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08/11/12 文民統制?
 先の戦争を侵略戦 争ではないとし、正当化する論文を公表した田母神航空幕僚長(当時)が参議院外交防衛委員会に参考人として招致されました。
 参議院のビデオライブラリーに外交防衛委員会の審議が掲載されているので視聴してみました。
 ※参議院のビデオライブリー から11月11日の外交防衛委員会を検索してください。

 参考人、防衛相の答弁を聞いていると、わが国の文民統制という原則は危うい状況にあるように感じました。
 田母神参考人は自身の持つ考えを堂々と述べ、浜田防衛相は田母神氏の論文の不適切さを認めながらも懲戒処分としなかった(できなかった)ことには自信無 げな答弁に見えました。

◆不透明な退職手続き
 防衛省は、田母神氏に対し当初は自主退職を促し、自主退職しなければ懲戒手続きをするが審理手続きを辞退して欲しいと要望したそうです。
 ところが田母神氏は、辞表を拒否し審理手続きも辞退せず自分の意見を述べるとの態度を取ったために定年退職としたとのことでした。
 退職金6000万円を支払うための手続きだったのか、これ以上懲戒手続きで発言をさせたくなかったのでしょうか?

◆田母神発言
 田母神氏の発言の一部は下記のとおりです。

◇論文募集を教育課長に紹介しただけで「私が(論文応募を空自隊員に)指示をすれば、1000を超える数が集まると思う」
◇「私は間違っていないと思っている」
◇「国民に不安を与えたことはない」
◇(憲法は)「国を守ることについて、これほど意見が割れるものは直した方がいい」
◇「自衛官の言論を政府見解に沿って統制するのはおかしい」
◇昨年も同趣旨の論文を発表していたが問題にならず今回のみ問題となったことについて「多くの人の目に付き、マスコミなどによって騒がれたから」
◇「政府見解による言論統制はおかしい」
◇「私は(日本の植民地支配と侵略の誤りを認めた)村山首相談話を公然と批判したことはないし、論文でも触れていない」
◇退職金については「(返納の)意思はない」
◇集団的自衛権も行使し、武器を堂々と持とうということかとの問に「田母神氏 そうすべきだと思う」


 こんな考え方を持つ人間が出世する自衛隊という組織、
またこんな人間を最高位の幕僚長に任命する内閣は日本国憲法の精神 から大きく逸脱しています。
 田母神氏の発言を聞いていると、自衛隊はすでに文民がコントロールできる状態にはないのではないか?いつクーデターが起こっても不思議ではないような状 態にあるのではないかという危惧を禁じえない。

 そして、私が一番気になったは、田母神氏が発言の中で自 衛隊のことを「軍」と呼んでいたことです。
 自衛隊はいつの間に「軍隊」になったのでしょうか?
 いつか来た道に戻りつつあります。

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