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09/08/03 朝日俳壇、歌壇のことなど

 マスコミはどうし ても「自民VS民主」の「二大」政党の選挙にしたいようです。
 マスコミがしたいことは、日本の支配層の意思だということでしょう。
 ワイドショート称するバラエティ番組は、自民、民主の出馬予定者を追いかけ、申し訳程度に他党の出馬予定者を紹介するのみ、どう見たって偏向としか思え ません。

 元自民党、元新党日本、元国民新党の小林興起・元衆議院議員を民主党は、東京10区から出馬せず、比例の東京から公認で出馬することを民主党と合意した そうです。
 小林氏が無所属で出馬を予定していた東京10区は小池百合子氏と民主・新、共産・新の争いが予定されていたのを小林氏を下ろしたもの。(「自民除名の小林興起氏、民主が比例東京で公認へ」朝日新聞 09/08/02)
 形振りかまわぬ民主党の選挙戦術です。

 元民主党の衆議院議員・河村たかし名古屋市長は、7月30日の外国人特派員協会での講演で下記のように述べたそうです。
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 (民主党が政権を取りそうなことについては)税金で経営するラーメン屋が2軒(自民と民主)あったとする。2軒とも潰れない。政権交代で大きくなるが、 美味いラーメンは食えない。民主党は庶民のための戦いをせにゃならん。政治の職業化は税金を払う方が苦労し、食う方が楽をする。
------------------(「河村名古屋市長「政権交代より議員交代だにゃあ」 JANJAN 09/07/31)

 自民、民主は「無駄を省く」との理由でで国会議員の定数減を公約に盛り込んでいますが、少数意見を封じ込めるようなことは許せません。河村市長がいうよ うに議員歳費の減額をすればいいのではないでしょうか。

  ヒロシマ、ナガサ キの原爆忌を一週間以内迎えるこの時期にしては淋しい入選作品でした。
 原爆忌を歌ったものはなく、敗戦に因んだものが2句、2首入選していただけです。
 人が殺し、殺されたことを私たちは忘れてはならないとおもいます。

 現代俳句協会の「現代俳句データベース」 の今期の巻頭句は下記の句でした。
◇原稿紙の升目原爆忌では埋めぬ(
相原左義長)

 作者は被爆者で被爆体験を隠し続けてこられたそうです。 句の紹介者・成井恵子さんは次のように書いています。
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 さらに、原爆忌という一つの具象を示しての、反骨精神の必要性を示唆しているようにも思われてくる。俳句にかぎらず詩歌には、容易に人に従わない気骨、 独創性を追求する信念が継続していなければならない。予定調和では、ほんとうの俳句は維持できないのであろう。
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 こうありたいですね。
 この句を読んで、デザイナーの三宅一生さんが7月14日付けのニューヨークタイムスに寄稿された文章「閃光の記憶(A Flash of Memory)」を思い出しました。(広島市のホームページに掲載されています)

◆朝日俳壇
◇終戦を幼き我に告し母(横浜市・神尾幸子:大串章選)
 この母は幼い娘に、戦争が終わったことをどう伝えたのでしょう。喜びだったのでしょうか?

◇風鈴の次の音を待つ長き刻(大阪市・友井正明:稲畑汀子選)
 蒸し暑い午後、風鈴がチリリンと鳴った、風鈴を鳴らした風が通ったような気がする。
 次の風を待つ時間は僅かだろうに長く感じることです。

◇涼しさや忘れ上手といふことも(香川県・三宅久美子:稲畑汀子選)
 意味はよくわかりませんが、何とはなしにわかるような気になる句でした。
 忘れ上手になりたいものです。

◇敗戦日ただただ白く焼けつく日(相模原市・三松玲子:金子兜太選)
 私は俗にいう「団塊の世代」で先の戦争を実体験していま せん。ニュース映像で見ると敗戦の日はよいお天気だったようです。
 「ただただ白く焼けつく日」だったのでしょう。

◆朝日歌壇
◇古着屋も引き取りかねし着晒しを仔猫のように慈しみ着る(東京都・津和野次郎:佐佐木幸綱選)
 気に入ったものは他人にはゴミ同然と思われてもなかなか捨てがたいものです。
 仔猫のように慈しむとは猫を飼ったことのない私にもさもあろうと思わせます。

◇女ひとり生ききて八十歳(はちじゅう)せめてもの誇りとせむか職歴七つ(広島県・新巻武子:高野公彦選)
 今の若者ならいくらかは「女ひとり」でも生き易いかもしれませんが、大正生まれの「女ひとり」で生きることは大変なことだったでしょう。生きていること そのものが七つの職歴とともに誇りです。

◇履歴書に多き転職書くときは理由(わけ)なき怒りの噴くと息子は(大阪市・池田芳昭:永田和宏選)
 80歳にして7つの職歴を誇りと思われる方の一方で、転職を繰り返さざるを得ない若者の憤りは悲しいことです。
 若者よ、その憤りを今度の選挙にぶつけてみませんか。

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