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08/07/04 自殺統計
 自殺に関する統計資料が6月に 公表されました。
 03年の34,427をピークに一旦下がりかけた自殺者数は、4年ぶりに33,000人を超え98年からの10年間連続で年間3万人を超える人が自ら命 を絶っています。
 また、この10年間の累計では325,000人を超える人が亡くなっています。戦争もなく「平和」だといわれている日本の現実です。

◆自殺者数の推移
 年間の自殺者数の推移は下図のとおりです。


 
※赤は女性、青は男性 の積上げ棒グラフです。

 ・07年の男女比は7:3で大きな変化はありません。
 ・98年から3万人台での高止まりが続いています。

◆1997年、1998年
 自殺統計を見るたびに1997(平成9)年か1998(平成10)年に社会的なできごとがあったのではないかと思っています。
 規制緩和という名の弱肉強食社会が弱者を死に追いやったと思い「対米 規制緩和」でGoogle検索をしてみました。

 外務省のWebサイトに「日米経済関係年表(1970年代以降)」 に、「
1997年 6月、橋本・クリントン間で、日米規制緩和対話につき合意(『規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化されたイニシアチブ』)という記述がありました。
 さらに、97年の橋本・クリントン合意の内容とその後の動きが書かれたページがありま した。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/kanwa/index.html

◇傀儡政府
 97年の合意から1年後の「第一回共同現状報告(1998年5月)」を読んでみました。
 詳細は十分には理解できませんが、国民のためと推し進められた来た「規制緩和」はアメリカの利益のためであったこと、自民党政府がアメリカの手先であっ たこ とが明確に示されています。

 この国の政府の傀儡ぶりを、分かる範囲で大小取り混ぜて羅列してみます。

▽2000年度までに準防火地域における木造3 階建て共同住宅の建築について、手続きを簡素化する建築基準法を改正する。
 建築用木材をアメリカから輸入するための準備でしょう。
▽アメリカの製材規格を承認する。
▽コードレス釘打ち機を銃刀法上の「銃砲」にあたらないようにする。
▽1997年の厚生省通知を可能な限り広範に解釈して、外国の臨床試験データ受入れを大幅に拡大する。
 独立国に「可能な限り拡大解釈」を求めるアメリカと受け入れる日本。。。
▽新薬承認期間を2000年4月までに12 ヶ月に短縮する。
▽酒類小売業免許の人口基準は2003年9月1日をもって廃止する。
▽完成検査終了証の有効期間を6ヶ月から9ヶ月に延長する。

 この報告書は2001年6月の第4回まで続いています。
 是非、お読みください。

 また、当時の橋本内閣は日本社会党(当時)、社会民主党や鳩山由紀夫や菅直人が所属していた新党さきがけが与党(後に閣外協力)であったことは覚えてお く必要がありそうです。

◆地域と自殺
 閑話休題、都道府県別に自殺者と自殺率を見てみます。

 ※棒グラフは都道府県別の自殺者数、青は自殺率が全国平均以下、赤は全国平均以上(左 目盛)
  折線グラフは自殺率(10万人率:人口10万人当たりの数)、水平線は全国平均(25.9)、右目盛


 大雑把には都市部及び都市近郊では自殺率が低く、地方では高くなっている。
 俗にいわれる「地域格差」が自殺率でも明らかになっています。

◆自殺者の年齢
 60歳以上の自殺者が36.6%を占めています。老人につめたい社会です。
 年齢が上がると自殺率も上がっています。

 ※棒グラフは自殺者数(左目盛)、折線グラフは自殺率(右目盛)

◆自殺者の職業
 サラリーマンなどの被雇用者が28%、無職が57%(18,900人)となっています。
 私は60歳、無職、何がなくても自殺適齢期です。


◆自己破産との関係?
 自殺者の増加は、国の規制緩和(弱肉強食)政策により、弱者が「死」しか行き場のないところまで追い込まれているということでしょう。
 自己破産の申立件数と自殺者の経年推移は同じようなカーブを描いています。
 関連はもう少し調べてみたいと思います。

 ※青線は自殺者数(左目盛)、赤線は自己破産申立件数(右目盛)

 私も自殺予備軍の一人で、他人事ではありません。

 自殺についての統計資料は、厚生労働省「
平成19年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」と警察庁「平成19年中における自殺の概要資料」の2種があります。昨年(07年)の自殺者総数は厚労省資料では30, 777人、警察庁資料では33,093人との差があります。※厚労省と警察庁の統計数値の違いはこちらをご覧ください。
 警察庁の資料を参考にしています。

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