08/06/27 映画「マンデラの名もなき看守」
映画「マンデラの名もなき看守」を紹介します。
最近の映画では見ごたえのあ
る一本でした。
後に南アフリカ大統領となるネルソン・マンデラ担当の看守となった男が、マンデラとの交流のなかで人間として成長していく物語です。
南アフリカでは、1948年からおよそ半世紀にわたり、少数白人の政治的経済的特権を維持するために有色人種を差別する政策(アパルトヘイト)が取られ
ていました。
グレゴリーは、反アパルトヘイト運動の指導者・マンデラが終身刑として収容されているロベン島の刑務所に妻と二人の子どもとともに転属してきます。
マンデラの故郷に近い地方で育ったグレゴリーは、彼らの言葉・コーサ語を話すことができることから、公安警察の幹部からマンデラの担当となり、彼らの会
話や手紙を監視するように命じられます。
マンデラの妻の面会に立会った時には会話の内容を、手紙を検閲すればその内容をを公安警察に逐次報告します。
その「密告」の結果か、マンデラ夫人の逮捕、マンデラの息子の死、活動家の虐殺などの悲劇が続きます。
グレゴリーは、マンデラの不屈の魂に触れる中で、自分の任務(行為)に罪悪感を持ち始めます。
◆子どもの見たもの
グレゴリーの子どもたちが街中で目にするのは、身分証を持たない黒人を打擲し拘束する警察官の姿でした。まさに「黒人狩り」です。
素直な子どもたちの疑問に、グレゴリー夫婦は「テロリストだから」「共産主義者だから」「白人の財産を取り上げるから」と繰り返すだけです。
◆妻のグロリアの成長
黒人は共産主義者でテロリスト、白人の財産を奪うものと、偏狭なアパルトヘイト主義者であり夫の出世と子どもの成長だけが楽しみのどちらかというと社会
に無知な女性でした。
出世を棒に振るようなグレゴリーの態度に着いていけなかったグロリアが、最後は夫の心を思いやるよき理解者へ成長していく過程は共感できました。
この映画を見て、同じ南アフリカを舞台にした映画「遠い夜明け」を思い出しました。
黒人活動家スティーヴ・ビコを白人差別の先導者だと批判していた白人記者(ド
ナルド・ウッズ)が本人と出会うことによって自己変革していくという物語でした。
軟禁状態にあったビコは無許可で演説をした容疑で逮捕され虐殺され、警察は次にビコと親しかったウッズを危険人物として自宅軟禁します。観に危険を感じ
たウッズ一家は南アフリカから冒険映画のように脱出します。
是非、見ていただきたい映画でした。
◆電車
で席を譲る
席を譲るのは難しいものです。
先日、脚の悪い女性が乗ってこられました。介添えの人は老人で余り力になりそうもありません。
私も立っていますし、優先席付近でもありません。
ドア付近にもたれて立っておられましたが、私からは相当辛そうに見えましたので、私の前に座って眠っている女性を起こして席を代わって貰いました。
隣に座っていたS教新聞の読者のおじさん、いかがお考えでしょうか?
◆飛騨牛、美濃
牛肉の等級、ブランドなどを偽装した事件がありました。
食品の偽装は素人にも容易に想定されることです。そんなに驚くことだとは思っていません。
金儲けが第一、金を儲けた人が勝ち組みのような社会では、消費者に判断のつきにくい製品での偽装は避けられません。
暫くは、こんな騒動が続くのでしょう。
それにしても、美濃の国と飛騨の国で構成されている岐阜県内産の牛肉を「飛騨牛」と称するとは、随分無理のあることだと思いますが。飛騨産の牛肉だけを
「飛騨牛」、岐阜県内産は「岐阜牛」で良いのではないでしょうか?
◆ニュース23
沖縄慰霊の日(6月23日)に、全国紙は社説で取り上げなかったと書きましたが、TBS系のNEWS23が「女の子に偽装させられた少年」と題した特集
を放送していました。
元沖縄県知事の大田昌秀さんらの証言で構成されていました。
亀田親子の持上げなどスポーツバカのようなTBSですが良い番組でした。
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