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09/03/18 朝日俳壇、歌壇より
 中米のエルサルバドルに左派政権が誕生したと 報じられています。
 大統領選挙で、対米従属、新自由主義からの転換を掲げたファラブンド・マルティ民族解放戦線党(FMLN)のマウリシオ・フネス氏が勝利したとのこと。
 中南米33ヶ国のうち左派・中道左派政権の国が16ヶ国になったそうです。

 「エルサルバドルに左派大統領 新自由主義・対米従属 転換選ぶ 中米にも変革の波」(しんぶん赤旗 09/03/17)
 「エルサルバドル大統領選:フネス氏勝利 『左傾化現象』波及 対米関係は重視」(毎日新聞 09/03/17)

 人口の4割を超える地域の自治体に革新系首長が誕生していた70年代の日本を思い出しました。
 革新自治体では70歳以上の医療費が無料などというのが当たり前の時代でした。今昔の感ありです。

 16日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇より気に なった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
 浅学の身には難しすぎる句が多くて共感する句に中々出会えません。

◇ソクラテスの如き土筆を摘みにけり(北九州市・伊藤信昭:大串章選)
 ソクラテスの比喩は、頭でっかちとのことでしょうか?
 ソクラテスと土筆にもっと深い意味があるのでしょうか?

◇昼下がり雪解雫の音ばかり(福岡市・浅利清香:稲畑汀子選)
 毎冬に少し雪の積もる地域に住んでいた子供のころ、庇を乗り出した雪からの雫が軒先にぽたりぽたりと落ちていた音を思い出しました。

◇春暁の月曜といふ胸さわぎ(大阪市・福井克子:金子兜太選)
 作者は若い方だと読んでしまいました。
 胸さわぎは恋なのでしょうか?仕事なのでしょうか?
 よい胸さわぎなのでしょうか?悪い胸さわぎなのでしょうか?

◆朝日歌壇
 短歌でも時事詠というのでしょうか労働者の首斬り関連の歌がありました。

◇ロッカーの荷物はほんの一かかえつぎつぎ去りゆく職場の仲間(三島市・渕野里子:馬場あき子選)
 ロッカーにおいた僅かな私物を抱えて職場を去る仲間、どんな職場だったのでしょう。
 作者は次の歌でも入選しています。

◇そうかもう君はいないんだと云う台詞どっちが云うかあなたとわたし
(三島市・渕野里子:永田和宏選)
 この歌だけを読んだときには俵万智さん風の青春歌かと思いました。
 上の歌とあわせて読むと難しくなってしまいました。

◇エクセルで我の作りし雛形の解雇通知を押し頂 きぬ(吹田市・小山安松:佐佐木幸綱選、永田和宏選)
 「あるある」と共感しました。

◇派遣切りの噂を聞きて食細る娘に作る卵雑炊(京都市・佐藤佳代子:高野公彦選)
 「噂を聞いて食が細る」の意味がひとつわかり難いのですが、娘さんが派遣で働いていて派遣切りがあるそうだとの噂を聞いて悩んでおられるのでしょうか?

◇工場が閉鎖になったと告げる子の詐欺の電話で無きゆえ悲し(角田市・藤原忠:永田和宏選)

 詐欺であっても良いから嘘であってほしい子どもの離職、子を思う親の複雑な心境ですね。

◇「お宅の屋根危ないですよ」とリフォームを言い来し男前歯無かりけり(柳川 市・山下雪江:高野公彦選)
 この歌も「ありそう」と思えました。こんな風に詠めたら良いですね。
 貧相な顔の占い師を連想しました。「あんたが咲きに幸せになれよ」って。

◇老患の抑えた声の念仏が幽かに聞こゆ消灯時間(東近江市・寺下吉則:高野公彦選)
 幸いなことに入院の経験がありません。病院で寝たのは入院した子どもの付き添いで寝たぐらい。
 病室のあの雰囲気の中で聞く読経の声は深く心に滲みることでしょう。老いた患者の人生の「声」なのでしょう。

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