を掲載することが編集者の「バランス感覚」なのでしょうか?

◆魚柄仁之助さん
 食文化研究家だそうです。
 魚柄さんは物を買うこと、クーラーを使うことを禁じ手とされているそうです。
 クーラーを使わないことで電気代が夏でも月に2000円ほど、年間36万円程度で生活されているそうです。
 どのような暮らしぶりか分かりませんが、年間36万円での生活とは羨ましい限りです。
 私も最近「物」に対する拘りがドンドン薄くなっています。

◆筒井ともみさん
 脚本家の筒井ともみさんはパソコンを使われないそうです。
 「ほんの15年くらい前まで、パソコンなんて私のまわりでは誰も持っていなかったけれど、それでちっとも困らなかった。それに今の人と昔の人、どっちが モノをよく知っているかと言えば、昔の人だと思うんです」
 私の周りにも、パソコンも携帯電話も持たない、必要ないという人がいます。
 すべての道具は持たなければ持たないで済むものです。無ければ無いで工夫して生活できるものです。
 私はパソコンがないと生活できないタイプの人間ですから、車は持たなくてもパソコンとネットワークの環境は必要なものです。

 筒井さんも「私は根っからのアナログ人間で・・」と話されていますが、パソコンを使う人を「デジタル人間」、使わない人を「アナログ人間」との表現のし かたはおかしいと思っています。
 パソコンやインターネットがデジタル処理技術が多用されているからこのような言い方をするのでしょうが、テレビも音楽も映画も、ほとんどのものがデジタ ル処理されています。
 デジタル化されたものを利用する人をデジタル人間だとするとほとんどの人がデジタル人間になってしまいます。

◆森達也さん
 トイレの後に手を洗れないそうです。
 蛇口のハンドルは、先客が汚れた手で触っているから触りたくないので、手を洗わないとの理屈だそうです。
 手をかざすと水が出るタイプの手洗いであれば洗うとのこと。
 トイレのドアの取っ手は触られないのでしょうか?ハンカチで被せて取っ手を持たれるのでしょうか?
 「自虐史観」だとか「日本古来の穢れ意識の産物」だとか「ユダヤのホロコースト」だとか「ルワンダのツチ族虐殺」などを引き出して、このような惨劇は 「無自覚な思考や情緒の停止から始まると思っているからだ」とのこと。この人の思考にはついていけません。
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